假面特攻隊の一寸先は闇!読みにくいブログ(笑)

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快獣ブースカ・チビラくん・アイアンキング・シルバー仮面 〜疎開児童の夢の結晶3

(文・Y.AZUMA)
(07年4月執筆)

快獣ブースカ

チャンネルNECO 月曜日 22時30分 放送終了)
 66年度作品。最終回を視聴。
 ブースカたちをロケットで宇宙に飛び立たせる科学者を、何と偉大な喜劇役者・由利徹師匠が演じていた。
 この師匠、どこかの本で読んだけど、シリアスな代官役で選ばれたのに「この字、なんて読むの(このず、なんでよむの)」などというアドリブを入れ、完全に三枚目のキャラクターにしてしまい、プロデューサーだかディレクターだかを泣かせる人だったそうだ。
 しかし、子供向け番組の場合は手を抜いていない。かっちりと笑わせながら、決してふざけてはいない科学者を演じていた。堂々の科学者振りは、俳優・潮万太郎(うしお・まんたろう)ばりの二枚目になっている。
 さあ、ブースカは、二十年後帰ってくることになっていたのだが、どこかで引っかかっているのか、四十年近くたってもまだ戻らない。仕方がないか。
 さて、この番組の次は『チビラくん』(70)。「試みられた起爆空間」が舞台(マニアなら、すぐ分かる)。期待しよう。


チビラくん

チャンネルNECO 月曜日 21時50分)
 円谷プロが作成した不思議なファンタジー番組。
 カイジュウ町に住むチビラくん一家がゴルバ父子のちょっかいを受けながらも楽しく暮らすというストーリーらしい。
 出てくるチビラ君たち、着ぐるみというより、普通の服に頭だけかぶり物というスタイル。
 あ、思い出した。
 20年近く前、友人たちと祖師ヶ谷大蔵円谷プロの怪獣倉庫を見学したとき、たしかチビラ君たちの頭が奥の棚に鎮座ましましていた。
 本放送時(70)は、毎日10分の放映、週6本で一話完結の構成。
 子どもの頃の再放送で夕方七時前の夕飯の準備をする頃、飛び飛びで見ていた気がする。しかし、毎日ちょっとやっては「また明日」だったので、頭の中では、全く繋がらず。よく分からない番組であった。


 今、第一回を見直してみると……、やっぱり分からない。
 ただただ、見ているうちに、30年ほど前の夕飯前のだらだらした気分になれたのは事実。
 さて、舞台となるロケ地は、『コメットさん』(67)前半で使用した河越さん宅の並び、道沿いに50mほど西北に行ったところ。特撮ファンなら誰でもご存知、「試みられた起爆空間」と名づけられた個人住宅。例の「百窓」「百目」である。
 悲しい誤解の積み重ねで欠番となった『ウルトラセブン』(67)12話のロケ場所でも有名。
 これも何と一年半続く模様。
 日常のカリカリキリキリしたストレスを、本来の「山なし意味なし落ちなし」の連続であるこの番組を見ることで解消できるかも知れない。
 ほとんど落語『あくび指南』の世界である。


アイアンキング

ファミリー劇場 日曜日 9時他)
 これも、第二期怪獣ブームの中の一本。
 さて、感想。
 この世界もそうだけど、この時代の特撮ドラマってほとんど「荒野を進む」話が多いと思いませんか。そういえば、これも『コメットさん』(67・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070520/p1)同様、脚本が佐々木守だ。
 言い換えれば、この時代のこの手のドラマ。どれも、たいてい行政の警察権が及ぶ地域と及ばない地域が存在して、及ばない地域を主人公たちが旅をしたり、出て行く段階で、その地域に存在する「まつろわぬ者たち」との摩擦を起こすという世界観。『仮面ライダー』(71)もこの世界に存在している。


 この構造、昔話や伝説の英雄譚に良く出るパターンだし、西部劇もこのパターン。
 もっと分かりやすくいうと、これらの作品を作っていた元少國民たちが「少年倶楽部」等で夢見ていた現実の地域「満州」の荒野なのではないでしょうか。
 敗戦で封印されたとはいえ、当時の中年おじさんたちにしてみれば、子どもの頃の実在したファンタジアだった訳だから、いくら名前を消しても、滲み出てくるはず
 (歴史の物差しを当てはめれば、『アイアンキング』放映の1972年から1945年(昭和20年・終戦)までは27年間。2007年から27年前と言えば、1980年だもの。ついこの間だよ)。


 そういえば、今の『仮面ライダー』を見ると、どこにも「荒野」は存在しない。すべて行政の警察権の及ぶ範囲の中、その影の見えない部分や異空間へ移動する世界観である。楽しめないのは、ここの差か。

(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2007年春号』(07年4月22日発行)『近作評EXTRA』より抜粋)


以下、後日追加!

シルバー仮面

(07年2月執筆)
ファミリー劇場 月〜金 深夜一時半 放映終了)
 CSチャンネルをついつい見続けて夜更かししていると、深夜一時を越えた頃にファミリー劇場でかかってくるのが『シルバー仮面』(71)である。
 70年代初頭の本放送当時、『ミラーマン』(71)と放映時間がカチ合っていたので、ほとんど今回が初見。
 美術は池谷仙克いけや・のりよし)、配役として篠田三郎柴俊夫その他が出ているという、オープニングのタイトルロールは立派な作品。


 思い出した。
 この番組、子どもの頃の小学館の学習雑誌あたりがこのドラマをやたら宣伝していたのだ。だから私の記憶にも、光子ロケットを発明した父の衣鉢を継ぐ五人兄弟のストーリーとかシャープな池谷怪獣の容姿がこびりついており、その記憶が表層に出てきた。
 そう、私の頭の中には、小学館の学習雑誌を通じて作られた完璧な『シルバー仮面』が存在していたのだ。


 さて、見てみた。
 うーん。うーん。うーん。……。
 やはり、この作品も「幻のドラマ」として封印しておけば良かったリストに列記せざるを得ない。前半の「仮面」編も後半の「ジャイアント」編も「何だかなー」である。
 ここまで面白くなく作れるのはある意味、才能かも知れない(約三十五年前、『ミラーマン』のほうを見ていて良かった)。


 なぜここまでつまらないか、考えて見た。
 小説にしろドラマにしろ、文学系の作品を見る場合、発表された同時代に同時進行で見るときと、同時代から切り離し単体で見るときがある。当然、それぞれ印象は異なる。
 放映当時は、時代の勢いとかもあり、製作側も視聴者側も同時代人としての共通認識があり、知らぬ間に暗黙のうちに省略する事実が存在する。
 しかし、三十数年経過の後、同時代的な雰囲気が溶解し否応なく時代性から切り離されて、作品単体として見せられる場合、作成者たちの明示的な意図は捨て去られ、思いもしなかったことが見えてくることが多い。


 この真夜中にこの作品を見るときは後者。
 見事に時代性から切り離されているから、製作者たちの意図、それも当時、本人たちも気がつかなかった暗示的な意図が透けて見えるのだ。
 それもその時代の製作者たちが、一体何に撞着していたか、彼らが意図しない形で表現されることのだ。


 はっきり言おう。佐々木守とその他昭和5年から10年生まれの製作者たちは、第二次大戦によって傷つけられた自分たち「少國民」の打ち砕かれた誇りを取り戻したかったのだ。特に現実から飛躍できるSF系の作品では顕著になる。
 敗戦によって国に殉ずることの出来なかった少年たちの満たされない心、あるいは護持したかった内なる「国体」を、何とか復元させたかったのだ。
 そのエネルギーは、特撮番組の形をとって再構成してしまった。


 彼らの作る作品に表れるさまざまなモチーフについて、その名称を隠して太平洋戦争中の日本と世界の状況に符合させて見ると、ほぼシンクロするはず。
 守れなかった幻の「皇国」(戦後、「祖国」あるいは「故郷」と変換)をひたすら守り続けるヒーローたちという構図が見えてしまうのは、私の眼が曇り、心が歪んでいるから、そう感じるのだろう。
 その撞着があるがゆえに、この世界、見ていて不安定なのだ。


 さて、NHK大河ドラマ風林火山』(07年)の番宣を見ていたら、やたら目ん玉のクリクリした女の子が出てきた。(編註:武田信玄の側室・由布姫(ゆうひめ)役の柴本幸(しばもと・ゆき))
 解説によるとシルバー仮面柴俊夫真野響子の二十一歳の娘だそうだ。よく見ると母親の顔の造作に父親の目である。
 「この子は化ける。」と妻。
 特撮番組に出てくれないかな。

(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2007年冬号』(07年2月11日発行)『近作評EXTRA』より抜粋)



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