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ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち 〜合評


『ウルトラマンティガ』評 〜全記事見出し一覧
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(98年3月16日封切)
(配給収入・4億5千万円)
(脚本・長谷川圭一 監督&特技監督小中和哉

ウルトラマンティガ&ダイナ 〜評1 とりあえずいま、語っておきたいこと

(文・彦坂彰俊)
 まずストレートな感想を言うならば、面白かったけど上映時間はもっと短くてもよかったなぁと。


 映画そのもののテンポはともかく、バトル皆無な中盤において子供たちの画面集中力が散漫になるのは当然のことであって、その生理をかえりみずに堪え性のなさを批判するのは酷であろう
 (ましてこれは、ながら視聴ができるテレビではなく、暗闇の中で銀幕を見つめる以外にない映画なのだから)。


 そういう意味での時間配分からみると、ドラマパートを切り詰めてもほとんど差し障りがなかった気もするわけで。


 ドラマパートが退屈だったという意味ではないけれど、もっとバトル中心の構成でむしろバトルに付随する人間ドラマのほうが見たかった……
 って、要するに他の特撮変身ヒーロー評や合体ロボットアニメ評でいつも言ってることじゃないか(苦笑)。



●この作品世界における世界平和の象徴である、『ウルトラマンティガ』(96年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080913/p1)第34話「南の涯(は)てまで」に登場したクリオモス島が兵器開発研究所と化しているというアイロニカル(皮肉)な描写など、狙いはわかる。
 が、作品への理解力を要求するこのテのネタは(特に今回のような場合)両刃(もろは)ではある。


●今回、明確にヒロインとして描写されているマイ。
 折角の機会だから演者の山田まりやに花を持たせてあげようという意図もこれまたよくわかるのだが、その煽りを食ったリョウがイマイチぞんざいに扱われているように見えるのは僻目であろーか?
 (笑・実質的なヒロインとして比重が高いのは、TVシリーズではリョウのほうなのに……)


●そもそも『ダイナ』においては、スタンドプレーが非常に否定的な描き方をされる。
 それはもちろん、主人公アスカ自身が考えなしに突っ走るキャラクターに設定されたがゆえの作劇的なブレーキにほかならないのだが、その繰り返しがパターンとしてここまで煮詰まってしまうと、たまには他のこと言えよという気分にもなろうもの(オイオイ)。
 変に突き詰めるとチームに対する甘えの構図が発生しないとも限らず、このへん一方で『ウルトラマンレオ』(74年)のようにチームワークばかりではなく時に孤立無援の戦いにも――第13話「大爆発! 捨身の宇宙人ふたり」透明宇宙人バイブ星人編、第14話「必殺拳! 嵐を呼ぶ少年」さそり怪獣アンタレス編など――、話によっては理を認める柔軟さもほしいところだ
 (ただまぁ電脳巨艦プロメテウスの超強力なネオマキシマ砲を浴びることに対する恐怖を克服する内面の戦いは、アスカ独りのものでしかないわけだが)。


●もっともよく考えると、その心理葛藤のドラマはVS(プロメテウスがモネラ星人によって変形させられた)電脳魔神デスフェイサー戦で決着がついてしまうのである。
 その点、肝腎のウルトラマンティガ復活というシークエンスが捉えようによっては蛇足的でさえあるのが残念だ。


●しかしながら、ティガ復活というイベントは逆算的に組み立てていくとやはりこーなるだろうというわけで、実際「奇跡」の発生条件に多少の疑問が残るものの(これは演出上の問題でもあるけれど)、『ティガ』の最終回を見事に再構築した。
 あれから7年という年月の流れを活かし、かつて光になったことのあるかつての子供たちを登場させたあたりは、説得力があるとともにけっこー泣かせるシチュエーションではあった。


●二大ヒーローVS超巨大怪獣というカード自体は、クライマックスにふさわしいハッタリのきいたアクション設定だと思う。実は個人的に「こーゆーのが見たかったんだよ!」的な感慨を抱いていたりもするのだ(笑)。
 でも超巨大植物獣クイーンモネラがデザイン上、自由に動けないデクノボーだってあたりでかなり期待が削がれたこともまた事実。
 「特撮演出」上の都合・不都合もあるとは思うが、次の機会ではぜひとも超巨大怪獣との本格的格闘戦にチャレンジしてほしいものである。


●ただし、「特撮演出」自体に関して言えばほとんど文句のつけようがない完成度の高さで、ヴィジュアルイメージと完成画面のギャップが近年急速に狭まりつつあることは想像に難くない。
 ――たとえば前年の映画『ウルトラマンゼアス2 超人大戦・光と影』(97年)においては実写特撮でウルトラマンゼアスVSウルトラマンシャドーとの空中格闘戦を実現させたものの、質感的にはまだいかにもCGという印象を払拭するには至らなかった。
 が、今回などウルトラマンダイナ・ミラクルタイプ(青色)のローリング空中移動をはじめとして、ライブ合成かCGか実際見分けがつかないほどに画面の仕上がりは自然である。
 さらに違和感のない空中格闘戦描写を具現化させるために、なおいっそうの精進を期待したい(笑)。


 まぁ実作品の出来を総括するなら、

ソツはないけどスキはある


 と、いったところでしょーか。
 ヒトによってかなり評価の別れる内容ではあろうけれど、最大公約数的にみれば期待をほぼ裏切ることのない良心作ではありましょう。


 本作にしてもTVシリーズ本編にしても、平成ウルトラの里程標にすぎないという気分を濃厚に持ち続けているクチなので、むしろネクスト・ステップの布石として期するところは大きい。
 少なくともボクの見たかった新世代ウルトラは、まだまだこんなもんじゃないぞ!(←タマにはちょっぴり高飛車に)

まだやれる、まだいける!


…………はずだ(笑)。


(了)
(初出・特撮同人誌『假面特攻隊99年準備号』(98年8月15日発行)「ウルトラマンティガ&ダイナ」評1より抜粋)


ウルトラマンティガ&ダイナ 〜評2

(文・T.SATO)
 『ウルトラマンティガ』(96年)最終回(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961207/p1)がキライなヒトには評判が悪い。
 それはそれでひとつの意見だ。絶賛論がムラ世間的同調圧力となり、異論を唱えにくい風潮を作ってはならない。
 で、感想。……ラスト、あぁもう滂沱の涙(笑)。
 以上、感情の次元での感想おわり!


 以下、分析。
 これは『ティガ』最終回の予備知識アリの上で感動できる、反則ワザ作劇だとのツッコミも可能かも……。
 てか、ティガ復活も伏線がなくって、付け足しっぽいかな。
 ラストの『ティガ』の防衛隊・GUTS(ガッツ)メンバー再会シーンおよび会話シーンも、ファンサービスとはいえチョット長すぎるような(汗)。


 でもだから単独映画としてダメだとまでは云わない。
 そも成り立ちからして単独映画ではなくTV拡大版であり、観客の過半もその認識で来るからだ。だからそのツッコミはナンセンス。
 『ティガ』最終回に違和を持ちつつトータルでは肯定する筆者だが、今回は人々が光になる(光と化した人々が合体してティガになる)シーンでスナオに感動した。
 でも、これも前例によるそーいう世界観を了解してるからこそか? まぁでも感動したんだから……イイや(笑)。


 『ティガ』最終回でチョットひっかかったのは、子供たちだけが光になれたらしいこと。
 ……だったんだけど、今回は避難場所のヒトたちみんなが年齢に関係なく光になれたみたいで。


 やっぱ、ストリート風のアンちゃんの


 「アレ(7年前)は……、夢じゃなかったんだ」


 ってなセリフが万感で、カユいところに手が届いてる。虚構中のリアリティという感じで。
 でも、明日になったらアンちゃんたち街で遊びまくってそーだけど(オオッ、『ダイナ』#33「平和の星」!・笑(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971207/p1))。


 それに、人々の思いや愛の力が結集して、物理的力となる!
 なんてのは近代合理的ならぬ呪術的・古代的、もとい願いや祈りや正義が実現したらイイな、という人間心理に普遍にある王道復古のパターンでもあり、難解なワケもないのだから、『ティガ』最終回を観ていないとまったくの理解不能、ということはなく、そんな前史があったのだろう的に未見の観客にも了解はできるだろう。


 てか、今時の作品で、前シリーズやマニア向け書籍をチェックしていないとまったく楽しめないような作りのジャンル作品なんてのもめったにナイよ。作り手だってバカじゃないし、そんなことは事前にわかっていて対処して作品を作っているのだし……。
 そんな絵に描いたようなわかりにくい作品の典型なんて、往年の『機動戦士ガンダム』(79年)の直接続編『機動戦士Z(ゼータ)ガンダム』(85年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060325/p1)くらいなモノでしょう(笑)。


(了)
(初出・特撮同人誌『假面特攻隊99年準備号』(98年8月15日発行)「ウルトラマンティガ&ダイナ」評2(紙幅の都合で短縮版)の原文に、『仮面特攻隊2000年号』(99年12月26日発行)「平成ウルトラ3年間日記」(特撮雑誌「宇宙船」「円谷プロファンクラブ会報」読者投稿覧(掲載・未掲載共)orオールジャンル評同人誌「SHOUT!」or「きみこそ勇者」投稿)98年6月7日(日)執筆分を追加して再構成)



(後日付記:平成ウルトラ映画としてはトップ級の配給収入を誇った本作だが、同年夏休みにはポケモン映画第1作『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』(98年)が公開。その配給収入は本作の10倍近く、41億5千万円(21世紀以降の「興行収入」基準だと75億4千万円!)に達した)


[関連記事] 〜平成ウルトラシリーズ劇場版・評

ウルトラマンUSA(89年) 〜日米合作80年代アニメ!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100821/p1

ウルトラマンティガウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち(98年) 〜合評

  (当該記事)

ウルトラマンティガウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦(99年) 〜合評

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19981206/p1

ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY(ファイナル・オデッセイ)(00年)

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961209/p1

劇場版 新世紀ウルトラマン伝説(02年)

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20021115/p1

ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟2 〜東光太郎! 幻の流産企画!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20130317/p1

大決戦! 超ウルトラ8兄弟(08年) 〜ティガあっての新作だ!

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大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE(09年) 〜岡部副社長電撃辞任賛否!

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ウルトラマンゼロTHE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国(10年) 〜傑作!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20111204/p1