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トクサツガガガ(TVドラマ版)総括 ~隠れ特オタ女子の生態! 40年後の「怪獣倶楽部~空想特撮青春記~」か!?

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トクサツガガガ』(TVドラマ版)総括 ~隠れ特オタ女子の生態! 40年後の「怪獣倶楽部~空想特撮青春記~」か!?

(文・久保達也)
(2019年3月30日脱稿)

「特撮オタ女子」が主人公のドラマ、NHKで放映!


 小学館ビッグコミックスピリッツ』で2014年から連載中の丹羽庭(たんば・にわ)原作の漫画作品『トクサツガガガ』が、NHK金曜22時の『ドラマ10(テン)』の枠にて実写ドラマ化され、2019年1月18日から3月1日にかけて全7話が放映された。


 『トクサツガガガ』は職場では女子力が高いと思われている一見フツーのOLだが、実は特撮変身ヒーローをこよなく愛する隠れ特撮オタク・仲村叶(なかむら・かの)=通称・仲村さんが主人公だ。毎日職場に弁当を持参することも仲村さんが周囲から女子力が高いと思われる理由のひとつだが、それは日々の生活で必死に節約をして円盤を買うためであり、会社の飲み会なんぞムダな出費でしかないのだ。
 (ひとり)ボッチアニメ『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』(13年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20150403/p1)で、主人公のスクールカーストの最底辺女子高生・黒木智子=もこっちが「喪女(もじょ)」と定義されたように、仲村さんの弁当持参は「女子力」ではなく、「女死力」(爆)なのである。そもそも一般層はブルーレイやDVDを「円盤」などとは呼ばないだろうが、ほかにもイチオシのキャラを意味する「推(お)し」とか、児童向け雑誌の愛読者全員サービスDVDの通称「読サ」など、オタの間でしか通用しない特殊用語が一般の視聴者向けに字幕で解説(笑)される配慮は好印象だった。


 なお、ドラマ版の脚本を担当した田辺茂範(たなべ・しげのり)は、美少女の姿をした動物たちを描いた大ヒットアニメ『けものフレンズ』(17年)のシリーズ構成・脚本を務めていたが、製作がビデオコンテ方式に変更されて以降、実質的なシナリオは監督のたつきが担当することとなったため、現在はスタッフクレジットから田辺氏の名が除外されている。ちなみに氏が主宰(しゅさい)する劇団の名は「ロリータ男爵(だんしゃく)」である(爆)。


かつて放映された「特撮オタ男子」が主人公のドラマ


 特撮オタを主人公としたドラマとしては、毎日放送・TBS系の深夜ドラマ枠『ドラマイズム』にて2017年の6月に全4話が放映された『怪獣倶楽部(クラブ)~空想特撮青春記~』(17年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20170628/p1)の存在が前例としてあげられる。これは70年代半(なか)ばに活動していた実在の特撮同人グループ・怪獣倶楽部をモチーフにした実話を含むフィクションであり、特撮オタの大学生の主人公・リョウタが、世間では完全に「子供向け」とされていた怪獣番組を大人たちが堂々と語れる場所として存在した怪獣倶楽部に青春を捧(ささ)げる日々が描かれ、ひそかに交際していた彼女・ユリコに怪獣好きであることを告白できないばかりか、ユリコとの交際を倶楽部のメンバーに知られたら「裏切り者」(笑)として追放されるのでは? などとその二重生活にリョウタが葛藤(かっとう)するさまが、当時の時代の空気を忠実に再現するかたちでドラマ化されたものだった。


 あの時代から40年以上が経過し、実在した怪獣倶楽部の活動の功績もあり、現在では「怪獣番組=特撮番組」自体はかろうじて世間でも市民権を得られたような感があるが、いまだに仲村さんのような隠れ特撮オタが多く存在するのは、怪獣倶楽部の健闘もむなしく、残念ながら「特撮オタ」の方は「昭和」から「平成」へと時代が移ってもまだまだ市民権を得てはいないということだ(大汗)。
 『トクサツガガガ』もまた隠れ特撮オタならではの仲村さんの苦悩がコミカルに描かれているのだが、『怪獣倶楽部~空想特撮青春記~』と大きく異なるのは、最初から怪獣倶楽部という同好の仲間が集まる最良の居場所を得られていたリョウタに対し、当初は仲村さんには仲間・理解者の存在がなかったことと、まだ学生で自身のオタ趣味を隠さねばならない相手が彼女のユリコくらいで済んでいたリョウタと違い、社会人の仲村さんは会社の同僚全員に、就職を機に離れて住むこととなった母親など、その相手があまりにも多すぎることなのだ。


特撮オタ「あるある」(笑)


 第1話『トクサツジョシ』の後半で描かれた同僚たちからのカラオケの強要は、仲村さんが「いちばん苦手なノリ……早く帰りたい」(笑)と嘆(なげ)いたように、社会人の隠れオタなら苦い記憶があるだろう。若い世代に人気のアーティスト・サカナクションを怪人の名前と思ってしまうほど(爆)、世間一般でウケているものに疎(うと)いがために、特撮ヒーローソング以外に全然歌えない仲村さんは困り果ててしまう。
 私事で恐縮だが、小室哲哉(こむろ・てつや)の楽曲が全盛を極めていた90年代半ば当時、筆者はまだ充分に若かったにもかかわらず、職場の同僚たちに強引に連れていかれたカラオケ店で「ヒューヒュー!」などと盛りあがっていた連中のことが理解できないどころか、それらの歌を全然聴いたことがなかったために(汗)、歌うことを強要されるや、やむなく「昭和」の歌謡曲を何曲か披露、おもいっきりその場をシラケさせたものだった(爆)。


 ガチャガチャ自販機でカプセルトイを買いたいものの、周囲の目が気になってしまい、人目につかない場所にある自販機を捜し回ってみたり。
 オマケのヒーローフィギュアを目当てにファーストフード店で子供向けのセットを注文するも、そこに同僚のチャラ男が現れたことで、やむなく女児向けのアクセサリーをもらうハメになり、姪(めい)のために買った(笑)と苦しい言い訳をしてみたり。
 職場では使わない黒ブチメガネをかけて徹夜してヒーローものを観ていたために、疲れきっていた表情を通勤時に後輩男子から指摘され、夜遅くまで資料に目を通していたなどと大ウソをついてみたり(笑)。
 「休日は何してるの?」「何にお金使ってるの?」とたずねられ、返答のしようがなかったり(汗)。
 ヒーローのアトラクションショーを観に来たクセに、仕事の休憩中にたまたま通りがかったひまつぶしのOLを装(よそお)ってみたり(爆)。


 そんな「隠れオタあるある」に苦悩する仲村さんを、劇中で仲村さんが夢中になっているスーパー戦隊の最新作『獅風怒闘(しっぷうどとう) ジュウショウワン(獣将王)』、そして仲村さんが幼いころにリアルタイムで観ていたメタルヒーロー『救急機エマージェイソン』――往年のメタルヒーロー『特捜ロボ ジャンパーソン』(93年)が基であることは云うまでもない――のヒーローたちが、仲村さんにしか見えない存在として現実世界に現れて、仲村さんの危機を救うこととなるのだ!


劇中ヒーローの「本物」志向!


 先述した『怪獣倶楽部~空想特撮青春記~』は、円谷プロの全面協力を得たことにより、幻覚宇宙人メトロン星人・分身宇宙人ガッツ星人・宇宙恐竜ゼットン・幽霊怪人ゴース星人などウルトラマンシリーズの人気怪獣・宇宙人が、常にリョウタに寄り添うリョウタにしか見えない存在として登場したが、『トクサツガガガ』で劇中劇として描かれた『獅風怒闘 ジュウショウワン』と『救急機エマージェイソン』も架空のヒーロー番組ではあるものの、登場するヒーローのマスクやスーツの造形・番組の演出などは、スーパー戦隊メタルヒーローを実際に製作した東映の協力を得ているのだ。
 これまでに多くのスーパー戦隊を手がけてきたレインボー造形企画が造形を担当した、ジュウショウワンのシシレオー=レッド、トライガー=ブルー、チェルダ=イエローのデザインは、『恐竜戦隊ジュウレンジャー』(92年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20120220/p1)・『百獣戦隊ガオレンジャー』(01年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20011113/p1)・『爆竜戦隊アバレンジャー』(03年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20031111/p1)・『獣電戦隊キョウリュウジャー』(13年)などのヒーロー&ヒロインのように、牙(きば)のある恐竜や猛獣が大きく開けた口をマスクのゴーグル部分のモチーフとしており、牙状の三角形やギザ模様が全身に描かれているのも、先述した作品群の主人公たちと共通する意匠(いしょう)となっている。特にシシレオーのデザイン・造形は、頭部にライオンのたてがみを模(も)した突起が複数つけられている以外は、『キョウリュウジャー』のキョウリュウレッドに酷似(こくじ)した印象が濃厚であり、まさに本家ならではのリアル感にあふれていた。


 また、ジュウショウワンの敵で狼(おおかみ)をモチーフにした幹部怪人・ゲンカ将軍とエマージェイソンを演じたのは、『仮面ライダーBLACK(ブラック)』(87年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20001015/p2)や『仮面ライダーBLACK RX(ブラック・アールエックス)』(88年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20001016/p1)の主人公ライダーを皮切りに、「平成」仮面ライダースーパー戦隊メタルヒーローシリーズなどで数多くのヒーローや怪人を演じてきたスーツアクター・岡元次郎であり、トライガーは『宇宙戦隊キュウレンジャー』(17年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20180310/p1)のホウオウソルジャーや、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS(ブイエス)警察戦隊パトレンジャー』(18年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190402/p1)の敵組織・ギャングラーの幹部怪人デストラ・マッジョなどを演じた若手の藤田洋平が、ジュウショウワンの追加戦士・セロトル=シルバーは『大戦隊ゴーグルファイブ』(82年)の時代から活躍する大ベテラン・蜂須賀昭二(はちすか・しょうじ)が務めるなど、「中の人」までもがジャパンアクションエンタープライズに所属する、「本物」が揃えられていたのだ!


 スーパー戦隊のロケ地として定番で使われる栃木県栃木市にある岩船山の採石場跡地にて、「轟(とどろ)きの青! トライガー!」「疾風(はやて)の黄! チェルダ!」「闘志の赤! シシレオー!」「われら、獅風怒闘! ジュウショウワン!」との名乗りやバトルアクションを撮影するに至るまで、『トクサツガガガ』が劇中ヒーローの「本物」志向にこだわったのは、我々のような特撮オタを満足させるためというよりは、むしろ放映枠の『ドラマ10』が、普段は一般層に向けたドラマを放映していることが大きかったのではあるまいか?
 平日21時に放送されている報道番組『NHKニュース9(ナイン)』のキャスターたちが「では今夜はこれで失礼します」と視聴者に頭を下げた直後に、第1話冒頭で描かれた劇中劇『ジュウショウワン』がつづいたのは、なかなかシュールなものがあった(笑)。


 ところで、特に中高年の一般層にはウチの両親なんかもそうだが、とりあえずNHKをつけっぱなしにする人々が多いかと思われる。日曜20時に放映される大河ドラマの直後に放映される20時45分のニュースが、視聴率ランキング上位20位以内にちょいちょいと顔を出すのは、まさにそういうことだろう。つまり、『NHKニュース9』につづいて、そのままNHKでいいやとついでに『トクサツガガガ』を観ていた視聴者に、バラエティ番組などで見られるようなヒーローもののパロディコントのようなチャチな映像を見せてしまったら、さすがにチャンネルを変えられるのがオチだろう。
 これほどのクオリティの映像ならば一見、女子力が高い仲村さんが夢中になるのもうなずけると一般層の視聴者たちに説得力を与えて、主人公の仲村さんにも感情移入をさせるためには、劇中ヒーローを最大限にカッコよく見せる演出はやはり不可欠だったかと思えるのだ。


劇中劇と絶妙にリンクした展開


 「一般的なものを楽しまないツケだ!」とか「盛大にオタバレするがいい!」などと、ジュウショウワンの敵でカラオケのモニターを顔にした怪人・カラオケ怪人までもが現実世界(?)に現れて仲村さんをあざ笑う! 先述したヒーローたちに比べるとこのカラオケ怪人の造形はかなり簡素な印象が強かったが、近年のスーパー戦隊でもこんな確信犯の昭和的な安っぽいギャグ系怪人が原点回帰の再評価(笑)で登場するのも当たりまえになっていることを思えばまったく違和感がなく、むしろリアルに見えたほどだ(笑)。昨2019年秋の深夜枠で放映されて大ヒットしたヒーローアニメ『SSSS.GRIDMAN(グリッドマン)』(18年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190529/p1)の敵首領だったアレクシス・ケリブもそうだったが、カラオケ怪人の声を務めた稲田徹(いなだ・てつ)の絶好調なコミカル演技もまた然(しか)りだ。


 カラオケ怪人に襲われた仲村さんの前に、幼いころにあこがれたエマージェイソン――やはり『SSSS.GRIDMAN』で、悪側から正義側へと転じたキャラ・アンチの声を務めた鈴村健一がナレーションと兼任した――が現れて、「生活を守るために正体を隠すのは、悪ではない!」と勇気づけた!
 これに奮起した仲村さんは迷いを捨てて、その場にいる同僚たちは皆が『エマージェイソン』のリアルタイム世代だからと、意を決してその主題歌を熱唱しだす!
 その最中にもエマージェイソンは、「テンションは抑(おさ)えぎみに」「英語の歌詞はニゴせ」「テレビサイズで流れない部分は捨てろ」(爆)などと、仲村さんの背中にオタバレを避けさせるためのメッセージを贈りつづける! 「オタク・ソングを熱唱」しつつも「オタバレを避ける」ためにする、一粒で二度オイシい方策の絶妙なる両立! 男性社員を中心にその場はおおいに盛りあがり、仲村さんはカラオケ怪人を岩船山の採石場(笑)で見事に打ち倒したのだった!


 このように隠れオタの仲村さんが危機に陥(おちい)るたびにジュウショウワンやエマージェイソンが現れる以外にも、同じものをわかちあえる仲間がほしいと願った仲村さんが『ジュウショウワン』でのシシレオーとトライガーが初めて出会った場面をつい回想してしまったり、後述する銀ブチメガネをかけて終始無愛想な仏頂面(ぶっちょうづら)であり一見お局(つぼね)さま風の同僚・北代(きたしろ)さんを仲村さんが「(同じ趣味の)仲間?」などと思いこむ場面などに『ジュウショウワン』でシリーズ途中から登場する追加戦隊ヒーロー・セロトルに「君は、獣(けもの)のオーラを感じたのか!?」などと問いかけるシシレオーの場面を挿入するなど(笑)、仲村さん個人の日常ドラマと『ジュウショウワン』の劇中ストーリー展開をリンクさせた演出が、視聴者の感情移入を誘うには絶妙なものとなっていたのだ。
 また、あまたのボッチアニメのように本作は仲村さんのモノローグが多用されているのだが、特撮オタであることがバレそうになるたびに表向きはクールを装いつつも、内心ではテンション高めに暑苦しくボヤきまくる仲村さんを演じた小芝風花(こしば・ふうか)の演技は絶品かと思えた。


 実は原作漫画では仲村さんは美人寄りでも、もっと長身でムダには媚びていない系の女性といったイメージである。よって、小芝風花のイメージとは異なるところもあるのだ。しかし、地上波のテレビで放映される作品としては、大衆視聴者に「彼女が困っていて少々かわいそうだから応援してあげたい」、あるいは非オタの女性層もしくは特撮オタク以外の女性オタクたちも「美人寄りでルックス面では少々恵まれているから何とかなりそうじゃん」あるいは「美人寄りでルックス面では少々恵まれているからプチ反発」といった感情を惹起させないという意味でも、本作がテレビドラマ化にあたって仲村さんを齧歯類系の小柄アイドル的な小芝風花としたことは――他のふたりのオタク女子たちもそうだったが――正解だったと思える。


特撮オタ仲間の「追加戦士」たち


 通勤電車でたまたま見かけたトライガーのキーチェーンマスコットをカバンにつけた年上女性をひそかに「トライガーの君」――この呼び方がまたリアル!――と呼んで、なんとか彼女を仲間にしたいと願う仲村さん。しかし、仲間はほしいけどオタバレはしたくないとまさに隠れキリシタンのようなジレンマを抱(かか)えているだけに、自身もシシレオーのマスコットを身につけることで同じ『ジュウショウワン』のファンであることを「トライガーの君」に気づいてもらおうとするのが、なんともまたいじらしい……
 そのためにガチャガチャ自販機の前でがんばっていたことで、仲村さんは最後の1個となったシシレオーのマスコットをねらっていた小学3年生のメガネ男子と運命の出会いを果たす。しかし、「トライガーの君」に対し、彼のことをホラー映画『オーメン』(76年・アメリカ)に登場した悪魔の子・ダミアンと呼ぶのは、いくらなんでもヒドすぎるだろ(笑)。まぁ、ダミアンはダミアンで仲村さんのことを、知り合った当初は「カプセルの人」と呼んでいるのだが(爆)。


 めでたくダミアンを特撮オタの仲間としてゲットした仲村さんだが、親に強制された塾(じゅく)に通うのを嫌がっていたダミアンは、塾に通うには遠回りになる地下通路をジュウショウワンの秘密基地に見立てて自身をそのメカニカルスタッフだと思いこむことで、「この通路を通ると、塾へ行くのがちょっとだけ楽しい」と仲村さんに語る。
 この場面でも「エマージェンシー」とのアナウンスとサイレンが流れる中で、赤いヘルメットと隊員服姿のダミアンがジュウショウワンとともに出動し、シシレオーが「今日の算数は手強(ごわ)そうだぞ」などとダミアンに語りかける妄想(もうそう)が描かれていた。
 先の『SSSS.GRIDMAN』に登場したレギュラーキャラである特撮オタの男子高校生・内海将(うつみ・しょう)も、ひそかに恋していた同級生の美少女・新条アカネが実は悪だったという終盤で判明するツラい現実にしっかりと向き合っていたものだ。そんなダミアンが「君もいっしょに出動するぞ!」などと、先述した北代さんに対して苦手意識があった仲村さんに心の変遷(へんせん)をもたらして、ダミアンの方も「カッコいいね! ダミアン隊員」などと呼びかた仲村さんにVサインで応(こた)えてくれるという第3話『ツイカセンシ(追加戦士)』後半の描写は、個人的には本作のベストかと思えるほどの名場面だった。


 そのダミアンの協力を得たことでシシレオーのマスコットを入手した仲村さんは、やはり電車内にてアイコンタクトで「トライガーの君」に気づいてもらうことに成功した! この際にマスコットのチェーンが揺れるのを強調した音響演出も、まさに運命の出会いを象徴しており実に秀逸(しゅういつ)だった。
 途中の駅で降りた「トライガーの君」は車内の仲村さんに向かって手を振る際に、いつのまにかトライガーに変身していたが(笑)、第2話『トライガーノキミ』にてジュウショウワンショーの会場で仲村さんは「トライガーの君」とバッタリ出会って、彼女の名前が吉田さんであることを知る。
 いっしょにショーを観ることになったふたりは最初はぎこちなかったものの、先述した『SSSS.GRIDMAN』の内海もそうだったが、好きな作品や推しキャラの話をしているうちに急にイキイキとして目を輝かせて、テンション全開で熱く語りだす生態描写は実にリアルだ(笑)。
 特に吉田さんは第1話から一見おとなしいお嬢さま風であることが強調されていただけに、その激変ぶりが顕著(けんちょ)だったが、自身が中学生のころに観ていた『エマージェイソン』を仲村さんが就学前に観ていたことを知って「年が10近く違うってこと!?」と衝撃を受けた吉田さんが、ややテンションが下がってしまう演技も絶妙だった(笑)。ググってみると、演じた倉科(くらしな)カナもまたすでに30を超えていたという事実には、「いつのまに……」とこちらも衝撃を受けてしまったが(爆)。


特オタ「女子」と「男子」の違いとは?


 ところで、以降の仲村さんと吉田さんの会話に注目してみると、


・『ジュウショウワン』の魅力はキャラクター!
・殺陣(たて)がカッコいい!
・変身やロボ戦こそが魅力!
・追加戦士の弓矢がいい! 弓キャラ最高!(笑)


といったことをワイワイキャッキャと話しており、ドラマやテーマに関してはほとんど口にしてはいなかったりする。


 ちなみに吉田さんはトライガーについては「融通(ゆうづう)がきかない不器用なキャラだが、筋はキチンと通すところが魅力だ」と語っていた。これもまた、先述した『怪獣倶楽部~空想特撮青春記~』で毎回描かれた喫茶店での怪獣倶楽部の会合にて、メンバーたちが怪獣番組のドラマやテーマについて熱く語っていた描写とは大きく異なっている。これは時代の違いというよりは、性差別的になるかもしれないが、オタ女子とオタ男子の違いだと解釈すべきものだろう。


 「80年代をリードする(笑)ビジュアルSF世代の雑誌!」をキャッチコピーに1980年1月に朝日ソノラマから創刊された雑誌『宇宙船』では、当初は当時放映されていたスーパー戦隊や『宇宙刑事』シリーズ(82~84年・東映 テレビ朝日)といった東映の新作シリーズを完全に無視していたが(汗)、戦隊シリーズ超電子バイオマン』や『宇宙刑事シャイダー』(ともに84年・東映 テレビ朝日)が放映された80年代半ばあたりから編集者に後年の脚本家・會川昇(あいかわ・しょう)が加入したことで、ようやくそれらをチラホラと扱うようになり、読者投稿欄でもそれらの変身前を演じる役者たちや現在のジャパンアクションエンタープライズの前身・ジャパンアクションクラブに所属するアクション俳優たちに対するオタ女子たちの熱いラブコールが見られるようになったものだった。
 飛んで、「平成」ウルトラマン3部作(96~98年・https://katoku99.hatenablog.com/archive/category/%E5%B9%B3%E6%88%90%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%A9)の放映当時も、オタ男子がそのドラマやテーマについて語っていたのに対して、オタ女子の方は防衛組織の隊員について誰がいいとか誰が好きとかを語ることが圧倒的に多くて――これは当時の本誌も例外ではなかった。つーか、今の本誌にはナゼ女性のライターがいないのか?(爆)――、70年代末期に起きた空前のアニメブームの中でオタ女子が『宇宙戦艦ヤマト』(74年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20101207/p1)の主人公・古代進がいいだの『機動戦士ガンダム』(79年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/19990801/p1)の美形敵役シャア・アズナブルがカッコいいなどといった、それこそ「推し」のアニメキャラ語りの延長線上にあるものだったのだ。


 それらを嘆かわしいと思っていた時期が筆者にもあったので決して無罪ではないのだが、我々も子供のころはドラマやテーマよりも変身後のヒーローそのものをカッコいいと思っていたように、オタ女子たちの見方があながち間違っていたとは云えなかったのだと考え方を改めてもいるのだ。ヒーローがカッコいい! 変身前の青年主人公たちもカッコいい! むしろ、それこそが特撮ジャンルの本質を突いているのではなかろうか!? そして、ムサいオタ男子たちが騒いでも世間からはキモがられるだけだが、それよりかは見栄えがよいオタ女性たちが騒いでくれたことで、世間における特撮ジャンルのステータスが上がったのも事実なのだ(笑)。
 ドラマやテーマよりも平成仮面ライダーの悪役たちを「ネタキャラ」として消費したり、『ルパンレンジャーVSパトレンジャー』の朝加圭一郎(あさか・けいいちろう)=パトレン1号を「圭ちゃん」などと呼び、それがネットのホットワードと化して盛りあがったりする近年の傾向からすれば、実はオタ女子の方がオタ男子よりも昔から特撮番組の真の魅力についてキチンと語っていたのではあるまいか!?


苦悩していたのは「特オタ」ばかりではなかった!


 つづいて、吉田さんの勧(すす)めで仲村さんがあるイケメン俳優が好きな同僚の女子に、その俳優が無名時代に出ていた特撮ヒーロー作品を観せることで「仲間」にしようとする。しかし、仲村さんが本当に観てほしかった変身場面や巨大ロボ戦をその女子は「退屈パート」(笑)として飛ばし観してしまい、「1クール分をアッという間に観た」として貸した翌日には円盤を返されて、その作戦は失敗に終わってしまう。
 その同僚とのやりとりをよりによって職場の飲み会の席でやらかした仲村さんは、あやうく同僚たちにヒーローもののDVDジャケットを見られそうになるものの難を逃(のが)れて、とっさにそばの席にいた北代さんに「趣味は何か?」とたずねてしまうのだ。しかし、「いい年をしてマンガ・ゲーム・ぬいぐるみ・オモチャとかに夢中になっているような痛々しい連中を見ていると、趣味なんかなくてもいいと思ってしまう」と冷酷な口調で語った北代さんは、「興味もないのに、その場しのぎで趣味聞くってどうなんですかね?」と仲村さんに痛烈な一撃を浴びせ返すのだ。


 災難はこれだけではなかった。吉田さんと『ジュウショウワン』の追加戦士・セロトルのショーを観に来ていた仲村さんは、セロトルと握手している現場を北代さんに目撃されるばかりか――おもわず仲村さんの手に力が入ってしまい、セロトルが痛がる演技が芸コマだ(笑)――、「会社にも変なオモチャ持ってきてるよね?」と、すでに特撮オタであることが北代さんにバレていたことが発覚する!
 第1話のラストで仲村さんと吉田さんが「仲間」となった電車にすでに北代さんが乗り合わせていたり、第2話のラストで仲村さんが誤ってロッカールームの床に落としたカプセルを北代さんが拾ったりと、伏線は充分に張られていたのだが、覚悟を決めた仲村さんが「好きなものに年齢とか性別とか関係ない」との持論を主張するや、北代さんは「まわりはそういうふうに思ってないよ」と語るのであった……


 第4話『オタクノキモチ』の冒頭にて、北代さんが回想するかたちで語られた、仲村さんに対する北代さんの態度・行動の動機には実に重たいものがあり、大半の視聴者が感情移入をせずにはいられなかったことだろう。
 某企業で営業として務めていたバリバリのキャリアウーマンだった北代さんは、会社の同僚との飲み会に同席させた友人の女子大生・みやびさんに同じ男性アイドルグループの大ファンであることをバラされてしまい、職場内でアイドルオタであることをイジられまくった末に退職を余儀(よぎ)なくされて、みやびさんとも絶縁状態となっていたのだ。北代さんが落としたパスケースにそのアイドルグループのトレードマークが入っていたことで、仲村さんは北代さんがドルオタ(アイドルオタク)であることを知り、自身もされたら最も困るような、北代さんが隠していることを無神経にホジくり返していたことを自覚して罪悪感にさいなまれる……


 いい年をして特撮オタをつづけていることの言い訳として、我々も心の中で「誰にも迷惑はかけていない」などと主張したりするのだが、知らず知らずのうちにこんな迷惑をかけてしまう可能性もあることを我々は肝(きも)に銘(めい)じておくべきなのかもしれない。
 それにしても、キャリアウーマン時代の北代さんはどう見てもリア充にしか見えず、現在のお局様みたいな北代さんとは完全に別人と化したかのように見えてしまう、彼女を演じる木南晴南(きなみ・はるか)の演じ分けは実に見事だった。特に第3話のラストで、仲村さんが手渡そうとしたパスケースを即座にひったくり、「ハ? あなたが仲間?」と眉間(みけん)にシワを寄せる表情演技は絶品!


 ちなみに北代さんが夢中になるアイドルグループを演じたのは、名古屋を拠点(きょてん)に活動する実在のアイドルグループ・BOYS AND MEN(ボーイズ・アンド・メン)だそうであり、実は『仮面ライダー鎧武(ガイム)』(13年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20140303/p1)で主役のライバルでもある副主人公・駆紋戒斗(くもん・かいと)=仮面ライダーバロンを演じた小林豊もそのメンバーのひとりなのだ。筆者は特撮とは何の関係もないイベントで氏のトークをたまたま見かけたことがあるのだが、実際の氏は戒斗とは正反対の完全なチャラ男だった(爆)。


 「心狭(せま)いなアタシ……」とパスケースを見つめた北代さんは、アイドルグループのライブ会場にてみやびさんと初めて出会った日のことを回想する。アイドル好きに年齢なんて関係ないと、あのとき仲村さんのように語っていたみやびさんから「会って謝りたい」とのメールが北代さんに届いた。ふたりの仲を仲村さんと吉田さんが取り持つことで、特撮オタ女子2名とアイドルオタ女子2名が合体をとげて、第5話『ウミノジカン(海の時間)』ではこの4人で旅行に出かけるほどにその関係性は劇的に変化する。最高の仲間たちに恵まれることとなった仲村さんだが、まだ最大の敵が待ち受けていたのだ。


「価値観」の違いの果てに……


 第1話から回想で再三点描されてきたように、仲村さんが幼いころから特撮好きであることを毛嫌いしてきた母・志(ふみ)が、第6話『ハハノキモチ』では正月になっても実家に帰省しない(!)仲村さんを見かねて突然上京してきた。特撮グッズであふれかえった部屋には入れるワケにはいかないと、仲村さんは兄の助言で高級料亭で志と会うことになる。しかし、その前に合いカギを使うことですべてを知ってしまった志は、仲村さんを散々ののしったあげくにビンタを食らわし、仲村さんの部屋から持ってきたシシレオーのフィギュアを破壊してしまう! これに逆ギレした仲村さんは「じゃかましいクソババア!」と志を殴り返し、もう親でも子でもないとタンカを切る!


 この場面は一部では賞賛の声があがっているようだが正直、筆者は正視できないものがあった。私事で恐縮だが、筆者ももう何十年も前の若かりしころに、コレとほぼ同じケンカを両親とやらかしたことがあったからだ(汗)。バブル景気の絶頂期に大学を卒業して東京に就職した筆者はいろいろあって5年ほどで実家に戻らざるを得なくなり、大量の荷物を整理しているときに事件は起きた。男のひとり暮らしだったのに荷物があまりに多いことを不審がった母が部屋に入ってきたとき、筆者はまさにダンボールから大量のフィギュアや書籍、今はなき映像ソフト・レーザーディスクやCDなどを出している最中だった。

 
「まだこんなん持ってたん!?」「恥ずかしいと思ってるんでしょ、自分でも!」「30すぎてもロクでもないことしていくつもり?」「ひとりになるよ!」……


 それはベテラン女優・松下由樹が演じた志の仲村さんに対する罵倒(ばとう)とほぼ同じだった。あのときの母も志と同じ表情をしていた。松下の演技はあまりにもリアルにすぎたのだ。幸いコレクションを破壊されることも暴力の応酬(おうしゅう)もなかったものの、仲村さんのごとく「まちがってるとか、これっぽっちも思わない」と主張した筆者に、父は「その考えが変わらないなら、3日以内に出ていけ」と通告した。筆者は大量の荷物を放置したまま、必要最小限の衣類と生活用品だけを手にして翌日、実家をあとにしたのである。


 とはいえ、その直後の1995年1月17日に阪神・淡路(あわじ)大震災と同年3月20日に地下鉄サリン事件が起きた。そのあまりの惨状に、前者には特撮怪獣映画の都市破壊映像、後者には東映変身ヒーロー作品の悪の組織によるテロ行為といった、自身が愛好してきた特撮ジャンル、そして自分自身の本質的な不謹慎性を痛感してしまった筆者は、このときにはじめて偏見が混在したものではあっても両親の自分に対する怒りを理解できたような気がしたために、しばらくヤメオタとなる……


特撮嫌いは「悪」なのか?


 序盤から『ジュウショウワン』の敵・ゲンカ将軍――特撮好きで、東映変身ヒーロー作品の常連声優・関智一(せき・ともかず)が声を務めた――の姿と重ね合わせて描かれたほどに、志は仲村さんに「女の子らしさ」を押しつける「悪役」とされてきた。
 ただ、志はいささか極端な例だろうが、大抵の親は自身の子供に対して大なり小なりその価値観を押しつけるものではないのだろうか? 大学時代はずっと玩具店でアルバイトをしていた筆者は、店頭でそんな事例をさんざん見せつけられたものだった。もし特撮オタが親になったら、子供にも特撮番組を押しつける人間が多いだろうが、子供にそれを否定されたとしたら、やはり悲しい気持ちになるのではなかろうか?


 その人相の悪さから仲村さん個人は避けてきたものの、女児向けアニメ『プリキュア』シリーズ(04年~・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20201227/p1)がモデルとおぼしきヒロインアニメ『ラブキュート!』が好きなことが発覚したために、仲村さんの仲間となった駄菓子屋の店主である任侠(にんきょう)さん――もちろん見た目から仲村さんが内心で読んでいるアダナ――の母親のような、理解のある親の方がむしろ珍しい部類だろう。
 小学生のころからガタイは大きかったのに、その内面は乙女チックであった任侠さんが『ラブキュート!』を観ていたら、母親が部屋に入ってきたためにあわててテレビを消した任侠さんに「なんで消すの? 観てたんでしょ?」と声をかけ、再度テレビをつけて「おもしろい?」と問いかける母親…… 好ましくないと思いつつも決してそれを否定しなかった任侠さんの母親はまさに親の鏡であるのかもしれない。


 また私事で恐縮だが、幼稚園のころに近所に男の子みたいな女の子が住んでいた。そのコはいつも男子に混じって仮面ライダーごっこウルトラマンごっこをして遊ぶばかりか当時、ブルマァクから発売されていた怪獣ソフビや怪獣図鑑ソノシートなどを大量に所有していたのだ。しかも、そのコの通園バッグにはウルトラマンエース対宇宙怪獣エレキングの見事な刺繍(ししゅう)がされており、そのコが持っていた特撮巨大ヒーロー『マグマ大使』(66年・ピープロ フジテレビ)のお面には実物のマスク同様にタテガミが縫いつけられていたほどだったのだが、それらはそのコの母のお手製だったのである。そのコの母は娘に「女の子らしさ」を強要するどころか、男の子みたいな娘の趣味を積極的に支援までしていたほどなのだから、仲村さんからすればなんともうらやましいところだろう。
 しかし、子供は親を選べないというきわめて当然のことを思えば、「毒親(どくおや)」の域に達した親もいるので縁を切った方がよい場合も少数はあるのだろうが、そこまでの域に達してはいないのであれば妥協して、あまり親に対して恨(うら)みつらみをつのらせるのではなく、不満はあっても縁は切らずに独立・下宿して距離を置くだけにとどめたり、テキトーに右から左へと流していったりすることも必要だろう。任侠さんの母も「子供を心配しない親はいない」と語っている――とはいえ、その心配の方向性が子供を過度に虐待することにつながることがあるのも事実なので、そこは堂々巡りとなるのだけど(汗)――。


 最終回(第7話)『スキナモノハスキ』で、特撮好きであることを志に否定されつづけてきた仲村さんは、自身もまた「女の子らしさ」を否定されるつらさをずっと志に感じさせていたのだとようやく気づくこととなる。「これはもう必要ない」と劇中劇でシシレオーが刀を投げ捨てる描写が実に象徴的だが、老いた親と青壮年期の子供との力関係によってもその最適解は異なってくるのだが、少なくとも老いて弱ってきた親に対して手をあげるような組み合わせのケースであれば、それは軽々しく賞賛すべきではないと筆者には思えるのだ。
 まぁ、筆者が「あのとき」の両親の年齢に近づいてきたこともあるだろうし、仲村さんがいまだにトラウマとなっているほどの、大事にしていた幼児誌『てれびくん』や『テレビマガジン』ならぬ『てれびキッズ』(笑)を志が焼きイモのたき火(爆)にくべてしまったような目にあった人々の気持ちも、痛いほどによくわかるのだけれども。


NHK名古屋放送局はオタばかり?(笑)


 青いシャツに白のベストと、誰がどう見ても『仮面ライダーV3(ブイ・スリー)』(73年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20140901/p1)の主人公・風見志郎(かざみ・しろう)の姿をした店員――演じた宮内洋(みやうち・ひろし)の特別出演は、我々以上にある特定の世代の一般視聴者をおおいに喜ばせたことだろう――がいる書店にて、仲村さんが『てれびキッズ』を堂々と、いや、甥(おい)へのプレゼント設定(笑)で買う場面で『トクサツガガガ』は幕となった。


 そして、最終回が放映された2019年3月1日に行われて大盛況となった緊急ファンミーティングの会場にて、本作を製作したNHK名古屋放送局の局長自らが、続編つくる気マンマン! であることをアピールしたそうだ。
 なお、当日の朝7時40分から放送されたNHK名古屋の製作による『東海北陸あさラジオ』では、『ジュウショウワン』の主題歌と併用されることで劇中劇とドラマをリンクさせることにおおいに貢献(こうけん)した、かつて『仮面ライダーウィザード』(12年)の主題歌も担当したゴールデンボンバーによる『トクサツガガガ』の主題歌『ガガガガガガガ』とカップリング曲の『こんにちは孤独』――タイトルに反して、こちらも王道のヒーローソングだ!――が流されて、本作の最終回の放映日であることをPRしていた。
 ちなみに、残念ながら本稿を執筆している当日に最終回を迎えてしまったこの『東海北陸あさラジオ』は、担当者の趣味なのだろうがオタッキーな選曲をすることが多くて、先日もアニメソングの大王・ささきいさおの代表作である『宇宙戦艦ヤマト』(74年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101207/p1)第1作目のエンディング主題歌『真赤(まっか)なスカーフ』と『ザ☆ウルトラマン』(79年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/19971117/p1)のエンディング主題歌『愛の勇者たち』をカップリングで流していた。まぁ、こんな調子なのだから、またなんかやらかしてくれるだろう(笑)。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2019年春号』(19年3月31日発行)~『仮面特攻隊2020年号』(19年12月28日発行)所収『トクサツガガガ』合評4より抜粋)


『假面特攻隊2019年春号』「トクサツガガガ」関係記事の縮小コピー収録一覧
・各話視聴率:関東・中部・関西全話&平均視聴率
中日新聞 2018年12月6日(木) 特撮オタク女子 コミカルに NHK名古屋制作「トクサツガガガ」(制作発表)
中日新聞 2019年1月18日(金) トクサツガガガ(新)NHK後10・00(TV欄・紹介記事)
中日新聞 2019年1月25日(金) トクサツガガガ NHK後10・00(TV欄・紹介記事)
朝日新聞 2019年2月1日(金) 試写室 トクサツガガガ(TV欄・紹介記事)
・NHK名古屋放送局「トクサツガガガ」宣伝絵(写真)ハガキ


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『怪獣倶楽部〜空想特撮青春記〜』に想う オタク第1世代よりも下の世代のオタはいかに生くべきか!?

(文・T.SATO)
(2017年8月11日脱稿)


 当たり前のアレンジにすぎないかもしれないけど、実話というか実在の団体をモチーフとしつつも、ヘンにレジェンドや美談にすることなく、我々キモオタ――気持ちの悪いオタク――のことはキモオタとして、美化でも蔑視でもなくシッカリとそのままに描く。
 しかしてこの作品は、厳密なドキュメンタリーなぞでもなく、あの時代の空気・エッセンスを込めつつも、おキラクに観られるコメディーでありドラマでもあることを高らかに言明するかのように、彼ら原・オタク青年たちの周囲には、劇中の登場人物たちには見えないかたちで、終始メタ・フィクション的に、いるハズのない等身大・人間サイズのメトロン星人ガッツ星人や宇宙恐竜ゼットンにゴース星人などの、その話数で同人誌『怪獣倶楽部』が評論の俎上に上げたウルトラシリーズのエピソードに登場したゲスト怪獣・宇宙人が1体、各話ごとに徘徊しており、彼らの会話に頷いたりしている。


 あげくの果てに、後年の彼らが編集したマニア向け商業誌『ファンタスティックコレクション№11 ウルトラセブン』(79年)までもが時代を逆流して登場して、彼ら自身が読んでもいる!(笑)
 もちろんコレをもって、時代考証的にオカシい! とマナジリ上げてツッコミする御仁は、この2017年の現代には少ないであろう。フツーのリテラシー(読解能力)があれば、発行年月日の奥付があるこの書籍をムダに登場させるような凡ミスを、イジワルで小ウルサいギャラリー視聴者がワンサカといるような時代に、現場の小道具スタッフが犯すワケもなく、このような時空超越のインチキ描写をワザと入れることで、「この作品はあくまでもフィクションなんですヨ〜」「少々の不整合は許してくださいネ〜」というメタ・メッセージでありマニフェストだと直感的に捉えるのがフツーだろう。


 いやまぁヘンに気張らずに、まずはコメディードラマとしても面白いことは指摘しておきたい。
 そして、冴えないムクつけき原・オタク青年たちが幾人も集まって、初代『ウルトラマン』(66年)ガー、『ウルトラセブン』(67年)のあのシーンの意味合いガー、と行きつけの喫茶店で議論する、微笑ましくもシュールな光景も面白い。


 『ウルトラセブン』#8「狙われた街」のラストシーンのナレーションは、王道エンタメ派の金城哲夫脚本に、変化球派の実相寺昭雄カントクが手を加えたモノかもしれないという話から始まって、単なる「作品論」を超えた製作のウラ側までをも深読みした、「メタ作品論」や「作家論」まで論議する。と同時に、「初代ウルトラマンを倒した宇宙恐竜ゼットンよりも、倒れた初代マンを召還しに来たウルトラ兄弟の長男・ゾフィーの方が強いのか!?」という実にチャイルディッシュな議論で、ケンカして仲間割れをする(汗)。
――ウ〜ム、コレは一般視聴者的には指をさして笑うギャグシーンなのだろうけど、筆者のような特撮評論同人ライターで、彼らよりも時代を15年ほど下って、こーいう行為を延々と繰り返してきた身にすれば、無限背信して相対化されまくった我と我が身の滑稽な戯画図を見ているようでもあり、同時に実に背中がムズ痒くて複雑な気持ちにもなるなぁ(笑)――


 しかして、それらの「コップの中の嵐」をすべてチャブ台返しにするかのように、主人公青年にとってのマドンナ的な存在である『仮面ライダードライブ』(14年)の女敵幹部メディック、もといここでは可憐な乙女の少女に、『怪獣倶楽部』の同人誌の記事を読んでみたけど「ちっとも判らなかった……」と語らせる(爆笑!)。
 いやぁイイよなぁ。こーいう風にマイナージャンルの井の中の蛙が、一生懸命にもろもろを探求するそれらの営為を一定程度の美談にしつつも、天下国家や世のため人のために経世済民を論じたり英雄豪傑たるべき男子が、こんな小さな趣味ごときに一生懸命になっているチョットの滑稽さをも描く。後者の方も罵倒や完全否定といった冷たい視線ではなく、つまりは実に公平・フェアに物事の両面、左右双方から物事を捉えてみせている。
 そう、「たかが」と「されど」の両方が必要なのだ。いずれか一方だけでは片手落ちであり、その両方を左右に長い両天秤に乗せてバランス棒として、細長い道を綱渡りで前進しつづける、あるいは永遠の振り子運動をするところに、かろうじて健全な精神がやどる……かもしれないという。


 70年代当時の喫茶店のマスターやウェイトレスも、彼らの行動やその意味をカケラも理解できていない。とはいえ、オタクという言葉自体、加えてオタクを蔑視する風潮も誕生してはいなかったこの時代、そこには彼らを過剰にキモがったり蔑視したりするような空気もナイ(不審に思ってはいるけれど・笑)。そう、まさにまだまだビンボー臭くて、四畳半フォークソング神田川』的な清貧が残る70年代の空気とはコレですよ!
 それが1980年前後に空前絶後のMANZAI(漫才)ブームが訪れて、若者たちも軽佻浮薄で小ギレイでデオドラントで狂躁的な風潮へと急速に身を投じ、それまでの70年代のやさしい空気を嘲笑い、高度大衆消費社会も急速に到来して、タモリが平日お昼の帯番組『笑っていいとも!』(82年)でネアカ・ネクラという言葉を流行らせて、翌83〜84年くらいにはもう「アニメファンはクラい」と原・オタク族が若者間で差別されだし、小さなイジメや素人イジリもOKなTVのお笑い番組も跋扈して、イケてる系とイケてない系のカーストも可視化・拡大して、あげくの果てに89年(平成元年)のM君事件で、今度はオタクという言葉が一挙に人口に膾炙(かいしゃ)して、トドメを刺されて大弾圧の時代が訪れる!(その後の30年弱の歴史については、また別の機会に……・笑)


 この作品は、1955〜60年前後生まれのオタク第1世代が学生や社会人年齢に達した、それでも今からもう45年近くも昔の1970年代前中盤が舞台となる。そして、彼らが幼少時から親しんだ「ウルトラマン」シリーズから卒業できないままに、イイ歳をした青年に到達した時代が描かれた。
 オタクという言葉すらもが誕生するはるか以前、ドコからつどったのか――月刊雑誌『SFマガジン』(59年〜)の読者投稿欄での募集だったそうですけど――、そもそもオタクという存在自体が世間に認知されていなかった時代に、喫茶店に集まっては編集会議を繰り返し、手書きのガリ版刷りの特撮評論同人誌『怪獣倶楽部』を、彼らは作り続けている……。


 そう。ナンとオタク第1世代にして、70年代末期からあまた出版される特撮ジャンルの商業書籍やアニメ雑誌の創刊ラッシュに、ライターや編集者として動員され、それ以降も長らく活躍をつづけたレジェンド・ライターたち(を模した人物たち・笑)が、主役集団として描かれるドラマが、深夜ワクの全4話とはいえ、ついに登場する時代が訪れたのだ。


 今の若いオタにとっては、もう彼ら御大(おんたい)のレジェンドたちは馴染みがウスい存在なのかもしれない。しかし、彼らの10〜20歳ほど年下の我々のようなオタク第2世代にとっては、彼らのネーム&存在感は絶大なるものがあったのだ。それは我々が小学生〜中学生のころに、それまでの子供向けのジャンル作品書籍しかなかったところに、本邦初の青少年マニア向けの書籍が雨後の筍(うごのたけのこ)のように刊行されて、多感な時期にそれらの書籍を浴びるようにむさぼって読みふけったからに他ならない。
 2010年代後半の今日のように、オタク第1世代が還暦前後(爆)に達した時代とは異なり、往時は20代のマニア向け書籍に関わる青年マニアと10代の少年マニアしかいなかったような時代である。上の世代が卒業せずに、オタクが第3世代・第4世代・第5世代と40〜50年ほどの地層を持って連続して存在しているような時代ではナイのである。往時のオタク第2世代の10代のころの我々にとっては、彼ら第1世代の存在がいかに唯一絶対的な屹立した存在であり憧憬であったことか……。


 とはいえ、コレは彼らの功績を小さくするものではナイけれど、同世代の特撮評論同人ライターたちに聞くと、筆者なぞも同様なのだが、本邦マニマ向けムックが出現する以前、もちろん家庭用ビデオデッキが普及する前から、作品全話の情報や、作品の美麗なオープニング映像をカット単位ですべて把握したい! 記録したい! 手許において支配・管理したい! あるいは、漢字もロクに読めないのにスタッフ名を記した字幕をすべて読みたい! と思ってしまうような感性&欲望が、幼稚園児や小学校の低学年のころからすでに芽生えており(汗)、カレンダーにナンバリングすることであまたの作品の全エピソード数を把握しようとしたり、ノートにサブタイトルを転記したり、もう少し上の世代で当時もう中高生の年齢に達していたオタクたちだと、ノートにジャンル作品の各話の感想を発表するアテもなく秘かに綴っていた……という話はよく聞いたりしたものだ。


 ということは、あの時代には全国各地に少数ながらも、似たような感性&性格類型のオタ的な人種が同時多発的に勃興しており、それが『怪獣倶楽部』の啓蒙(けいもう)活動以前に、タネや水蒔きを待つ畑・土壌として存在し、潜在的な需要と供給の関係がすでに成立していたとも思うのだ。
 よって、司馬遼太郎センセイの歴史小説坂の上の雲』(68年)での言説のように、幕末維新の英雄豪傑レベルの偉人とは異なり、明治の世の日露戦争で陸海に活躍した秋山兄弟レベルであったなら、仮に彼らがいなかったとしても、同じポジションに似たような才能の御仁が、現実の歴史よりも数年遅れたとしても代替可能で出現したろうとの見立てではナイけれど、彼らレジェンドがいなかったとしても、似たような人材が同じような役回りを務めて、現今とはやや違ったかたちになったとしても、我々オタク族の我が世の春(?)はいずれは訪れていたように思えなくもない。


 それから幾星霜。オタク第1世代も第2世代の我々も、干からびて枯れてしまっている(汗)。もう若くはナイ。そんな時代に、彼らのことを神だ! レジェンドだ! と宗教的・前近代的・封建道徳の忠臣的に崇めたてまつったり、這いつくばって靴の底までナメるように服従したりするような作品として、本作が構築されていたならば、それはちょっとシラケてしまったことだろう。
 もちろんそのまた逆に、彼ら第1世代こそが既得権益に浴する守旧派の権力者や階級敵(笑)で、その下の第2世代以降は、革新派で少数派という弱者権力を手にした左翼的な絶対正義だと自らを規定して、そのお墨付きを得たならば、造反有理の「愛国無罪」ならぬ「愛ジャンル無罪」で、保守反動・反革命の絶対悪である論敵に対しては、礼節なき暴言や批判をボロクソにいかように浴びせかけても構わない! フランス革命を起こしてギロチンで粛清しても構わない! ということにもならないであろう。
 粘り強い熟議による議会制民主主義での政策決定や政治的妥協ではなく、暴力革命による政権奪取で物事を決することを、必要悪として消極的に仕方なく肯定するのではなく、マルクス主義のように暴力・暴言を歴史的必然として積極的に革命理論としても肯定してしまう!(汗) そのような言説や立場を、筆者個人は決して採用してはいなかったのだけれども……。


 今だから云うけれども、内心ではいろいろと思いつつも、当方の当時の放任主義・原文至上主義の編集方針が災いして、前世紀末〜今世紀初頭の弊誌『仮面特攻隊』はそのような造反有理の、ヒトとしての礼節を欠いた口汚い言論の巣窟になっていたところもあったと思う(汗)。本意ではなかったけれども、もちろんそれは、同人誌の全体をコントロールできず智恵も足りていなかった我が身の不徳のいたすところ、身から出たサビではあり、責任はライター諸氏にはなく主宰者たる当方個人にある。……いやはや、人生とはナンとも思い通りにならず、後悔しきりではあるけれど。


 本作のレビューで閉じずに、自分語りとなるけれど、我々の世代にとってのレジェンド・先達に対する宗教的な盲信ではなく、ムダにレジスタンスに自己陶酔して反発するものでもナイところでの、その中間、一定の幅のグラデーションの中での「理論」や「言説」の構築。
 天下国家の大事には影響しない些事であるやもしれないと諧謔(ユーモア)で自己相対視もしつつ、天狗にならず過度に卑下もせず、怪獣や特撮について喧々囂々(けんけんごうごう)議論する、ノリつつサメてもいる綱引きバランス。単なる言葉遊び・知的遊戯にすぎないと思いつつも、真・善・美といった何らかの「真理」や、その作品やジャンルの本質に到達はできずとも接近できるやもしれないと思い定めて、彼らレジェンドの万分の一にも満たない、後世に振り返られることもない無冠の本サークルではあるけれど、ライター諸氏の力も借りつつ微力ながらもコレからも本誌にて、一応の理性的な評論や言説を構築していきたいと思う所存である。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2018年準備号』(17年8月12日発行)~『仮面特攻隊2018年号』(17年12月30日発行)所収『怪獣倶楽部〜空想特撮青春記〜』序盤合評2より抜粋)


『假面特攻隊2018年準備号』「怪獣倶楽部〜空想特撮青春記〜」関係記事の縮小コピー収録一覧
・各話視聴率:関東・中部・関西。各クール平均・全話平均視聴率
スポーツニッポン 2017年5月21日(日) 怪獣研究“7人のオタク” MBS系「怪獣倶楽部〜」ポスタービジュアル完成
スポーツニッポン 2017年6月14日(水) TV見るべきものは!! 同好の士と語り合う秘密結社的な楽しさ
スポーツニッポン 2017年5月5日(金) 本郷奏多ウルトラ怪獣オタクに”
ザテレビジョン 2017年6月16日号 This Week Pick Up Person 本郷奏多×横浜流星
・テレビライフ 2017年6月16日号 SPECIAL TALK『怪獣倶楽部』 横浜流星×本郷奏多×加藤諒
毎日新聞(関東版) 2017年6月16日(金)夕刊 ワイド視聴室 怪獣倶楽部〜空想特撮青春記〜 円谷プロ協力 思い出よみがえり
・スポーツ報知 2017年5月15日(月) 佐々木李子 初ドラマ主題歌 6・4スタート「怪獣倶楽部―」


愛媛新聞 2017年5月2日(火) ウルトラセブン放送開始50年「出会えたこと財産」主役演じた森次さん 京都で展覧会
夕刊フジ 2017年4月22日(土) パチンコ・ニューマシン・ニュース 最新機種レビュー「CRぱちんこウルトラバトル烈伝 戦えゼロ!若き最強戦士Light Edition」
夕刊フジ 2017年6月1日(木) めくるめく青春 アイドルSEXY列伝 石田えり 56歳とは思えない“オッパイ”ボディー(当記事担当のフリーライター永瀬白虎氏は、子役時代に『ウルトラマン80』#48にゲスト出演したとのこと)
日刊ゲンダイ 2016年12月23日(金) 『「ウルトラマン」の飛翔』白石雅彦著 ウルトラマン誕生の軌跡を追うドキュメント
・日刊スポーツ 2017年7月17日(月) 馬場ふみか女優で飛躍


『怪獣倶楽部〜空想特撮青春記〜』全話平均視聴率:関東1.1%・中部(未放映)・関西1.9%


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ウルトラマンダイナ』総論 〜ダイナの赤い輝きに(長文)

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ウルトラマンエース』総論 〜再評価・全話評完結!(長文)

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070430/p1

ザ・ウルトラマン』総論 〜ザ☆ウルトラマンの時代・埋もれた大スケールSF名作! 第3次怪獣ブームの猛威! 70’s末の熱い夏!(長文)

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971117/p1

ウルトラマン80』総論 〜あのころ特撮評論は思春期(中二病・笑)だった!(長文)

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971121/p1


[関連記事] 〜ウルトラ兄弟・大活躍映画

09.11/22(日)まんだらけ中野店・資料性博覧会01 〜★事後レポート&02要望★

2010.11/23(祝)まんだらけ中野店・資料性博覧会03 〜新刊!妖術武芸帳1969 70年代「コロコロ」内山漫画&ウルトラ記事採録研究本!
5/5(祝)資料性博覧会02参加! ★好評既刊・仮面ライダー1971!★新刊・美少女戦士セーラームーン1992!★新刊・ウルトラマンレオ円盤生物編・増補版!〜★新刊・仮特隊GW号・怪物くん速報・メビウス外伝ジャッカル軍団大逆襲レビュー!


評論系オンリー同人誌即売会・TokyoBookManiax 〜事後レポート!
Nippon2007(第65回世界&第46回日本SF大会) 〜に見る外人オタらの同じ匂い
宇宙船Vol.120復刊! 〜往年のYEAR BOOK・中島紳介氏による日本特撮総括を懐かしむ


同人誌即売会・参加告知 〜全記事見出し一覧
[オタク]カテゴリー 〜全記事見出し一覧
[特撮意見] 〜全記事見出し一覧


 同人誌『キャプテンウルトラ全書 1&2』、『仮面ライダー1971 THE FIRST IMPRESSION』、『妖術武芸帖 秘巻』、『橋本洋二 大全集』などの大冊をものされた畏友の特撮同人ライター・森川 由浩氏が、
 サークル名“morikawa_S”名義にて、


 来たる2009年11月22日(日・翌日は祝日)、まんだらけ中野店主催の


 “漫画・アニメ・特撮・TOYに関する研究を目的とした同人誌即売会 「資料性博覧会01」”


 (中野ブロードウェイ4F まんだらけMG倉庫+スタジオ 〜ブースNo.11) に、
 長らく絶版状態だった『仮面ライダー1971 THE FIRST IMPRESSION』の増補改訂版をひっさげて参加!


 (奇しくも10月30日、昭和『仮面ライダー』シリーズの殺陣(たて・アクション)を担当した大野剣友会創始者・大野幸太郎氏も逝去されたそうで、ご冥福をお祈りいたします)


 ……評論系ではなく資料系オンリー同人誌即売会を謳いつつ、資料系同人誌が1冊でもあればOKだそうなので、ついでに弊サークル・仮面特攻隊も、売り子のお手伝い要員として間借り出店!(汗)



 12サークルのみ募集(結果13サークル)、「中野ブロードウェイの中で最も空気が淀んでいると言われる、4F北側のテナントが空きまくっている地帯」(イベント説明文より)、
 しかも正午スタートの夕方4時までという、弊ブログ主宰の同人活動歴の中でも経験にないほどの小さなイベントで(汗)、まったり閑散とした空気が予想されますが(笑)。
 何か5分10分ほどで、全参加サークルのブースを見終わってしまいそう……。


 そのスジでは大家の『ウルトラセブン』欠番#12の研究で有名な“12話会”やピープロ作品ほかの研究で有名な“空想特撮愛好会”なども参加されていますし(“夜盗組”が見当たらないけど)、
 コミケに行くのはチョット……という方でも、“まんだらけ”にはウインドウショッピングに行くような方々にとっては、そして入場料も無料なので、お勧め! かナと……。
 (実は即売会自体が第1回目なので、サークル参加・申込費自体も無料だったとゆー・汗)


 隣りが天下の“12話会”なので、我らのブースは北関東空っ風が吹いて、ショボーーンという体(てい)が容易に予想されますが……(笑)。


 (弊サークルの年末冬コミは、3日目09年12月31日(木)大晦日・東地区P−13bに出店)

事後レポート & 資料性博覧会02 への要望!

 たかだか13サークルのみの参加にも関わらず、特に出だしは“12話会”目当ての行列客が多かったのにも関わらず、いやそれだからこそ(笑)、隣のサークルゆえの連れ売り(汗)もあってか、即売会の規模に見合わないほどに、新刊『仮面ライダーTHE FIRST IMPRESSION 1971増補版』のみならず各種委託の批評・感想同人誌が予想以上に売れる。
 やはり客層がオールド作品好み、もしくは新作でも、資料や批評・感想などの文字主体の文章本を好む読者を、この即売会がゲットできているゆえんだろうか?


 20世紀末(?)だったかにも、資料・批評系というより、アニメ&特撮のオールド作品に絞った“フラワーエイジ”だったかいう70年前後の欧米の市民運動に名前を取ったかのような名称の、企業系ではない個人が主宰の小規模即売会が開催されて、筆者のような人種がほしい資料・批評系の同人誌がワンサカあって、同人誌を売る立場からしてみても売れ行きがよくって、1回きりで終わってしまったのが非常に残念だったけど……。


 この「資料性博覧会」もうまく育てていただければ、資料系同人誌メインとはいえ、これは我々のような特撮評論同人屋にとっては、あるいは同人誌即売会コミケに通信販売はビミョーに敷居が高くて利用しないけど、まんだらけ中野店にだけはキラクに行けるようなマニアの方々にとっても、潜在ニーズや新たな顧客層を発掘してくれるカナリ貴重な同人誌即売会になってくれるやも!?
 まんだらけ中野店の担当者さんの今後ともの継続的なご努力にぜひとも期待したい(笑)。


 総論賛成・各論反対的に、先方は読まないだろうけど、ダメ元でも注文を付けるとするならば(メールで送れってか?・直接参加の身分じゃないし・笑)、まぁ開催者の方々も充分に承知しているとは思いますが、下記の通りの次第。


・廊下というか通路の片側のみに販売スペース用の机&椅子、背中は壁。
 それはイイけど、椅子のうしろは、もう人間1人が立てるスペースと、ダンボール1箱が置けるスペースしかない。
 抜け出してトイレに行ったり戻ったりするのも一苦労、というか気兼ねしてしまう(笑)。
 通路に出しゃばるのは多少問題があるのだろうけど、机をあと50センチ(笑)でイイから、前に迫り出して設置してくれないものでせうか?(汗)


・あと、通路と水平に正面に面していた“12話会”や畏友の“Morikawa_S”サークルさんなどはイイけど、通路のクボみの倉庫部分に垂直に向かい合わせのスペースで配されてしまったサークルさんなどはかわいそう。
 倉庫部分の垂直通路はヒトが1人しか入れなくてスレ違いもできないほどの空間!(笑)
 ついつい素通りしてしまったり、遠慮なく手に取ってチョット立ち読みなどということをしづらいし。ひいてはそーいうことが売上に響いてくるものなので。
 垂直向かい合わせは止めて、垂直片側だけにするとか、それとも垂直ではあっても通路側に少し迫り出させて少しでも目立つようにしてあげて、通路と水平に配置されたサークルはその分、左右に拡げてズラして配置するとかしてみてはいかがだろう?


 通路と水平に配置されてるサークルの机も、あくまで倉庫部分からハミ出ないように配置しているみたいだけど、建築基準法みたいな厳格なルールがあるとも思えず、隣の一般店舗のスペースとも余裕が充分あるのだし、やはり前後のみならず左右も50センチくらい(笑)ハミ出してもイイのでは?
 などと事情を知らない素人は愚考するのだが……。



 ただこのイベントを微増程度で継続していくならば、今回の客層にとっては敷居が低くてキラクであったろう、なじみのある「まんだらけ中野店」が立地する「中野ブロードウェイ」での開催が、個人的にはベターではなかろうか? という直感も働くのだけれども。
 とはいえ、今回は特撮系サークルがメインだったけど、アニメ系にも資料系なり全話ガイド系の同人サークルはけっこうあるので、それらも呼び込んで数十サークル規模のイベントに成長させていくならば、たしかに全然手狭ではあるけれど。


 ……と思っていたら、早くも2010年ゴールデンウィークの最終日の5月5日(水・祝)に、
 「資料性博覧会02」が開催決定!


 身もフタもないけれど、大手人気サークルが参加していることで、このテのイベントはお客をゲットできて、かつ接触面積、同系の同人誌との出会いも増やせて、連れ売りしていくことも否めないので、まんだらけのイベント担当者さんは“12話会”や“夜盗組”などの大手に声をかけて口説くような営業力も必要かと(笑)。
 (ご存じの通り、公表もされている通り、最大手のコミケですらもが、顧客満足度や集客などの総合的観点から天秤にかけて、超人気サークルは優遇されたり申込書類の不備も救済されたりしているのだから)



 ……などと俗っぽい話はともかく、「資料性博覧会01」での弊ブログ主宰者個人にとっての最大の収穫物は、まんだらけがこのイベント用に発行したカラーコピーの数百円のパンフ!(笑)


 縮小活字でビッシリの、往年の資料系同人誌の詳細な歴史解説(&表紙再録)に、70年代末期の第3次怪獣ブーム(第3期ウルトラブーム)時の「てれびくん」でのウルトラ記事の盛り上がりの解説(その立役者である当時、小学館の駆け出し社員であった安井ひさし氏の存在)、特撮(&アニメ)ライターのベテラン・中島紳介氏への資料系同人誌の今日的な存在意義に関するインタビュー!
 文章も悪い意味での同人・素人クサさはさらさらなく、練れていて読みやすく、かつ濃いもので、さすがは「まんだらけ」の同人担当者だけのことはある!(マジで)


 ふだんから、まんだらけ店舗でもこのパンフは購入できるのかしら? 「資料性博覧会02」でも再販して、なるべく多くの好事家の方々に手を取ってほしいものだ。本当におすすめ!

関連記事 : 5/5(祝)資料性博覧会02参加! ★好評既刊・仮面ライダー1971!★新刊・美少女戦士セーラームーン1992!★新刊・ウルトラマンレオ円盤生物編・増補版!〜★新刊・仮特隊GW号・怪物くん速報・メビウス外伝ジャッカル軍団大逆襲レビュー!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100306/p1

関連記事 : 評論系オンリー同人誌即売会・TokyoBookManiax 〜事後レポート!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20081009/p1

関連記事 : Nippon2007(第65回世界&第46回日本SF大会) 〜に見る外人オタらの同じ匂い

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080302/p1

関連記事 : 宇宙船Vol.120復刊! 〜この体裁で延命できるか?

〜往年のYEAR BOOK・中島紳介氏による日本特撮総括記事を懐かしむ

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080525/p1



後日付記:まんだらけ本舗より、当該記事にリンクを貼られてお恥ずかしいかぎり。
  http://www.mandarake.co.jp/information/event/shaku/news.html
 しかし、物云えば唇寒しで、担当者も重々承知していても、実現できないこともあるだろうから、結果的には次回の「資料性博覧会02」でもあまり変化がなくって、空回りしたっぽくなり、ドコかマヌケで気恥ずかしくて気マズいよなぁ……みたいな感慨になりそうな事態が容易に想像されますが(笑)。

資料性博覧会01 イベント・ホームページ

http://www.mandarake.co.jp/information/event/shaku/index.html
  

資料性博覧会01 参加サークル一覧

http://www.mandarake.co.jp/information/event/shaku/circle.html


●新刊『仮面ライダーTHE FIRST IMPRESSION 1971』(増補改訂版・Renewal Version 2009)(森川 由浩)

放映開始の1971年の時代状況や、同1971年のみの資料収集に限定してアプローチ!
各社新聞記事・児童&幼児誌・絵本・「週刊テレビガイド」「放送文化」「東映社内報」(!)記事コンプリートなど!

・『仮面ライダー』作品解説 ……The First Series All of the Explanation
・新聞記事に見る『仮面ライダー』集大成!
・出版界に於ける『仮面ライダー』集大成!
★玩具 模型の世界 集大成! 〜一大刷新・増補大改訂!
 1)新規解説文「直前史『ライダー』以前バンダイキャラクター玩具の歴史」
   〜「サンダーバード」の成功、「キャプテンスカーレット」の失敗、そして再起!
 2)プラモデルチラシの再録、プラモデル本体の写真収録&解説文!
・アラカルトコラム
 1)東映まんがまつり(1971年夏季興行『ゴーゴー仮面ライダー』〜第13話が銀幕へ!)
 2)裏番組との闘い……ライバルのプロフィール
 3)石森漫画としての『仮面ライダー
 4)マスクを外した『仮面ライダー』の真実
 5)新聞記事に見る『仮面ライダー』集大成! 〜解説
 6)大阪「毎日放送」製作……関西人の地元に根ざしたヒーロー
 7)『仮面ライダー』自分史
 8)フィルモグラフィー
★全98話・関東&関西視聴率! 〜解説・『ライダー』『ミラーマン』『シルバー仮面』三つ巴の中部は調査及ばず
★全国『仮面ライダー』放送開始日リスト! 〜同時ネット未だきの各地方局での放映曜日&日時! &解説 


  ……加えて、「増補改訂版」独自の記事は、
バンダイの1971年度の社内報(!)を新たにゲット! 収録!!
・模型や玩具の現物写真を併せて掲載!
・あとがき 再販にあわせて
 (B5判・P162・オフセット印刷・1800円)


●昨夏コミ新刊! 『誕生40周年記念 宇宙特撮シリーズ「キャプテンウルトラ」全書・増補編』(森川 由浩)

冬コミ新刊・大ヒット好評同人誌「キャプテンウルトラ全書」に早くも続刊! PART2刊行!
有志による新発掘・新提供資料が多数! 内容はPART1とのダブリなし!!

・ウルトラスチールギャラリー
小学館児童誌掲載記事漫画大鑑 「よいこ」から「小学六年生」まで
・書籍&単行本に於けるキャプテンウルトラ
・雑誌界に於けるキャプテンウルトラ 補完編(前回未入手分)
・新聞記事に見るキャプテンウルトラ 補完編(前回未入手分)
・怪獣ブームの頂点から下降への流れを追って in the News Paper’S
キャプテンウルトラ 増補編 アラカルト・コラム
キャプテンウルトラ劇伴・音盤大全
キャプテンウルトラ特番関連
・改造バンデラーの謎
・“にせ”キャプテンウルトラショーの謎を追え!
・宇宙都市の造形美の世界
キャプテンウルトラ再放送リスト 〜本放送&初回再放送対比リスト
★目玉!〜Q・マン・キャプテン・セブンに続くTBSタケダ枠の幻のウルトラシリーズ第5弾!
 ボツ企画書『ウルトラ・メカ』(東映のポスト「サンダーバード」企画)入手! 全文収録!!
 (B5判・P168・オフセット印刷・1800円)

●9月新刊! 速報コピー誌『仮面特攻隊2009年秋号』! 〜再刷するかも(汗)

仮面ライダーディケイド」 〜最終回合評! (関東・中部・関西全話視聴率表も!)
仮面ライダーW(ダブル)」 〜序盤合評! (#3までの視聴率も!)
「オールライダー対大ショッカー」続報!
侍戦隊シンケンジャー銀幕版 天下分け目の戦」続報!
ウルトラマン80」後半評 〜連載開始! #29・30!
「近作評EXTRA」 〜「ウルトラ銀河伝説」「サマーウォーズ」「BALLAD(バラッド)名もなき恋のうた
 (B5判・P24・コピー・300円)

●9月新刊! 速報コピー誌『DEATH−VOLT Vol.46』(仙田 冷)

 09年4月〜09年9月のアニメ・特撮・ドラマ・映画・ゲーム・書籍ほかオールジャンル合評コピー同人誌!
 (B5判・P28前後・コピー・400円前後)

●夏コミ新刊! コピー誌『ウルトラマンレオ seazon4全話評 襲来、円盤生物!』(ビオラン亭 ガメラ

 『ウルトラマンレオ』異色作・泣かせる名作ぞろいの第4クール・円盤生物編を徹底レビュー!
 (B5判・P40・コピー・500円)

冬コミ新刊! 「『忍者戦隊カクレンジャー』突発簡易再評価本!」(ビオラン亭 ガメラ

 荒川稔久脚本の佳編・#7「こいつぁデカい」&#35「おしおき三姉妹(シスターズ)」評!
 (A5判・P24・コピー・200円)

冬コミ新刊! 『仮面ライダーアマゾン 鈴木生朗 脚本回解説』コピー誌(フラユシュ)

 『仮面ライダーディケイド』「アマゾンの世界」編の手引書に!(笑)
 (B5判・コピー・300円)


冬コミ新刊! 『仮面特攻隊2009年号』

ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY」 〜#1・2折込みコピー速報!
トミカヒーロー レスキューフォース 爆裂MOVIE」 〜折込みコピー速報!


大決戦!超ウルトラ8兄弟」 〜賛否合評 & 新聞図版!
 ・京都 ダンディー4 & ビューティー4 舞台挨拶レポートも!
ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス」!
「ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル」 〜BS & U局放映事情!
 ・オマケ「ウルトラセブンX」全話視聴率:関東・中部・関西。全話平均視聴率
仮面ライダーディケイド」 〜業界ゴシップ・今後の平成ライダー展望!
仮面ライダー電王」 〜人気作の終盤総括!
 ・全話視聴率:関東・中部・関西。各クール平均・全話平均視聴率
仮面ライダーキバ」 〜合評 & 新聞図版!
 ・各話視聴率:関東・中部・関西。各クール平均・放映分平均視聴率
「劇場版 仮面ライダーキバ 魔界城の王」 〜合評!
「劇場版 仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事」 〜評 & 新聞図版!
炎神戦隊ゴーオンジャー」 〜合評 & 半田健人ゲスト編 & 新聞図版!
 ・各話視聴率:関東・中部・関西。各クール平均・放映分平均視聴率
炎神戦隊ゴーオンジャー BUNBUN!BANBAN!劇場BANG!!」!
獣拳戦隊ゲキレンジャー」 〜大特集・不評戦隊を徹底擁護合評!!
 ・全話視聴率:関東・中部・関西。各クール平均・全話平均視聴率
獣拳戦隊ゲキレンジャーVSボウケンジャー」 〜快作!
ケータイ捜査官7(セブン)」 〜合評!
 ・各話視聴率:関東・中部・関西。各クール平均・放映分平均視聴率
トミカヒーロー レスキューフォース」 〜合評 & 新戦士R5加入!
 ・各話視聴率:関東・中部・関西。各クール平均・放映分平均視聴率
魔法先生ネギま!(実写版)」 〜「トクサツ2008」! 戦隊パロ「Yes! バカレンジャー」は究極の荒川稔久ワールド!! & 桑江咲菜はこうして真咲なつめ(ゲキレン)とエヴァンジェリンネギま)を掛け持ちした!!
 ・全話視聴率:関東・中部・関西。各クール平均・全話平均視聴率
「トクサツ2008」 〜G3プリンセス & 歴代スーパー戦隊ヒロイン主役編史!
「ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発」 〜多幸感あふれる怪作!
ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」 〜映画第2弾・妖怪キャラの担当声優一覧も!
「へんしん! ポンポコ玉」 〜70年代・性転換ジュブナイル
「近作評EXTRA」! 〜24時間まるごと昭和ゴジラ & CS旧作!
「DVDウルトラマンタロウ1973」! 〜&ウルトラマン関係イベント評!
「DVDウルトラマンレオ1974」! 〜1974年という切迫した終末観あふれる時代!
ファミリー劇場『ウルトラ情報局』ウルトラマンレオ編」!
 ・08年5月号〜12月号 & ウルトラマンレオのすべて & 真夏座VOICECUL!
「復刊! 宇宙船Vol.120」 〜あの体裁で延命できるか!? ゼロ年代特撮誌史評!
ゼロ年代の想像力」 〜オタ第3世代新進気鋭ライターのSFマガジン連載書籍化・書評!
秋葉原通り魔事件」 〜合評・苦境下の人々へ
 (表紙カット・信貴 徳二) (B5判・P184・オフセット印刷・2000円)


●昨夏コミ新刊! 「『特捜最前線』評全集2 東京,窓際警視を見た女!」(ビオラン亭 ガメラ

 刑事ドラマの名作『特捜最前線』(77〜87年)。DVD(現時点で・汗)未収録、第186話「東京,殺人ゲーム地図!」(叶編)、第141話「脱走爆弾犯を見た女!」(紅林編)、第269話「窓際警視、投げこみ魔を追う!」(蒲生編)の3話をピックアップ! (A5判・P28・コピー・200円)

●昨冬コミ新刊! 「『特捜最前線』評全集1 特命本 完成せず!」(ビオラン亭 ガメラ

 刑事ドラマの名作『特捜最前線』(77〜87年)。DVD未収録、第106話「完全犯罪・ナイフの少女!」(船村編)、第208話「フォーク連続殺人の謎!」(橘編)、第194話「判事、ラブホテル密会事件!」(桜井編)の3話をピックアップ! (A5判・P28・コピー・200円)

●昨夏コミ新刊! 『仮面ライダーX 鈴木生朗 脚本回解説』コピー誌(フラユシュ)

 (B5判・コピー・300円)

●一昨年夏コミ刊! 『仮面ライダーV3 鈴木生朗 脚本回解説』コピー誌(フラユシュ)

 (B5判・コピー・400円)
 「風」や「斬り捨て御免!」などのTV時代劇でも知られる鈴木生朗脚本回にフォーカス!


●昨冬コミ新刊! 『仮面特攻隊2008年号』! 冬コミにて完売!まんだらけ委託分も残り5部!

 昨2008年1月25日(金)より、まんだらけにて、最新『仮面特攻隊2008年号』を委託販売&委託通販開始!
 渋谷店・秋葉原店・名古屋店・うめだ店で委託販売。どっかの店舗では見本誌の立ち読みもできるかと……。
 旧刊2001年号(『仮面ライダー』シリーズ大特集)・2004年号(『日本特撮評論史』大特集)については、中野店にて委託販売中。

まんだらけ委託最新08年号

まんだらけ委託同人誌旧刊

「ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル」 〜序盤速報!
ウルトラマンメビウス」〜映画「&兄弟」「無敵のママ」「エースの願い」 〜最終三部作合評!
ウルトラマンメビウス」完結! 〜「メビウス」総論・赤星政尚論!
ウルトラマンメビウス」#41「思い出の先生」 〜合評大特集!
 ・全話視聴率:関東・中部・関西。各クール平均・全話平均視聴率
ウルトラマン プレミアステージ」 〜「メビウス」後日談・ヒーローショー決定版!
仮面ライダー電王」 〜前半評・劇場版「俺、参上!」合評・後半評!
獣拳戦隊ゲキレンジャー」 〜序盤合評・前半合評・電影版「香港大決戦」!
西遊記」2006全話評&映画版!大特集! 〜78・94・本家中国TV版・原典とも比較レビュー!
 ・全話視聴率:関東・中部・関西(中部は#5・9欠。関西は最終回1週後の春休み突入SP欠)
ゲゲゲの鬼太郎」映画版〜賛否合評・シナリオ第1稿との比較レビュー!
ゲの鬼太郎」本編の中に本物の妖怪映っていた? 〜他多数!
ウルトラセブンX」合評! 〜テレ東深夜特撮より少ないネット局から円谷の展開に提言!
「2007年秋の深夜特撮!」 〜キューティーハニー風魔の小次郎魔法先生ネギま!・かわいい!ジェニー・ZENアクションTV!
「トクサツ2007」! 〜ビル街の水特撮!「日本沈没」「レオ」「ゲキレン」#2!
「ヒーローショー2007」! 〜各遊園地・各アトラクチーム・スーツアクター
魔弾戦記リュウケンドー」 〜終盤の佳作2編・普遍のイジメテーマ話!
「近作評EXTRA」 〜もっとすごい科学でまもります・CS旧作・映画・イベント・書評!
ウルトラマンタロウ」再評価・全話評! 〜連載開始!
ファミリー劇場「ウルトラ情報局」ウルトラマンタロウ編!
ウルトラマンタロウ」関係記事の縮小コピー収録一覧
 ・静岡新聞 1973年3月19日(月) 「新番組の紹介」頭に二本角、太陽バッジで変身、「ウルトラマンタロウ」、一層SF的に
 ・読売新聞 1973年4月27日(金) 「てれび街」人気上昇中のウルトラの母 〜想像図募集に10万通、4割が女児
 ・静岡新聞 1973年3月26日(月) 最新武器持ち、奇想天外の特撮 〜怪獣にしがみついたり和製アラビアンナイト 〜他多数!
 (表紙カット・信貴 徳二) (B5判・P184・オフセット印刷・2000円)


●一昨年冬コミ新刊! 弊サークル同人誌『仮面特攻隊2007年号』。は、おかげさまで完売。
 (『2006年号』も完売。『01年号』&『04年号』は、まんだらけ中野店に若干部数あり。まんだらけでのネット通販も可
●『假面特攻隊2001年号』
 「仮面ライダー」全シリーズ大特集&「仮面ライダークウガ」完結間際・有志十数名による合評&3万字評「仮面ライダー批評20年史検証」 (B5判・P208・オフセット印刷・2000円) 〜手持ち分は完売!
●『假面特攻隊2002年号』
 「仮面ライダークウガ」最終回賛否合評特集&「アギト」&「ガオレン」&「コスモス」&「歴代特撮監督の作家性解析大特集〜真の特撮評論とは?」 (B5判・P230・オフセット印刷・2000円) 〜完売!
●『假面特攻隊2005年号』
 「04年度特撮〜仮面ライダー剣ブレイド)・特捜戦隊デカレンジャーウルトラマンネクサスキャシャーンキューティーハニーデビルマン他」 (B5判・P222・オフセット印刷・2000円) 〜残り1部!



 その他の近刊!
『「ケータイ刑事 銭形舞」 評全集』ビオラン亭 ガメラ
 「ケータイ刑事 銭形舞」全話評・総評・ケータイ刑事シリーズ概論!(ビオラン亭 ガメラ)(表紙・いちせ たか) (B5判・P84・オフセット印刷・1000円)


『魔法戦隊マジレンジャーVSデカレンジャー評全集 + 超忍者隊イナズマ評全集』ビオラン亭 ガメラ
 好評同人誌「特捜戦隊デカレンジャー評全集」(完売)の補遺続刊! (B5判・P48・オフセット印刷・600円)
『吉川進 全記録』(ビッキー HONMA)
 東映ヒーロー番組プロデューサー全作品解析&インタビューほか! (B5判・P134・オフセット印刷・1000円)
●『「ケータイ刑事 THE MOVIE」 評全集』(ビオラン亭 ガメラ
 「ケータイ刑事 THE MOVIE」 東京・大阪 舞台挨拶コンプリート! (A5判・オフセット印刷・400円)



 ……に加えて、既刊
●『ナはナイルのナ』(つくね かずゆき) ……オススメ!
 「不思議少女ナイルなトトメス」(91)全話ガイド&批評・怪人図鑑・名場面・東映不思議コメディシリーズ「おもいっきり探偵団 覇悪怒組」(87)〜「有言実行三姉妹シュシュトリアン」(93)全話視聴率表! (A5判・オフセット印刷・1000円)
●『ハラッパでひみつきちVol.2 うたう!大竜宮城』(つくね かずゆき)
 全話ガイド+批評・資料・主要キャラ紹介・雑誌・CM・漫画・音盤! (A5判・オフセット印刷・2000円)
●『ハラッパでひみつきちVol.3 電撃戦隊チェンジマン』(つくね かずゆき) ……オススメ!
 80年代中盤に試みられたシリアス大河「戦隊」の中でも傑作の呼び声高い「チェンジマン」! 主要傑作エピソード紹介と、当時の人気美少女・柴田時江演じるリゲル星人ナナ(#13〜14・32〜33・42〜43・51〜55(最終回)に登場)を中心にレビュー! 柴田演じた「バイオマン」メカ人間ミキ編や、「スケバン刑事2」「マスクマン」「ウインスペクター」「ジャンパーソン」ゲスト編もフォロー! (A5判・オフセット印刷・700円)
●『ハラッパでひみつきちVol.4 円盤戦争バンキッド』(つくね かずゆき)
 全話ガイド+批評・資料・キャラ&学習部屋紹介・ブキミ星人大図鑑・漫画・音盤・玩具・ロケ地ほか! (A5判・オフセット印刷・1500円)
 ※:弊ブログ主宰者も、長編論文「囲炉裏にレーダー、学習部屋に秘密基地 〜バンキッド論」を書き下ろし!


●『ALL ABOUT ウルトラマンダイナ[1]』(黒鮫 建武隊)
 「ウルトラマンダイナ」#01〜13ガイド&批評・視聴率・向ヶ丘遊園イベントレポート! (A5判・オフセット印刷・500円)
●『ALL ABOUT ウルトラマンダイナ[2]』(黒鮫 建武隊)
 「ウルトラマンダイナ」#14〜26ガイド&批評・視聴率・玩具売上好調! (A5判・オフセット印刷・500円)
●『ALL ABOUT ウルトラマンダイナ[3]』(黒鮫 建武隊) ……全3巻完結!
 映画「ウルトラマンティガ&ダイナ』特集 ガイド&批評・成長物語・ティガ続編・新聞雑誌記事ほか! (A5判・オフセット印刷・500円)
 ※:4〜5巻は発行中止だそうです(汗)。


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先代代表・築柴輝一氏逝去 〜加筆・時代と故人に追悼

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(昨年につづき、2011年6月12日(日)に合計5名でお墓参りに行ってまいりました)

(2011年1月7日(金)、築柴氏が原型を(多分)手懸けた『ドラえもん』「おばあちゃんの思い出」のガチャガチャ(カプセルトイ)のネット上の商品画像を追加UP。著作権法的にはグレーですが関係各位にはご容赦を)


「ご実家のお店のショーウインドウにあったのも、たしかにこれだったと思います。(バックの和室のジオラマ部分は無かったと思いますが。)
 彼は逝ってしまいましたが、すばらしい成果をきっといくつも遺していってくれていったのだと思います。作った人の名前は知られなくてもドラファン、藤子ファン、(あるいは他の作品のファン)が築紫くんが手がけた立体物を見て喜んだり、感嘆したりすることはこれからもきっとずっとあることでしょうね。」

(図版提供&談:坂井由人&直人様)


先代代表・築柴輝一氏逝去 〜加筆・時代と故人に追悼

09年6月8日(月)18時〜・通夜告知

(文・T.SATO)
(09年6月7日(日)執筆)


 このような媒体に書くのが適切であるのか、気が引けるところではありますが……。
 かといって、他に適切な媒体があるとも思えませんので、ここに告知させていただきます。


 弊サークル「假面特攻隊」の創始者にして先代代表であられる築柴輝一(つくし・てるいち)氏がつい先日逝去されました。
 くわしい日時は不明です。交通事故にあわれた模様です。まだお若かったというのに……。


 氏は高校生時代の1986年末に特撮サークル「假面特攻隊」を旗揚げ。
 読者覧での交流文化華やかなしりころの、特撮雑誌『宇宙船』の読者コーナーなどで仲間を集めて87年以降、オフセット印刷の同人誌を製作。同人誌即売会コミックマーケットに参加して同人誌を頒布。
 番外号をのぞく、『假面特攻隊』1号(87年)〜8号(91年)まで8冊の同人誌を中心になって製作されました。


 氏は高校(単位制で4年制)卒業後の2年間は、印刷会社に就職しておカネを貯められ、そののち専門学校に入学。2年間の学業をおさめられたあとは、造形関係の会社に就職、実家から独立して一人暮らしをはじめ、今でいう食玩の原型などを造る仕事をされていました。
 さらに4年ほどのち、脱サラされてフリーの原型師としても活躍。


 ちなみに弊サークル2代目代表である当方は、築柴輝一氏と同い年の同学年ではありますが、89年(平成元年)に発行された「假面特攻隊6号」第2期ウルトラシリーズ特集の通信販売にて縁を持ち、「7号」(90年)より参加。
 奥手であった当方を、築柴氏は会合や酒席などに何度もお誘いくださり、今でいう非コミュからの離脱、リハビリも模索していた(汗)当方は、ここが生きスジ! とばかりに酒席のスミっこに参画。


 築柴氏もサークル代表という立場からイメージされる多少なりとも豪放な性格とはいいがたい、とてもシャイでソフトな小柄で色白痩身の美少年といったお方でしたが、現在の当方(の立ち居振る舞いなどの処世)、および当方の立場、小さな一角ながらもポジションがあるのは、築柴氏のおかげです。本当に感謝しております。


 特撮サークルとは別のことをやりたいと考えはじめていた築柴氏は、91年秋にサークルを廃止するか、もしくは当方が引き継ぎすることの二択を迫られました。


 悩んだ末に、人生何事もチャレンジ、少なくとも自分のまぁまぁの得意分野(?)では重荷・負荷をつけて、さらなるリハビリも兼ねて(汗)、いつまでも外野・野党精神で文句をつけているばかりではなく、多少なりとも自分が中心になって責任を持つようなこともしないと背中にスジが一本通らなくなるし、次なるステップアップものぞめないだろうと、2代目代表を引き受けた次第。


 (引き受けた直後の2年間は順調に同人誌を発行するも、そのあと燃え尽き症候群で、3年間も同人誌を出せなかった時期もありましたが……)


 築柴氏は当時のロボットアニメ作品と、のみならずその玩具をもレビューするという当時としては斬新なオフセット同人誌を製作されたあと、造型関係の仲間を新たに集めてサークルを立ち上げ。造型関係のイベント・ワンダーフェスティバルなどに参加。当方も2〜3回、陣中見舞いに行ったものでした。……2、3回かよ! とツッコミされてしまいそうですが。たしか00年前後までは逆にコミケにも陣中見舞いに来てくれていたものです。


 ご多分にもれず、弊サークルの寄稿メンバーも20年弱の間に二転三転四転五転していき、そちらのメンバーとの付き合いを優先するに従い、近年は築柴氏とも疎遠となって、弊サークル誌「假面特攻隊」新刊の贈呈およびその感想返信、年賀状のやりとりしかしておりませんでしたが……。


 また、全然知りませんでしたが、訃報を特撮同人屋あがりの商業オタク系ライターの先達、坂井由人&直人兄弟にもお伝えしたところ、近年(それでも90年代中後盤?)でも「假面特攻隊」旧(初期)メンバーに誘われて、実は酒席を幾度か持っていたとのこと。よかったよかった。


 などということを、このような媒体に書いても(読まされても)、部外者の方々にはナンではありましょうが……。



 故人のご冥福を謹んで、お祈り申し上げる次第です。 合掌。



 もうお通夜までに時間的な余裕がないのですが、生前ご縁がありました方たちに少しでも可能性がありましたら届きますように(伝えられるかぎりは伝えましたが)、お通夜の会場の場所・地図の告知を、以下に記させていただきます。弔電も下記の方へ。


お通夜:6月8日(月)18時〜

東京都荒川区西日暮里6−55−1「メモリアルセレス千代田21」

 JR山手線・西日暮里駅・下車徒歩5分
 東京メトロ千代田線・西日暮里駅・2番出口下車徒歩3分
 日暮里・舎人ライナー西日暮里駅・西口下車徒歩1分


  http://chiyoda-ceremony.com/celes21/map_celes21.pdf


後日加筆: 〜あの時代と故人に追悼

(09年6月21日(日)脱稿)


 ここに書き記しておくのも、重ねて気が引けるのですが、特にプライバシーの侵害にあたることもないであろう範囲を、当方の責任にて取捨選択して、故人を偲ぶよすがとして、一筆したためさせていただきたいと思います。


 6月8日(月)月曜日夕刻、お通夜の方はしめやかに営まれました。


 もちろんご中心はご家族、ご遺族ではあらせられますし、ご心中の悲しみはいかばかりであったかとお察し申し上げます。


 築柴氏の趣味関係の友人・仲間関係では、地方に在住であったり、外せない仕事があった方をのぞけば、「假面特攻隊」の初期メンバーが喪服姿でほぼ集合(今でも弊「假面特攻隊」誌に寄稿している人間はひとりもおりませんけれど)。
 その初期メンバーとも親しかった、90年代中盤以降に知り合った築紫氏と同業のフリーの造型家仲間も1名参加。


 あと、築紫氏の会社勤め時代の元・上司の方(といっても築紫氏と同い年。でも採用面接のときからのご縁だとか)と、元・同僚の方1名がご出席されました。


 元・上司の方は、築柴氏の造型サークルで、90年代後半(後日付記:97年)に各マニア誌でその写真が紹介されたウルトラマンジョーニアス(=TVアニメ作品『ザ☆ウルトラマン』(79年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971117/p1)の主役ヒーロー)のフィギュアを造型、販売されていた方でもありました。
 有名なアニメの設定画を元にした、立膝半腰で右腕を前面に構えたポージングを、スマートな筋肉美ともども、見事にどの角度から見てもスキがなく造型した一品で、当時はお客さんが店頭にたかられるほどであった、そのフィギュアの塗装済み完成展示品は、99年ごろに筆者が築柴氏を経由して造型イベント・ワンダーフェスティバルにて入手(後日付記:98年1月でした)。
 (ジョーニアスが売れたら、同作品中のゲストウルトラ戦士・エレクとロトなども造型するつもりだったそうですが……)
 古株の好事家の方にはご存じとは思いますが、『ザ☆ウル』の科学警備隊の紅一点・ムツミ隊員のフィギュアも同時発売。


 10年を経て初めて知ったのですが、その塗装は実は築柴氏が手掛けていたものであったそうで(当時は何も云ってくれなかったなぁ・汗)、奇しくも所蔵の品が形見の品ともなりました。


 同じく塗装済み完成品の残り1品は、元・上司の方が、やはり奇しくも10年を経て、造型関係のお仕事の縁で、円谷プロダクションの怪獣倉庫閉鎖の直前にお見舞いした折に、デザイナー・丸山浩氏(『ウルトラマンティガ』(96年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961201/p1)以降のウルトラヒーローやウルトラ怪獣デザインなどで有名)と縁ができて、進呈したばかりだったとのこと。
 筆者ごときが所蔵するよりも、丸山センセイが所有されていた方がハクが付くというもの。よかったね、築紫さん。……なぞと俗っぽいことも云ってみる(笑)。


 また、弊ブログの当該記事にトラックバックhttp://d.hatena.ne.jp/wicket/20090609/1244501503)をお寄せくださった、お通夜にも参加されたというお方は、往時会合やカラオケに参加されたこともある当時千葉県在住だったイニシャルで云うとT.T.さんという、どこぞの企業の図書室(?)の司書になられた長身痩身の寄稿者の女性の方がいらっしゃいましたが、そのお方でしょうか? レコーディング・ダイエットのブログがあまりに当時の印象とは異なりますが……(いや同じような印象か?・汗)。全然別の方でしたらスミマセン。


 山形県在住の、往時の假面特攻隊・北日本支部代表の佐藤弘之クン(後日付記:半分ヤンキー入ってるヤツなので(笑)、男らしいことに供養の気持ちも兼ねて実名を出してくれとのこと(!)でしたので実名で……)も、年賀状のやりとりしかしておりませんでしたが、メールでの連絡に対して即座にていねいなご返信をくださりました。彼は遠方ゆえ当然のことながら参加は適いませんでしたが、お通夜の会場に弔電をくださるつもりとのことでした。



 北日本支部なぞという名称の部署の存在など、若い読者には何事かと笑われてしまうかとは思いますが。


 解説すると、80年代のマニア・ファン活動は、例えるなら明治時代の正岡子規がカンタンな言葉で写生・写実する近代俳句を雑誌で提唱して庶民が影響を受けてマネしはじめる時代の前みたいなもので(?)、今のようなインターネット上のホームページや掲示板にブログ隆盛の時代とは異なり、マニア同人誌を作ったりそもそもクダけた口語体の散文であろうが意見・感想などの文章を書く際の意識的なり無意識的に模倣する参考基準、ノウハウすらもがあまりなかった時代。
 1960年前後生まれのオタク第1世代もまだ30歳前で、よって10代と20代のマニアしかいないような若々しいころ、“ごっこ遊び”的ではあるのですが、会員制のサークルを作って地方支部を作るという流行がありました。
 (一番メジャーそうな(?)サークルで云うと、やはり当時ではなく発刊10年のちにコピーを入手した(汗)、TV時代劇「必殺シリーズFC(ファンクラブ)・とらの会」初期号(1980年ごろ発行)の誌面などに、地方支部設立の記述などがあります……)


 築紫氏は、直接的には80年代中盤に大活躍していた特撮サークル・ETC大江戸や、その喫茶店(?)での会合の末端に参加して、その場の彼ら――といってもコレがまた筆者らの同世代だそうで、マニア向けイベントへのアクセスが容易だった東京都在住という地の利があったにせよ、関東近郊在住の当方からすれば、10代中後盤のときからすでに活発に活動とは随分と早熟な……――の議論の熱気に当てられて、サークル活動を始められた、とご当人から聞いております。


 ETCには当時、70年代・変身ヒーローものの再放送が盛んであった九州の福岡支部などがあり、築紫氏によるサークル地方支部の設立はその影響だったのだろう……とコレもまた、別の場所で15〜6年前に聞いた、同じくキャリアの初期のころにETCに影響を受けたという同い年の老舗アニメ&特撮サークル・セイリングジャンプ主宰・鹿取しいね氏の言)


 筆者個人はその時代の特撮評論同人界のことはリアルタイムではまったく存じていなくて、後付けのお勉強で知識を仕入れたものにすぎませんが……。


 90年代以降のファン・マニア・同人活動においては、同人誌の印刷代の事前捻出という意味もあったのであろう「会員制」は急速に廃れていきます(本サークルも90年ごろまでは「会員制」。ただし会費徴収はなかった)。
 サークルではあっても会員制ではなく、同人誌印刷の安価化や手書き悪筆の人間にも道を拓く推敲も容易なワープロの普及、マニアの社会人化にともなう可処分所得の増大などとも相まって、サークルに所属はしていても個人で同人誌を発行したり、あるいは個人サークルなりサークル越境で都度メンバーを集めて活動する方々が多くなっていきました。


 00年代以降の新たな潮流、パソコンのワープロ機能やDTPソフトでの同人誌製作、ネット上でのファン活動の隆盛やその細分化については、読者のみなさまの方がくわしいかと思います。


 ……などと古クサい話をしつづけて、弊サークルも実は1986年末が設立だったなぞと云うと、若い読者だったら自分が生まれたころか、生まれる前の話だヨ! となりかねず、ウ〜〜ンと遠い古い時代の出来事に感じられてしまうかと思います
 (だから、あまり設立年や何周年などということは、カビくさく思われそうなので、前面には出さないのですが・笑)。


 その感慨もごもっともなのですが、もう少し細かく噛み砕いて説明して、選り分けをさせてくださいませ。


 1980年代中後盤にはワープロの急速な普及があり、弊サークル『假面特攻隊』の同人誌などは当初からほぼワープロ活字誌面によって、製作されておりました(B5サイズ用の台紙にワープロ印字物を切り貼りするようなものですが)。よって、それ以前の時代の手書きの清書による同人誌とはもう体裁が異なっておりました。
 また、1980年前後のジャンル草創期のようにプロライター・アマライターがある程度、渾然一体となっている時代も遠くに過ぎており、特撮ジャーナリズムも確立されていて、プロは基本的にはすでに雲の上になっていて、とっくに隔絶されていた時代です。


 そのかぎりでは、70年代前半のいわゆる変身ブームで産湯をつかった後発の世代であり、一回り上の世代である70年代中盤〜80年前後に勃興したオタク第1世代(60年前後生まれ=第1期ウルトラシリーズや初期東宝ゴジラ映画世代)らによる同人活動の成り立ちとは相応に異なったものであったとは思います。


 もちろん先人の開拓者には敬意を表しておりますし、彼らが荒野を切り開いたその路線に乗っかったものであることも否定はしませんが、同時に彼らの見解に対するいくばくかの異議申し立てや、支線や別の本線へと導く転轍機の構築も、その志しのひとつにはあったわけなのでした。


 (まぁこのようなカタ苦しいことばかりを考えていたわけでは当然なくて、やはり80年代の時代の空気の影響か、もっと軟派な読者投稿欄のお遊びコーナー的なカルいノリも、一方ではありましたが……)



 お通夜のお食事の席のテーブルにて、もちろん座が進行して和んでからではありますが、築柴氏の最期の詳細について、ご親戚やご近所の方2名ほどに、厚かましくもそれとなく当方はお聞きしてみました。
 彼らいわく、ご両親の方にご状況を聞いても、泣き崩れてしまわれて、それ以上は聞けなくて詳細はわからなかったとのことでした。痛み入る次第です。


 お酌に廻られている明るく気丈にふるまわれていたお母さまにも、母君とは知らずに、それとなくお聞きしましたが、お母さまは感極まって言葉にすることができず、悪いことをしてしまったものでした。


 ご親戚の方に聞いて最低限わかったことは、下記の通り。
 6月5日(金)の午後7時ごろ、激しい雨で視界が悪いタイミングにて、交通事故にあわれたらしいことのみです。


 築紫氏がクルマやバイクに乗るという話は聞いたことがなく、山手線の駅のごく近い場所に住む下町出身の彼にとっては、そもそもクルマもバイクも必要がなかったはずで、友人いわく免許も持っていなかったはずだとのこと。
 なので、単に不幸にも交通事故に巻き込まれてしまったという認識でよろしいかと考えています。
 当方宅には、直下に記すSくんより、翌6月6日(土)午前10時12分付けで、訃報および8日(月)夕刻の通夜告知のメールが届いておりました。


 名前を出しても問題はないかと思いますので云ってしまうと、今回の件でも築紫氏の妹君から真っ先に電話連絡が行った(泣かれるばかりで会話にならなかったそうですが……)、「假面特攻隊」極初期メンバーのひとり・Sくんは、最近でも2ヶ月に1回は築柴氏と飲んでいたそうで、一番最近は本年09年4月1日に会ったばかりだったとのこと。


 元・上司の方も、5年前にフリーになったそうですが、ここ5年は主に築柴氏と仕事をされていたとのこと。昨08年の築柴氏は、TV特撮『トミカヒーロー レスキューフォース』(08年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090404/p1)のメカの食玩か小玩具かなにかの原型を造られていたとのこと。


 お仕事や精神的な方面での問題はなかったのだろうと思います。お顔もきれいで傷もなにも見当たりませんでしたし。


 筆者個人が務める会社でも派遣社員が全員派遣切りにあったり、地方在住の寄稿者連中や常連通販読者などからの私信を読むと、首切りにあったり会社がヤバくなったりいっそ倒産したり転職がなかなか決まらなかったり失業保険の取得に苦労していたり、携帯電話や電気・ガス料金が払えなくて1ヶ月間切られたり……
 などといった、シャレにならない地方の絶望的な経済状況や個人の苦境を聞かされて気が重くなることも多くて、そんな状況に陥っている方々であればついつい悪い想像をされてしまうかとは思うのですが、もちろんそのような方々には大いに同情しつつも、あらぬ誤解を招かないように不謹慎にもくどい説明をさせていただきました。


 ……しかし故人のお顔を拝する前後こそ、胸に迫ってつらくて悲しいものはない。
 (もちろん1日中泣き続けて、これでもう涙が枯れ果てたかと思ったら、また涙が出てくる……とおっしゃられていたお父さまの悲しみの深さに比肩すべきもないのですが……)


 いずれにしても不出来な友人のひとりではありましたが、彼が安らかに成仏してくれるように手を合わせて、ひたすらにお祈りするのみです。



 当方の左隣りに座られていた初老のおじさんに話しかけてみたところ、
 「今にも輝一くんが『いらっしゃいませ』と云いながら、うしろからビールのお酌に来てくれそうな気がする」
 とおっしゃられておりました。


 そのようなことを彼がよくしてくれていたそうなのです。
 築紫氏のご実家は、お父さまのお寿司屋さんでもあり、そのおじさまは、お父さまのご友人でお店の常連さんなのでもありました。


 しかし失礼を承知で云えば、我々のようなオタク族になってしまうようなタイプの性格の人間は一般に、長じてからはともかく若いころは特に(長じても?)、内心では申し訳ないと思ったり自身の不器用さを呪ったりもしつつも、それ以上に人見知りで感情表現が不得手で、そのような場をあえて避けがちであるのが一般的であるかと思っていたのですが、シャイな築紫氏でも、やはりそれ以上に東京の密な人間関係が残る下町育ちの人間でもあったのかと、意外な一面を見た思いがしたものです。


 また一方で、「おとなしくてやさしい子であった」「子供のころから気持ちのやさしい子で、おばあさんのお見舞いにも頻繁に行ってあげていた」「小さいころに自宅で預かってあげても、○○クンは部屋の中を荒らしたり悪さをしたりするけど、輝一クンは言いつけをすると買い物で留守にしていてもジッとしていて何も悪さをしない本当にスナオな子だった」……
 等々というのが、お通夜の席の同じテーブルでご同席していた、ご親戚かご近所の年配のご婦人がたの会話から聞こえてくる、築柴氏に対する人物評でもありました。


 最後の3つめは当方自身の子供時代のことのようだ、なぞと故人の追悼にとってはよけいなことをついつい口走りたくなってしまいますが(汗)、一応これは次にする話題の前フリでもありまして、そういうタイプの子供がただ単に無心で純真な心持ちであったのかというとそうでもなかったのではないか? と当方は不遜にも愚考、推察いたします。


 まわりの元気がよい、残酷さもふくめてウラオモテがない同世代の子供たちと比べてみて、控えめである自分がこの世の中や人間関係をこれから生き抜いていくことに対して、幼心にも先行きを危ぶんでみたり……
 といったような、自己卑下や世界に対する小さな違和の気持ちが脳裏にはウズ巻いていて、外面の言動と内面の本心が分裂して、内面の方が次第に肥大化していき、それが良くも悪くも肥やしとなって、自分の体を張った一次的な表現よりも、文章や絵や造型などといった二次表現の方で、自分をアピールしたり逆に承認されてみようとするような……。
 もちろんそのような二次表現の場でもまた、ナマ身の対面コミュニーケーションがはじまる場合もあり、時に場数が踏めたりもするのですが
 (もちろん場数が踏めなかったからといって、その人間を軽視・嘲笑すべきではないのは当たり前、当然のことではあります)。


 ……ここで、高校の文学史の授業で習ったような、「内面の肥大化」=「近代的自我の誕生」!
 なぞと正当化してみたかったところなのですが、我々の趣味内容はあまりにもチャイルディッシュでカッコ悪いし、自立して自己決定する「近代的個人」というより、文学の方でいう弱々しい「近代的個人」なので、そこまで美化する気はありませんけれど(汗)。



 とにかく、「おとなしくてやさしい子であった」という人物評は、もちろんご親戚・ご近所の方々は、善意で云われているのは疑うべくもないですし、それはそれでケチのつけようがないところではあります。
 が、以下に述べることは、自分の心情を築紫氏に仮託して投影しているだけだとも思うのですが、やはりそのような人物評だけでも淋しすぎるような気が当方はいたしました。


 よって、彼は早熟にも十代の高校生時代に趣味のサークルを自身が中心になって設立して、主宰者としても積極的に活躍するような知られざる一面もあったのです、こっちとあっちのテーブルに分かれて座っているメンツは築紫氏とは20年前から付き合いがある人間たちなのですよ、と出しゃばりにも周囲の方々にお伝えするなどしてみてあげた次第。
 (サークルの主目的が、いわゆるオタク趣味であることは、空気を読んで(汗)やはり明かしはしなかったのですが……)


 お寿司屋さんのお父さまも、おそらく職業的に江戸っ子気質で世代もタイプも築紫氏とは少しくちがうでしょうから、きっと築柴氏は趣味活動のことをあまりしゃべってはいなくて、ご両親は存じてはいないだろうと推測して、お通夜のお開きのときに、食事の会場の出口とエレベーター前で分担されて参列者のお見送りをしていたご両親それぞれに、彼のサークル主宰活動のことと当方らの20年来の付き合いのことや20代前半のときには頻繁に仲間たちと会っていたこともお伝えしてみた次第。
 ご両者ともに「そうですか。あの子は何もしゃべらなかったから……」と、少なくともご表面に出されるかぎりにおいては何も知らなかったというご様子でしたが。……やっぱりなぁ。


 もちろん本当にまったく何も知らなかったということではなく、ウスウスとは何かをしていることくらいは知っていたろうとは思うのですが。
 あるいは仮に、趣味活動のことを快からず思っていたのならば、あまりよろしからずな当方の言動ではあったと思うのですけれど。


 まぁ死後に、家族や親戚に自身がサークルの主宰として活動するような一面があったことを知られていなかろうとも構わない、趣味内容が趣味内容だし、むしろ積極的にそれはそれでよい……
 と築柴氏が仮に思っていたならば、当方の行為はよけいなお節介であることも重々承知はしているのですが。


 当方も家族は当然自身の活動を知ってはいるけれど、親戚に積極的に知られたいわけではないしな(笑)。



 89年秋から90年夏ごろまでの同人誌のバックナンバー通販購入にともなう、築柴氏との何度かの心躍る新鮮な私信のやりとり。
 90〜91年ごろ、新宿新都庁舎が巨大クレーンで建設中〜完成目前〜完成直後、90年代中盤に高島屋新宿店が出店する前の甲州街道に面した、まだ人通りもまばらであったJR新宿駅南口を待ち合わせ場所に、西口方面のチェーン店居酒屋で呑み食いして、二次会は西新宿の高層ビル1階のマクドナルドで、オズオズとウブながらも会う度に親しくなり会話も楽しく弾んでいったことを、今となっては彼の照れもあるのかワリと常に絶やさなかった笑顔とともに思い出します。
 あの時代もふたむかし前の刻に過ぎ去ってしまいました。


 野次馬根性で当該記事を読まれた方ではあっても、築紫氏のような御仁がおられたことを知っていただき、形式的にではあっても心の中で一瞬だけでもいいので、黙祷なりお祈りしてあげてほしいと、友人のひとりとして思います。


 以上、ご精読くだされた方々に、くれぐれも切にお願い申し上げる次第です。


(了)


『假面特攻隊』初期号表紙

(誌名ロゴ・表紙カットも築柴氏の筆による)




 (『假面特攻隊3号』87年12月27日発行)
 (『假面特攻隊4号』88年03月30日発行)
 (『假面特攻隊5号』88年08月14日発行)
 (『假面特攻隊6号』89年08月13日発行)
 (『假面特攻隊7号』90年03月25日発行)


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(文・T.SATO)


 老舗特撮雑誌『宇宙船』。


 60年代の草創期TVアニメやTV特撮、同時期の怪獣映画や、50年代末期に週刊誌化された少年マンガ誌で産湯を浸かったオタク第1世代(60年前後生まれ)。
 そんな彼らが青年期を迎えた70年代末期に、大量に出現しはじめたのがジャンルのマニア向けムック群だ。


 折りしも、今にして思えば、海の向こうでもジャンル世代が主導権をにぎりつつあったか、映画『未知との遭遇』や『スター・ウォーズ』(共に77年・日本公開78年)が襲来してきて、日本でも大ヒット!
 第1次アニメブームや第3次怪獣ブームに、映画『スーパーマン』や『スタートレック』(共に79年)の舶来もつづく。


 そんな状況下、朝日ソノラマ社が出版していた、アニメ&特撮をあつかった「ファンタスティックコレクション」シリーズ(77年〜)や、同社の月刊マンガ少年別冊『すばらしき特撮映像の世界』(79年6月)の好評を受け、それらを母体に1980年に創刊されたのが、『宇宙船』誌だった。


 筆者個人は当時小学生であったが、あの時代、イケてる系イケてない系のカーストの拡大・分裂はまだ明瞭には起こってはおらず(分化が急速に進むのは80年代前中盤)、よってのちに云うオタク趣味が劣位に置かれることもまだなく、人気作品であれば学級の男女の過半が視聴している、ということがありえた。
 オタク第2世代(70年前後生まれ)以上であれば、特に濃いオタクではなくとも、あの時代のジャンルの急速な変転と勃興と普及の空気を吸っていることと思う(ついでに云えば、ジャンルが急速にダサいものとされていく歴史も見知っていることと思う)。


 で、じゃあ当時、『宇宙船』誌が満を持して華々しく創刊したのだった!
 ……のかといえば、個人的な印象を云わせてもらえば、そんなジャンルの蜜月時代であってさえも、必ずしも華々しかったワケではなく、すでに同系の特撮SF雑誌、日本版『STARLOGスターログ)』誌(78年〜・ツルモトルーム)も登場していて、放映開始直前の『ザ☆ウルトラマン』(79年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971117/p1)がカラー記事ページで数ページにわたって大々的にフィーチャーされたりしていたこともあったし、あまたあるアニメ誌も含んだジャンル誌群中の遅れた1冊、という感じのひっそりとしたスタートであった、という気がする……。
 何よりも当時にして季刊誌であったし(笑)。


 また、コレは当時のメインターゲットの年齢を考えれば仕方のないことではあろうが、当時の『宇宙船』誌は、60年代の日本特撮や、50年代のアメリカ特撮などをあつかうことがメインであり、70年代の日本特撮が大きく取り上げられることはほとんどなく、いわんや当時の現行TV特撮(『ウルトラマン80(エイティ)』(80年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971121/p1)や『仮面ライダー(新)』(79年)に『電子戦隊デンジマン』(80年))がカラーページで大々的に紹介されるということもなかった……。



 などと、『宇宙船』誌の歴史を書いても、表題とはズレるので、はしょるけど(笑)、2005年7月号(Vol.119・ASIN:B0009PLA0U)を以(も)ってして、四半世紀・25年間つづいた『宇宙船』誌もいったん休刊。


 マニアでもインターネット普及以前から、ファンクラブサークルなり物書き同人サークルなりのマニアのムラ世間に所属していたことがある古い人間であればご存じの通り、ゆるやかならばつながりがある業界スジから真偽はともかく、何度か『宇宙船』誌の存続がアブナイというウワサを流れ聞いたことがあったかと思う
 (流言や又聞きの又聞きで伝言ゲーム的な変容もあったにちがいないが・笑)。


 ところがドッコイ、ナンだカンだとなかなか廃刊にはならずに刊行をつづけていく。


 ただし、事態は変わっていく。
 90年代後半以降のフィギュアブームと連動して、特集内容・題材も自由で新旧特撮作品を、ページ数の裁量も融通無碍な機動性の高い編集でフィーチャーすることも多い、『HYPER HOBBY(ハイパーホビー)』(97年・徳間書店ISBN:4197200102)や『フィギュア王』(97年・ワールドフォトプレスISBN:484652096X)などを代表とする一連のホビー誌の勃興。
 『星獣戦隊ギンガマン』や『ウルトラマンガイア』(共に98年)あたりに端を発して、平成『仮面ライダー』シリーズを中心とする本格的なイケメン特撮ブームの招来を迎えて、歴史を持つあらゆるジャンルの宿命ともいえるジャンル自体のインナージャンル、サブジャンルへの細分化の現象ともあいまって、創刊されたあまたの特撮雑誌群。


 ――『電撃特撮通信』(99年・メディアワークスISBN:4840212104)やら『HERO VISION(ヒーローヴィジョン)』(00年・朝日ソノラマISBN:4257130318)に『ウルトラマンAGE(エイジ)』(01年・辰巳出版ISBN:4886415903)や『ニュータイプTHE LIVE(特撮ニュータイプ)』(01年・角川書店ISBN:4047213667)、『東映ヒーローMAX(マックス)』(02年・辰巳出版ISBN:4886417310)や漫画誌特撮エース』(03年・角川書店ASIN:B000HT1XQE)に、そして『ウルトラマンDNA』(04年・小学館ISBN:4091106730
 ……個人的なことを云えば、ここまで出版ラッシュだと出費や収納スペースや読む時間にもキリがないし、批評オタクとしては理論やネタ仕込みにジャンル雑誌だけを読んでいればイイというものでもなかろうから、一部の第1号だけご祝儀で購入してあげる他は、今ではほとんど立ち読みすらもがしてなかったりもするのだが(笑)――


 そんな競合誌が登場してきて、『宇宙船』誌は部数的には長期低減傾向にあって(?)キツかっただろうと予想される。
 (もちろん『宇宙船』誌自身が90年代中盤以降、東宝・円谷よりも東映作品の方が若いマニアに人気があったのに、そのニーズ(需要)をうまく救いとってこなかったことにも一因はある。西暦2000年あたりでもマニア人気があった当時の現行TV特撮『未来戦隊タイムレンジャー』(00年)をカラーページであつかっていない号もあるくらいだ。コレでは最新情報に強い月刊ホビー誌に読者を取られてしまうだろう)


 特に大手資本の角川書店がカラーページ主体、安価が可能な大部数(公称15万部)にて投入した『特撮ニュータイプ』誌が、当初の季刊18日発売から03年に隔月化、05年には『宇宙船』誌と同じ1日発売で、「毎月1日は特撮の日!」と称して都内の電車の中吊り広告――『仮面ライダー響鬼(ヒビキ)』(05年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070106/p1)の明日夢(あすむ)少年をフィーチャー――まで仕掛けて真っ正面からブツけてきたのには……。
 朝日ソノラマ資本力では絶対にできない宣伝だネ。


 もちろん、新興の特撮雑誌のすべてがホクホクだったワケでは毛頭なく、同じ角川系でも角川のお家騒動で角川弟が93年に設立したメディアワークスの『電撃特撮通信』は、まだまだ特撮が売れるとは思われていなかった99年だったゆえにか初期投資も少ないゆえか、第1号からして少部数で1900円という高額な価格設定。
 申し訳ないけど「こりゃ売れないな」と思っていたら、第2号(ISBN:4840214662)でニッチ(すきま)ねらいかスーツアクターのビジュアルを中心にフィーチャー。第3号(ISBN:4840216053)以降はイケメン役者のグラビア誌に徹していくが早々に休刊。


 『ウルトラマンAGE』誌の場合は、休刊の理由が不明だが、最終号の編集後記から察するに、おそらく円谷プロオフィシャルマガジンを名乗った『ウルトラマンDNA』編集部(といっても小学館の社員が作っているワケではなくフリーライター連中が主導)が、小学館に依頼してやんわり圧力をかけてつぶしにかけたんじゃねーの? とゲスの勘ぐりをしているのだけど……。
 真相はいかに(笑)。


 当該の『DNA』誌も、『AGE』誌に比すれば良くも悪くもよりユルいマニア層向けの拡大・取っ付きやすさをねらったためか、誌面もレイアウトデザイン主体のもので……。
 まあそれはそれで商業的には積極的にもよしとしても、天下の大出版社・小学館で作るのだから、地の利を活かして、当時は全学年で数百万部の超絶部数をほこっていた70年代小学館学年誌の伝説のウルトラ記事でも誌面後半で積極的に再録していけば、また別方向の濃いマニア向けの潜在ニーズに多少は訴求して、売り上げも若干なりとも上がったのでは? とも愚考する。


 しかして、第1号でせっかく独占先行掲載ができた『ウルトラマンネクサス』(04年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060308/p1)のビジュアルを巻頭記事にはともかく表紙にすえずに(!)、初代『ウルトラマン』(66年)のよりにもよっていわゆるAタイプ!――映画『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』(06年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070128/p1)でも不評だったAタイプ!――のしわしわマスクの着ぐるみ全身写真を表紙にすえるようなセンスには……。
 80年代ならばともかく、特撮書籍の乱造・飽和の時代の21世紀なのだから、新番組ヒーローを表紙にすえた方がインパクトがあったのにと思うけどなあ。
 『仮面ライダー』であれば初作第1クール目の、後頭部にうなじや黒髪が見えている旧1号ライダーをベストと推すような(笑)、なんだか80年代のジャンルマニア草創期の中二病期で止まったままのような、ベタな第1期ウルトラ至上主義やマニア的には語られ尽くした『怪奇大作戦』(68年・円谷プロ)DVDをプラスアルファも加えずにこの00年代に手アカのついたノリで紹介記事に仕上げちゃうようなセンスが祟ったのか――といってドコかの急進派のようにムリやりにでも第2期ウルトラを狂信的にでも持ち上げろ! とか云う気も毛頭ないが(汗)――、『AGE』誌以上に売れているとはとても思えず、ついには不定期刊行の迷走状態の果てにやはり休刊。
 これじゃ、『AGE』誌をつぶした意味がなかったじゃん。


 雑誌の奥付を見るに、『DNA』誌とフリーの編集スタッフはけっこうカブっていたと記憶する角川書店のマンガ誌『特撮エース』も、発行部数が公称40万部をほこる同社のマンガ誌『ガンダムエース』の目玉『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN(ジ・オリジン)』を形式的にならってか、初代『ウルトラマン』(66年)の忠実なリメイク、若干のブロウアップにすぎない漫画『ウルトラマンTHE FIRST(ザ・ファースト)』(ISBN:4048538276)なぞを目玉連載。
 ……平均的な特撮マニアのドコをどう叩けば、そんなニーズが最優先にあると判断できるのか!?(笑) 絶望的にセンスが古いというかズレているというべきか。
 それこそ今の特撮マニアに訴求するならば、第2期ウルトラ漫画の功労者・内山まもる先生なり、第3期ウルトラ漫画の功労者にして『ウルトラ超伝説』(81〜84年・ISBN:4886531067)の故・居村眞二先生。
 あるいは現今の特撮マニアの消費的多数派で、『特撮エース』や『特撮ニュータイプ』の中心読者とおぼしき10〜20代の若いコのことを真に考慮するならば、彼らが小学生時代に数十万部(最盛期の91年には75万部)をほこったという児童誌『コミックボンボン』にて連載されていた『ウルトラマン超闘士激伝』(92〜97年・ISBN:4835444094ISBN:4835444108ISBN:4063216853)の続編でも持ってくれば、よっぽどサプライズもあっただろうし、売り上げ的にも貢献したろうに。
 ま、このことを云い出せば、『特撮ニュータイプ』で連載されてた藤原カムイの『ウルトラQ』(03年・ISBN:4047135801)のリメイク漫画にも同じ疑問があるのだが。
 ビジネス&マーケティングセンス・ナッシング。


 『特撮エース』創刊の2年後、ウルトラ兄弟やウルトラの国の歴史設定をフィーチャーした、オタク系マンガ誌『月刊マガジンZ』での『ウルトラマンSTORY 0(ストーリーゼロ)』(05年・ISBN:4063492206)の連載や、幼児誌『てれびくん』にて天下の内山まもる御大が登板した『ウルトラマンメビウス外伝 超銀河大戦 戦え!ウルトラ兄弟』(07年・ISBN:4091051189)連載が、マニア間で『ウルトラマンTHE FIRST』をはるかに上回る反響と注目を集めている昨今、その思いは深まるばかりだ。
 やはりとても売れているようには思えなかった『特撮エース』誌も、『宇宙船』休刊の翌年ではあるが06年に休刊。

 
 というワケで、特撮雑誌は一見盛況であるようで半面、淘汰の波にも常に洗われているキビしい状況にあると私見する。
 いや、月刊化もされている創刊10周年を超えた特撮主体のホビー誌2誌のひとり、もといふたり勝ち状態というべきか(それはそれで本末転倒やもしれず複雑な気持ち・笑)。


 ただ、それでも個人的には、イケメン特撮ブームが去ったとき、ビジネスにドライな角川書店の方が、イザ部数が低落したときに『特撮ニュータイプ』誌をアッサリと休刊にして、良くも悪くも商売にルーズな朝日ソノラマの『宇宙船』誌の方がダラダラと最終的には残るかな? と漠然と予想をしていたのだが……。


 予想は物の見事に180度逆の正反対にハズれて、『宇宙船』誌の方が先にご臨終。どころか、2年後の2007年9月には本体の朝日ソノラマ自体が解散になってしまうとは(汗)。



 昨07年8月に発表された通り、関係者の尽力で老舗特撮雑誌『宇宙船』誌は、この08年4月春にホビージャパン社を版元にしてめでたく(?)復刊!


 当初、復刊決定のニュースを聞いたとき、老舗ホビー誌『月刊ホビージャパン』(69年〜)における特撮ライター、ヤマダ・マサミの連載「リング・リンクス(LING LINKS)」(94〜02年)を打ち切ったホビージャパン社が特撮ジャンルを大切にしてくれるのかどうか一抹の不安は残ったものの、同社から発行されるならば、『月刊ホビージャパン』はじめあまたのホビー誌のように、ガレージキットやフィギュアにそれらの全国販売店の広告ページが誌面の多数を占めて、それで広告収入も増えるなら、発行部数が少なめでも『宇宙船』誌の長期的延命にはよいことではなかろうか?
 ホビージャパン社での復刊でよかったね! とも考えた。
 だが……、そうは問屋が卸(おろ)さなかった(笑)。


 復刊された『宇宙船』誌を見たところ、なにか広告ページが増えたワケでは全然なく、誌面構成もレイアウトも今までの『宇宙船』誌とほとんど変わっていない!
 こ、これでイイのかなあ……。こんなんで継続していけるのかなあ。
 00年代の特撮雑誌の栄枯盛衰、ナニが延命してドレが休刊になったのかの、興亡の歴史の原因の分析と反省もふまえるならばなおさらのこと。


 コレでイイ! むしろコレでこそイイ! という『宇宙船』ファンの方もいらっしゃるのだろうが、筆者個人の好みは別として、一度は廃刊になったということは、かつてのあの誌面スタイルや内容が今の特撮マニアの平均多数のニーズとは合致しなくなって、発行部数が減ったがゆえの休刊であったのだ! と判断すべきであるだろう。


 ということは、このままのノリだとまたすぐに廃刊になってしまうような気がするのは筆者だけ?(汗) 
 そもそもアニメ誌を例に取ってみても、若い読者には老舗の『アニメージュ』誌よりも、グラビア・情報主体の『ニュータイプ』誌がここ20年来売れているように、今の10〜20代の若い特撮マニアに『宇宙船』誌へのニーズがあるのか否や。
 自分も今、ローティーンの少年だったら、『宇宙船』誌よりも『特撮ニュータイプ』誌の方が敷居が低くて取っ付きやすくて、そちらを購入しちゃうんじゃないかと思う。まあ筆者の場合、10代後半のヒネくれさがりになってくれば、同世代の特撮マニアとの小賢しい中二病的差別化として『宇宙船』誌に乗り換えるかもしれないけれど(笑)。


 もちろん筆者も世代的には、『宇宙船』誌に思い入れが一応はある。
 また特撮マニアの趣味嗜好の細分化、ジャンル自体の細分化は必然であるとわかりつつ、だから特撮総合雑誌のような存在にニーズが減っているだろうとは思いつつも、それだけでは狭いので、時にインナージャンルを越境・逆流・侵犯するような存在としての特撮総合雑誌は存在した方がよいとも思っている。
 が、その理念はともかくとして、それはたしかに80年代の誌面から大差がないような古典的なスタイルの意匠・レイアウトのままで、歳若い読者に提示すればよいとは思われない。


 だいたい表紙がベテラン・開田裕治画伯で、創刊号から5年間ほどの表紙を飾った功労者の氏を表紙にすえる意図はわかるけど、外宇宙のドコかの惑星で白褐色の二足歩行型ロボットというビジュアルは、科学が重厚長大産業の延長線上でロケットやメカが金属の銀色の輝きを放っていた光景に我々がワクワクロマンを感じていたような時代であるならばともかく、80年代中盤以降のマイクロチップブラックボックスナノテクノロジーな眼で見てわからない(笑)セコセコした科学に前衛が交替して、若いオタク諸氏も外宇宙SF的なものから異世界ファンタジー的なものにワクワクするように変化していって久しい現在においてはどうなのか?


 宣伝文句によると「表紙」は、「特撮ファンなら必ず手にとる豪華仕様」と謳(うた)われているけど、それは筆者のようなオタク第2世代以上のロートルだけじゃないのかなあ。まあ営業的ウリ文句を、当方もマジで受け取っているワケでもないけれど。
 てかパッと見て、特撮雑誌だとは認識してもらえないような……。
 若い特撮マニアはそんな80年代前中盤の歴史は体感してないのだから、それこそ付属の別冊42ページの『宇宙船YEAR BOOK 2008』の表紙のように、フツーに白バックで現行TV特撮2大ヒーローの顔(ライダー&戦隊レッド)のドアップをすえた方が、インパクト面でも若い特撮マニアへのアピール面でもよかったのではなかろうか?


 まあもちろん厳密にはマイナーチェンジ(?)はなされていて、特撮ライターの御大にして、『宇宙船』誌創刊の功労者のひとり、海外オールド特撮専門の聖咲奇(ひじり・さき)先生がいない! とか、中島紳介氏や池田憲章氏がいない! とかのマイナーチェンジはあるし、休刊中にも発行をつづけていた『宇宙船YEAR BOOK』などの奥付の人員の変遷を見るに、80年代には『ウルトラセブン』(67年)欠番12話研究同人誌『スペル星より愛をこめて』(82年)、『被爆星人の逆襲』(85年)などを発行していた特撮評論同人あがりの(といっても筆者も世代的にその時代の特撮同人界を知っているワケではないけれど)編集プロダクション・TARKUS(タルカス)が徐々に侵食していって、今では実質的に大部を占めてしまったという感じ。


 まあ聖センセにしても、休刊前の『宇宙船』誌での連載を見るに、近年隆盛してきたオタク系・映像系の専門学校なりの講師の職を得て、定期収入を確保しているみたいで、そっち方面を心配することもないけれど(汗)。


 脱線になるが筆者個人としては、休刊直前の時期〜休刊中の『宇宙船YEAR BOOK』においてベテラン特撮ライター・中島紳介氏が担当していた「日本特撮の総括」の記事ページをとても興味深く読んでいた。
 いわく、たとえば2003年版YEAR BOOK(実際には02年の総括)では「特撮もののジャンルは崩壊した」とか、2004年版(03年の総括)では「特撮映画はもうない」とか、そのオピニオンに筆者個人は必ずしも同意するワケではないけれど、ジャンルそれ自体をメタ的に大所高所から捉えて、どう見るか? 次はドーなっていくのか? ドーしていくのか? という着眼点&遠方からの視座がある記事は、個人的には刺激的であり触発もされ純粋に面白かった。


 が、まあネット界隈では、コレらの記事の反響を寡聞ながら見た記憶がないので(ネット弱者なので探し方がヘタなのか?)、やはりちょっとした長文の文章記事の類いだと、もう平均的な特撮マニアには読まれていない、ひょっとしたらウチら特撮評論同人界隈のしかも飲み会の席上でしか俎上にあげられていないのかもしれないが(笑)。


 ただ、この『宇宙船YEAR BOOK』の「日本特撮の総括」ページが常に面白かったワケでは毛頭なく、中島紳介氏が担当する前、21世紀初頭までは池田憲章氏が担当されていて、まあ憲章センセが善人であることはよくわかる記事なのだけど、内心は知らないがワリとなんでも好意的にホメていて、しかも地ベタをはいずりまわったディテールチックで感情的な文章で、それもそれでよいのだが、ジャンル自体をメタ的にどうこうという視座はなくて、個人的には物足りない思いを抱いていたものだ。
 聖センセが時折したためていた、「ダメなものをダメと書かずに、ジャンルを守るためと気遣ってお茶をにごした記述をするライターは無責任である!(大意)」という趣旨の発言は――まあこの指摘も一理も二理もあるけれど、極論にすぎてビジネスのことまで考えれば素朴に賛同はできかねるし、あからさまな批判を商業誌に入れたら入れたでトゲトゲしいので、行間に隠して読めば遠まわしにそれとわかる感じで巧妙に上品にやってくれよ、とも思うけど――、おそらく池田憲章センセのことを指している批判なのだろう……とまたも長年、ゲスの勘ぐりをしているところだが(笑)。


 『宇宙船YEAR BOOK』の「日本特撮の総括」ページを、中島紳介氏が担当したのは一昨年2006年の『宇宙船YEAR BOOK 2006』(ISBN:4257130865)までで、昨2007年の『宇宙船YEAR BOOK 2007』(ISBN:4257130962)からはTARKUSが自分たちの経済的取り分を増やすためか(汗)、辻事務所から移籍したとおぼしき(?)やはり80年代特撮批評同人・プロジェクトピンク出身のオタク第1世代の特撮ライター・井上雄史(いのうえ・たけし)氏が担当者に変更。
 まあ井上会長の記事も、しごく穏当な内容だとは思うけど、第1世代の頑固オヤジの役回りを引き受けると公言していた中島紳介氏の、ジャンルそれ自体に対する過激発言を注視して見守っていた我々の周辺では氏の退場を少し残念にも思っている……。



 などというところにこだわっているのは、やはり中年オヤジの年齢に達してしまった筆者の繰り言なのだろう。
 今、『宇宙船』誌が直面している問題はそこにはなくて(笑)、下記のようなことどもだと思う。



 新しい若い読者がなかなか入って来ずに、齢を重ねると同時に読者の平均年齢も同時に比例して上昇していき、ジリ貧化していく雑誌のことを「AGE(エイジ)マガジン」と呼称する。
 学生運動華やかなりしときに隆盛をほこっていた今は亡き『朝日ジャーナル』誌(92年に休刊)なぞはその典型例――その観点から行くと『ウルトラマンAGE』誌なんて縁起の悪い名前なのだけど(汗)――。

 
 筆者個人のことは棚に上げて云うけど(笑)、『宇宙船』誌もそのことには気を付けた方がイイだろう。
 声はデカくても数的には少数であるロートル読者のノスタルジーの要望に応えていると、ハシゴをハズされて前世紀の遺物と成り果ててしまう。
 まあロートル読者連中も、その理想としている時代の『宇宙船』誌が、80年代前半だったり中盤だったり後半だったり、はたまた90年代前半だったりと異なっているようだ。そして、その細部を言語化して突き合わせすることもなく、違ったままであることを自覚せずにフインキだけで野合しているような気もするが。


 ちなみに、筆者個人がその非才も省みずに、仮に『宇宙船』のような特撮雑誌を編集するならば、大方の善良な『宇宙船』読者や特撮マニアの見解・希望とは異なり、その神経を逆撫で(笑)するような編集方針を取る。
 具体的には下記の通り。



・表紙はイケメン役者のドアップにして、巻頭〜前半1/3は、変身前のミーハービジュアルで大判グラビア主体の役者インタビュー。


・中盤1/3が、従来なら巻頭扱いの現行TV特撮のカラー情報ページで、変身後のヒーローや新メカやらの最新情報の紹介や、スーツアクターや仮面キャラの声優諸氏の座談会。


・後半1/3のモノクロページは、従来通りの硬めというか文字主体の記事ページ。あるいはいっそ誌面采配の自由度も高くして、連載企画も随時中止なり1号おきを可能として、長いページを要した新旧特撮作品に関する、ホビー誌のそれに負けない濃ゆい特集記事などを。


・店頭での立ち読みでパラパラめくったときに無意識下にでも印象がよくなるように、もう少しスッキリして統一された、多少はポップでライトでオシャレなレイアウト。
 縦書き右綴じ本なのだから、パラめくりで眼に止まりやすい左ページ左上隅に(右ページにあらず!)キャッチーな大判の写真を極力配置して内容を即座に理解させるとか、本文の活字を小さくしてでも、写真や見出しは大きめすぎるくらいにした方がツカミ的にはイイ!


 ……というのは、同人誌製作用に購入したDTP(デスク・トップ・パブリッシュメント)ソフトの解説書に書いてあったことのウケウリだが(笑)。
 もちろんオタにとっては、オサレ(オシャレ)なサブカル誌ノリもヘイト(憎悪)の対象だったりするので、過剰にオサレに取り澄まさない節度も必要。
 いっそ立ち読みで見開き左右ページがパッと広く開けて、誌面確認の印象の点でも有利な、『特撮ニュータイプ』誌や青年マンガ誌にオッサン向け週刊誌のような背表紙なしの中綴じ本にしてもよいのでは? ペラい紙でめくりやすくして。



 以上……。補足の説明を加えるなら直下の通り。


 前半1/3に関しては、スキなイケメン役者のグラビアやインタビュー・対談記事なぞをファンの必須アイテム的に保有しておきたいという女性読者は、イケメン特撮大ブームが去ったあとでも今後とも一定数はいるだろうし、そのへんにもアピール、ツバはつけておくと。
 ついでに云うなら、可能であれば女性誌にも特撮雑誌の広告をカラーで出稿しておきたいところだが、広告費がジャンル雑誌なぞよりもはるかに高額だろうからムズカしいだろうなあ。


 中盤1/3の仮面キャラの座談会は、00年代前半のある日、珍しく残業せずに早くヒケて、神田は神保町(じんぼうちょう)の古本屋街、オタクの殿堂・書泉ブックマート2階にてスーツ姿で立ち読みしていたら、隣の若いオタク男子が一生懸命立ち読みしている『宇宙船』最新刊の記事は、『爆竜戦隊アバレンジャー』(03年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20031112/p1)のあまたの爆竜(人語をしゃべるメカ獣)たちの声をアテている声優さんたちの座談記事だった! という経験から。そーいう記事を熟読してるのかと。
 いやまあその一回の体験でもって若いマニアの好みを一般化するオレってどーなのよ!? という気もするけれど、本屋で定点観測するヒマ&気力もないので見切り発車の断言(笑)。


 後半1/3。平均的な読者は、かつてのように情報飢餓の時代ではなく、この情報過多の時代にムダに多忙であろうから、商業誌の2〜4ページ以上の文章記事なぞはほとんど読まれてないのではなかろうか? という気がする。本来は活字中毒の筆者でさえ、今では読むのが億劫だ、面倒クサいと思ったりするくらいなのだから(汗)。
 だからモノクロページの特集以外の文字ページの連載記事やコラム1コーナーなどもせいぜいマックス1ページ分。例外でもマックス2ページ分が適当かと(もちろん何事にも特例はあろうが)。


 当然ながら表紙&巻頭で、たとえば70年代マイナー特撮巨大ヒーロー『サンダーマスク』特集なんぞをやっちゃ絶対にダメ! 今の若いマニアにウケるワケがないだろ。特集としてあつかってももちろんイイけれど、表紙や巻頭にするこたぁないよなあ(笑)。
 コレもドコまでホントかは知らないが、『仮面ライダークウガ』(00年)主演のナマ身のオダギリジョーが表紙の号の『宇宙船』誌が売れ行きがよかったとのウワサが当時あったけど、だったらばなおさらのこと!
 野郎じゃなくても、『忍風(にんぷう)戦隊ハリケンジャー』(02年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20021112/p1)のハリケンブル長澤奈央ちゃんを表紙にすえた号とかあったじゃん。アレを毎号やれば、店頭効果でも他誌との差別化面でもイイのでは?
 それともこの手法も今では、ギャラで高額のカネがかかるとか?
 云うまでもなく、80年代後半みたいなオリジナルのゲロゲロモンスターのイラストを表紙にすえて、ドロドロドヨ〜〜ンなフインキも00年代には絶対ダメ!(まぁ将来またそーいう流行がめぐってくるかもしれないが・笑)


 他にも前半のカラーページと後半のモノクロページの断絶感が強いので、カラーの最後とモノクロの頭の境い目をまたがらせて特集記事を配置するとか、いろいろ工夫の余地はあると思うけど、境い目は広告ページになりがちですかね?
 最新号でも、現行07年TV特撮『仮面ライダーキバ』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080225/p1)から田崎竜太カントク、『炎神(えんじん)戦隊ゴーオンジャー』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080824/p1)からメインライター武上純希(たけがみ・じゅんき)、『トミカヒーロー レスキューフォース』から脚本家・川崎ヒロユキに、4月の映画『仮面ライダー電王&キバ』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080810/p1)の監督も務めた今やJAE(ジャパンアクションエンタープライズ)社長の金田治アクション監督インタビューと、必ずしも現今のマニアのニーズのツボはハズしてないのに、誌面上では目立ってないよ。
 モノクロページの先頭に持ってくればイイのに……。小説連載企画なんて読むのメンドウなんだから、モノクロページの最後でイイでしょ。


 とにかく、表面は媚びても、内実・深奥は変わらない、という編集方針は十二分に可能だと私的には思っている。放っておいても定期購入してくれる固定読者は大丈夫なのだから、表紙や巻頭特集なぞはキャッチーにして新規顧客を開拓していった方がイイだろうと個人的には考えている……のだが、失礼ながら現状のままでは、延命はけっこうキビしいのではなかろうか?
 もちろん筆者は廃刊を望んでいるワケでは毛頭なく(笑)、延命していってほしいので、融通無碍、変幻自在、機を見て変に応ずで、柔軟に誌面をその時代ごとに即応しつつ、変化させていってほしいのだが……。


 一方で老舗誌は、保守本流みたいに思われて、煤(すす)けたイメージも付きがちだし、そもそものイメージ戦略面でもハンディがあるしなあ……(80年代の例で云えば、老舗の『PLAYBOY(プレイボーイ)』誌よりも新興の『PENTHOUSE(ペントハウス)』誌の方がカッコいい! みたいな・汗)


 まぁ実際に筆者の提言通りに作ってみて(アリエナイが)、あるいはそれに類するような編集を偶然してみせて、それでも売れなかったり、あるいはいっそ前より売り上げが落ちた場合にはドーなんだ!? という問題もありえますが……。


 外野から無責任に思い付きの改善案をヤジってる分には、ホントに気楽でイイですネ!(笑)


(了)
(08年5月25日(日)書き下ろし)


宇宙船Vol.120 (ホビージャパンMOOK)

宇宙船Vol.120 (ホビージャパンMOOK)

宇宙船Vol.121 (ホビージャパンMOOK)(次号は08年7月1日発売だから季刊。でも1500円。ウ〜ム・汗)


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