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仮面ライダービルド戦争編・総括 〜北都が東都へ武力侵攻をドー観る!?

『仮面ライダービルド』最終回・総括 ~三国志・火星・宇宙・平行宇宙へ拡大する離合集散・二重人格劇!
『仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』 〜ヒーロー大集合映画の教科書がついに降臨か!?
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『仮面ライダー』シリーズ評 〜全記事見出し一覧


仮面ライダービルド』第2クール・戦争編

三つ巴の三国闘争を描く『仮面ライダービルド』。今度は火星へ!?

〜北都が東都へ武力侵攻をドー観る!?〜

(文・T.SATO)
(2018年5月3日脱稿)


 年が明けた2018年1月早々、3つの領土国家に分断された架空世界の日本で、ついに「北都」国が「東都」国に武力侵攻を開始した! CGやデジタル合成の進歩に伴ない、数百数千の兵士と、鉄塔の鉄骨がごとき二脚歩行の中型メカの群れがワラワラと国境を越えて襲来!
 100年前の第1次世界大戦を想起させる最前線とおぼしきヨコ一列に掘った塹壕にこもって銃撃する兵士たちから始まって、壮大なる肉弾戦や乱戦が描かれる。ナマナマしさを減じるためであろう。兵隊たちの顔面はフルフェイスのヘルメットで被われて苦悶の表情などは見せないことで、適度に記号化・様式化されて、そこで倒れた兵士たちは死したのであろうけど、過剰な残酷さは醸してはいない――もちろん充分に悲惨ではあるけれど――。


 そして、「北都」軍は「東都」の首都付近にも侵攻! 町々は崩れたビルの瓦礫に覆われて人々は逃げまどい、親御さんを失ってしまったのであろう幼児が泣き叫んでいる! ……コレはドコの「シリア」であろうか?(汗)


 年明け前の第1クールまでは我らがヒーローでありローカルな事件を局所的に解決してきた「仮面ライダービルド」こと桐生戦兎(きりゅう・せんと)クンとその相棒である2号ライダー「仮面ライダークローズ」こと万丈龍我(ばんじょう・りゅうが)クンは、これらの戦災にまったくの無力とはいわないまでもトータルでは無力である。
 先に公開された映画『仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』(17年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20171229/p1)では仮面ライダービルドと仮面ライダーエグゼイドが大局はさておき「目前の小さな命をついつい救ってしまう」底抜けの善人さ加減をさも「美談」のように扱っていたけど、この「戦争編」ではそのアンチテーゼでもあるかのように、良い意味ではなく悪い意味で云うのだが、せいぜいが「目前の生命を救う」ことができる程度なのだ……。
――同じく物語の舞台を、ユニオン(米・日)・AEU(西欧)・人革連(中・ロ)の「三国抗争」として描くも、この3国の軍事力をも上回るであろう圧倒的な超兵器である巨大ロボ・ガンダムを所有することで第4勢力となった、私的武装組織が衛星軌道上から「戦争根絶」(!)のために地球各地の戦場へと武力介入に乗り出して、ついに地球統一がなった物語の最後でも「武装解除」をすることなく地球政府が暴走した際の「抑止力」(!)として衛星軌道にとどまりつづけた『機動戦士ガンダム00(ダブルオー)』(07年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100920/p1)などと比すると、あまりに無力なヒーローたちである(汗)――


特撮作品も時代の風潮を反映! キナくさい『ビルド』戦争編!


 歌は世に連れ、世は歌に連れ……。流行歌の歌詞にも、たかが子供向けの特撮変身ヒーロー番組にも、好むと好まざるとに関わらず、作り手が意図したモノも意図しなかったモノも含めて、時代の空気、人々のその時代における気分や思想風潮が、一色とはいわずとも、いくつもの色合いで淡く染まってしまうモノのようだ――もちろん染まっているから優れている……なぞと云いたいのでもない。時代に染まらずに人間や社会の「普遍」的な何かを描いたがゆえに古びない作品もあれば、時代に染まりきって突き抜けたがゆえに、後世にその時代を象徴・体現する作品となって残る場合もある――。


 「戦争」のイメージといえば、我々敗戦国・日本の国民にとっては、長らく「イラク戦争」でも「湾岸戦争」でも「ベトナム戦争」でも「朝鮮戦争」でもなく、本土がガチンコの戦場と化したとまでは云えないけれども(沖縄を除く)、空襲には見舞われて主要都市は焦土と化してしまった「太平洋戦争」であった。
 戦後73年。リアルタイムで「太平洋戦争」を銃後も含めて体験した世代は今や極少であるとはいっても、あまたの学校教育・映画・TVドラマ・アニメ・回顧番組などで、「戦場」というよりかは「戦時下の生活」というかたちで、「太平洋戦争」は国民的な歴史の記憶にはなっている――ファッション&スイーツにしか関心がない輩は、教育されてもこのテのことは耳の右から左へと抜けていって残らない人種なので、ココでは考慮外としてください(笑)――。


 1960年代の第1期ウルトラシリーズを信奉する第1世代マニアによる、70年代前半の第2期ウルトラシリーズに対しての過剰な蔑視で埋もれてしまった観のある、往年の『ウルトラマンエース』(72年)の隠れた名作エピソード、#18「鳩を返せ!」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060907/p1)の冒頭では、定期パトロールで市井(しせい)を特殊車両で巡回していた怪獣攻撃チームの隊員たちが、昼下がりの街中で「平和の象徴」とされる「鳩」を見かけて、そこに「平和」を束の間感じてそのことをクチにする。しかし、異次元人ヤプールに地球が襲撃されている今でも世界の各地では戦火が絶えていないことに思いを馳せて、苦渋の面持ちで「平和だ」発言を取り消すという名シーンがあった。とはいえ、そこで連想される戦争の戦場は日本のことではナイ。当時まだ終結していなかったベトナム戦争や中東の地のことであろう。


 しかし2018年現在、日本人にとっての戦争といったら、地球のウラ側の国々を舞台とする戦争のことではない。日本列島の頭上を通過するICBM(大陸間弾道弾)や地下核実験をくりかえした隣国のことである。あるいはかの国と日本とが直接、戦火を交えることはなくても、隣国と超大国が戦端を開くことで、その余波として超大国の一応の同盟国でもある本邦・日本にもミサイルの雨が降ってくることである。


 「北都」による我らが「東都」への侵攻開始に伴ない、「北都」側の圧倒的戦力(の一部の遊撃部隊?)を一応は象徴させる存在として、実は「北都」側にも「仮面ライダー」がいた! という新設定を持ってきて、年末お正月映画のラストでもお披露目されていた3号ライダー「仮面ライダーグリス」へとのちに変身する猿渡一海(さわたり・かずみ)も新登場する! 加えて、80年代ヤンキー不良青年のようなリーゼントの髪型の3バカ不良キャラたちもグリスの子分として登場! 彼らはスマッシュ怪人に変身しても自我を失わなずに、しかも桁違いに強いゲルショッカー怪人、もといハードスマッシュ怪人へと変身! 戦場で大暴れをくりひろげる。


 この危機に際して、新たな変身ベルト・スクラッシュドライバーで、2号ライダー・仮面ライダークローズは、顔面を半透明パーツで覆った仮面ライダークローズチャージへと強化変身して敵を圧倒!――新変身ベルトの音声ガイダンスには、ついにラスボス級の大ベテラン声優・若本則夫(わかもと・のりお)も登板! ドス&コブシの効いた朗々としつつもトボケた感じの低音ボイスを聞かせてくれている。特撮ジャンル作品では映画『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』(10年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20111204/p1)における敵幹部宇宙人・アイアロンなどでも登板していたが、内海賢二が亡き今、ウルトラ一族の宿敵・暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人が復活することがあれば、若本氏に担当してほしいものである――


 しかし、新たな変身ベルトの設計図データが早くも秘かに盗まれていた(!)との設定で、我らが難波重工が製造したモノとまったく同型のベルトを使って変身した黄金色の3号ライダー・仮面ライダーグリスも登場!
 グリスのアクションをスピーディーに演じるのは、平成ライダーの女敵幹部・メズールやヴァルゴ・ゾディアーツ、仮面ライダーメイジなどの女性キャラを演じてきた細身の女形スーツアクター・藤田慧(ふじた・さとし)! このテの番組の常套(じょうとう)で初登場からしばらくの間は(笑)、グリスは我らが仮面ライダービルド&仮面ライダークローズをも圧倒してみせる!――本作においてはご存じの通り、特殊ガスを注入されてもスマッシュ怪人化しない特異体質の持ち主が「仮面ライダー」の資格者ともなっている――


 のちにアダナは「カズミン」(笑)と呼ばれることになる、3号ライダーグリスこと猿渡一美を演じるのは、早くも10年も前の作品となってしまう『仮面ライダーキバ』(08年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080225/p1)においては天才ナンパ師(笑)を演じていた武田航平!――主人公・仮面ライダーキバでもある彼の息子クンは、父親とは正反対な性格の内向的な引きこもりに育ってしまったとゆーのに(爆)――


 「福祉」を重視している国家だとは謳(うた)っていても「ナイ袖は振れない」でビンボー国家による「福祉」なぞはタカが知れているとも思うけど、華美な文化「北都」の出身である以上はもっとマジメで朴訥とした青森県プラウダ高校、もとい北国っぽい東北弁的なキャラかと思いきや……。素手のパンチだけでスマッシュ怪人を倒してみせた(!)あとでオオゲサに痛がってみせたり(笑)、外国のハズである「東都」のネットアイドルでもある本作の黒髪メインヒロイン・美空(みそら)ちゃんのミーハーなファンでもあったりするあたりで(笑)、『キバ』での別役のころとも変わらないキャラのような気もしてくるけれども……。
 大規模農場(?)の御曹司でありながらもお高くとまらずに、困窮を究めていた小作人の3バカ不良たちを私財を投げ売ってまで助けていた苦労人の過去が判明したあたりで、過去作での別役との差別化にも成功しつつ好感度もアップ!


 とはいえ、それが「ねらい」でもあるのだろし、今の時代に「戦争」を描くのならばこーするのが誠意でもあり、またそーしなければツッコミも入るほどに日本人の民度が高くなった証左でもあるだろう。かの隣国をも象徴させている「北都」の国民でもある彼らもまた「鬼畜米英」ではなく「人間」ではあることで憎めない存在となっていく。つまり、「殺ってもイイ悪党」ではないので、「エンタメ活劇」としては敵をやっつける「カタルシス」を構築するのが良くも悪くも困難となってしまい、大状況を俯瞰して「三国」すべてを相対化しつつもイーブン・公平にも描いていく、より高次なる神のごとき視点にも物語は登りつめていくのだ。
――まぁ大むかしの物語作品などはイザ知らず、ここウン十年のNHKの大河ドラマなどでも、東軍(徳川方)vs西軍(豊臣方)、官軍(新政府)vs賊軍(旧幕府)、源氏vs平氏を、善悪ではなくイーブン・是々非々に描くような作劇はけっこうやっているので、『ビルド』が本邦物語作品中でも空前絶後の試みをしているとか、そんな極論・暴論は云いたいワケではないので、念のため(汗)――


 コレらの描写ともパラレルで、本来の主人公である仮面ライダービルド&仮面ライダークローズは、自分たちの生活基盤である「東都」がピンチだとはいえ、その「東都」政府の軍事兵器としての参戦を打診されるや、コレには抵抗を覚えて反発してしまうのもムベなるかな
 しかし、目前の危機に際して、ベルト装着者の好戦性を高めてしまう新変身ベルトを2号ライダー・龍我クンは思わず装着・変身して戦ってしまう! 限度を超えて使用すると自我を失ってバーサーカー(狂戦士)にもなってしまう強化変身パーツを1号ライダー・戦兎クンも多用するようにもなっていく! 緊急避難的には仕方がナイことだし、罪のない善良なる庶民を守るためだとはいえ、結果的には消極的に「戦争に加担」していく皮肉なサマも描かれるようにもなっていくのだ……。


 ここで思う。カミさん・娘が殺されそうになったりレイプされようとしているときに、インドの独立運動家・ガンジー的な「無抵抗・非暴力主義」を採ることは果たして絶対的に正しいことなのであろうか? と。ましてや、「右の頬を打たれたら左の頬を差し出せ」「たとえ何十回裏切られようとも無限に許せ」と説くようなイエス・キリストの説法は、いついかなるときも常に絶対に正しいのであろうか? 叶わずとも負けるとわかっていても戦うべきときもあるのではないのか? と。


 ただまぁ、エンタメ活劇としては、近年の『ウルトラマンオーブ』(16年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20170415/p1)におけるオーブの一形態・サンダーブレスターや、悪の黒いウルトラマンことウルトラマンベリアルの息子である『ウルトラマンジード』(17年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20170819/p1)などとも同じく、ダークヒーローやピカレスク(悪漢)ヒーロー的な「魔性」の力をも借りて、少々の犠牲もやむなしとしてしまう「破壊」や「乱暴」に「暴走」、イキがってワルぶって「オラオラ」的に威嚇・恫喝するような不遜で不良的で暴力的なアクションなどに、不謹慎な背徳感をも伴なう少々のカタルシスを筆者も感じていないワケでもないのだけれども(汗)――我々視聴者の方も決して聖人君子ではないので――。


やむなしだが、殺人を犯してその罪に悩む仮面ライダービルド!


 ついには、戦時下とはいえヒトの命だけは奪いたくなかった戦兎クンのハズなのに、強化パーツで黒い仮面ライダービルドことビルド・ハザードフォームに変身して、長時間戦闘により正気を失ってしまった彼が、3バカのひとりが変身していたスマッシュ怪人を必殺ワザ・ライダーキックで蹴り殺してしまうのだ!!
 そして、正気に返った戦兎クンを、罪悪感と悔恨の念と自己嫌悪によるアイデンティティー崩壊の危機に陥らせてしまうという非常にイジワルでもある作劇が展開されていく……。加えて、戦兎クンを演じる若者向けファッション誌の「ジュノンボーイ」出身の若手役者クンの芝居がまた新人とは思えないほどにウマいものだから、真に迫る迫る……。
 たとえスマッシュ怪人化していたとはいえ、その正体は人間であった存在を殺めてしまった現場に出向いて花束を手向けて合掌するシーンは、コレまた『ウルトラマンレオ』(74年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090405/p1)#15ラストにて通り魔宇宙人により無名隊員が犠牲となった多摩川のほとりでモロボシダン隊長が献花する名シーンを腐れオタとしてはつい想起もしてしまうけど、人格崩壊してしまいそうなまでに落胆している戦兎クンを演じる若手役者さんの力演には思わずコチラも泣けてくる……。


 と同時に、不謹慎にも手のヒラの上で世界中のあまたの人物の物語を転がせてみせる神さまの視点に立って、本作の今後の展開はいかんともしがたく解(ほど)けがたい憎しみ・誤解の延々なる連鎖・復讐合戦にもなっていってほしい! それこそが人の世の真実・実相だ! ……なぞとも思ってしまったり(汗)――往時の「ガンダム」オタクたちは酷評したけど、筆者個人は(初作は除く)本家富野「ガンダム」シリーズ以上にその作劇を高く評価していた(どうぞ罵倒してください・笑)21世紀初頭の『機動戦士ガンダムSEED(シード)』(02年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060324/p1)シリーズ中盤におけるストーリー展開などのように――。


 しかし、すっかり腑抜けてしまった戦兎クンを、同じく偶然その場に献花に出向いた3号ライダー・一美ことカズミンが目撃してしまう。そして、その行為だけで戦兎クンを赦(ゆる)きったワケでは決してないけど、カズミンは敵である戦兎クンの立場&人格にも少々の理解の端緒を示すようにもなっていく……。敵側の登場人物も味方側の登場人物もともに高所・大局から見て今の自分個人の立場をもローカルなものに過ぎないとも相対視ができる近代的・ポストモダン的な視座を持つ心境・境地にも近づいていくクレバーな展開ともなっていく……。


 そして、第1クールではあんなに飄々としていた性格よさげな兄ちゃん主人公が記憶喪失の身だとはいえ、そもそも前身は青年マッドサイエンティストであり、彼自身がある意味では大ショッカーの首領もといスマッシュ怪人の産みの親であり、引いては今の「三国」の戦争状況をもたらした元凶かもしれない!? という「原罪」を背負わせてしまうという、あまりにドラマチックかつ実にイジワルでもある作劇も同時に展開されていく。
 正直、平成ライダーシリーズも20年近くの歴史があることから、『仮面ライダーアギト』(01年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20011108/p1)や『仮面ライダーディケイド』(09年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090308/p1)でも記憶喪失の主人公は登場してはいた。とはいえ、10年近くのインターバルをおいていれば「またかヨ!」という気持ちにはならないし(笑)、それで面白くなるのならばオッケー!
 どころか、自身の記憶喪失をさして悩むことなく、生来のユルい性格ゆえか実に前向き(笑)であった『アギト』や『ディケイド』とは異なり、本作においてはその悪魔の科学者ぶりの出自が明らかになるや、マジメな主人公クンは大いに悩みまくるワケであり、差別化もバッチリではある――腐れオタとしては、同様に前身が青年マッドサイエンティストであったことに苦悩した記憶喪失の青年が主人公であった昨17年の巨大ロボットアニメの良作『ID−0(アイディー・ゼロ)』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190924/p1)なども連想。ただし、その作品のクオリティはともかくこんなドマイナーな話題にもならなかった深夜アニメを、超多忙であろう本作のスタッフが鑑賞していたということはアリエナイであろうから、映画の神さまのイタズラ・単なる偶然なのだろう――。


群雄割拠の戦国時代ばりの離合集散・権謀術数! 国際社会の風刺!


 イロイロあって「東都」と「北都」との戦争を、「東都」と「北都」の仮面ライダー同士の1vs1の対決によって「決着」を付けようとするストーリー展開などは、「地球がリングだ!」で世界各国のガンダムが4年に1度バトルロイヤルして、勝者の国家は国際政治の盟主(笑)となれる異色作『機動武闘伝Gガンダム』(94年)並みに漫画的で非リアルなモノではある――もちろん「仮面ライダー」を看板に据える作品として、子供にも理解しやすいバトルの構図としては「仮面ライダー」vs「仮面ライダー」のビジュアルを持ってくるのも正しい――。
 しかし、「北都」側は仮に負けたとしても、その取決めを遵守する気は毛頭なく、すでに軍隊を「東都」に向けて進軍中である! というあたりは……コレまた良くも悪くも、倫理的な是非はともかく実に政治軍事的にはリアルではあった(爆)。


 で、ココからは現在のキナくさい世相に対する風刺色も込めていたであろう、ハッキリ云って「北朝鮮」を想起・揶揄している一面もあった「北都」が急遽壊滅! 仮面ライダーもどきの赤いダークヒーロー・スタークの策士ぶりにしてヤラれて、全軍が出撃した空隙(くうげき)をねらって「西都」の軍隊が「北都」を制圧してしまう!!


 日本や古代中国の「戦国時代」でも、隣国を攻撃するや背面の国が好機と見て攻めてくる「国盗(くにと)り合戦」は世の習いではあり、そーいうイミでもリアルではある。
 一部の偏向した学者(笑)によって近年ではその実在を疑問視されてしまっている聖徳太子が遣隋使に託して、「隋」の煬帝(ようだい)を激怒させたという「日出ずるところの天子、日没するところの天子に捧ぐ」という文言も、朝鮮半島北部にあった「高句麗」と抗争中でもある「隋」は「日本」に軍事侵攻することはできないし、「隋」としても「日本」と「高句麗」が同盟して二面攻撃してきても困るであろうという歴史的・戦略的タイミングも見据えた、聖徳太子による高度な政治計算に基づいた、戦争に陥る危険はあれどもギリギリでそれを回避しつつ、「隋」の属国ではないところの「日本」の自主独立を訴えたモノでもあったという説もあるのだけれども、さもありなん。


 大変残念ながらも、日本国憲法の前文にある「平和を愛する諸国民」とは程遠い、500年後や1000年後ならばイザ知らず、教科書にも出てきたホッブスが云う「万人の万人に対する闘争」状態にある人類の「幼年期」の段階にいまだに留まっているのが、我らが実に愚かしい地球人類という存在でもある。
 ここ70年ほどは東西や南北間の内戦を除けば「国盗り合戦」はほぼなくなって、イラクがクェートを盗ったときでも国際社会が一丸となって失地を回復させたモノだけど(湾岸戦争)、先年はついにロシアが禁忌を破ってクリミア半島を併合!(爆)


 既存の権威・秩序・法律・習慣を何とはなしに守ろう、尊重しようという機運・空気が弱まって、戦国大名第1号の北条早雲(ほうじょう・そううん)が伊豆を盗ったり、古代中国の「周」が地方の諸侯「鄭公」の征伐に失敗して、諸侯同士が領地を掠め盗りあっても中央政府による実力行使も伴なったお咎めもナシになったりすると、途端にタガが外れて「戦国時代」が招来してしまったりもするモノなのである。
 一度タガが外れてしまうと、アメリカが良くも悪くも世界の警察から撤退しつつある現在、中国による尖閣南沙諸島・台湾などを併合する気配などからも、そーはなってほしくはないのだけれども、今後の世界の歴史はまたまた「国盗り合戦」の「戦国時代」に先祖返りしていくのではないかとも悪寒する(汗)。実に嘆かわしいけれど。


 在日米軍基地があるからその地がねらわれるのだ! というのは半面の事実ではあるけれど、フィリピンのように90年代初頭に米軍基地が撤退するや、途端に対岸の南沙諸島岩礁を中国が掠め盗ってしまって、ついには滑走路まで造ってしまったりするのもまた半面の事実であったりもする……。進むも地獄、退くも地獄。地獄しかこの世には選択肢がナイのであろうか?(汗) 国際司法裁判所で敗訴しても罰則などはナイのだし、中国自身も判決は「紙クズ」だとも云っている。50年後か100年後には我らがヘタレ国家・日本も、台湾ともども中国の一省に落ちぶれて、日本人も中国語を喋っているのではなかろうか?(笑)


 アニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』(06年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20081005/p1)では大英帝国に占領されて爆弾テロで抵抗している日本人を描いていた。しかし、イラクやアフガンなどとは異なり、良くも悪くも「ギブ・ミー・チョコレート」な、世界でもマレに見る卑屈な国民性を持つ我らが日本人(汗)は、そのムラ世間的な空気を読みすぎて他人に合わせすぎる長いモノには巻かれろのメンタリティが裏目に出てしまって、チャイナタウンやコリアンタウンを数世代を経ても継続ができているナショナリスティックな中韓などとは異なり、映画『日本沈没』(73年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060716/p1)ラストで世界中に逃散した日本人なども同様なのだけど、数世代が経つと子供や孫の世代は現地の文化や社会に過剰適応して、日本文化も日本語も消失してしまうであろうと推測する。
 世評とは異なり、良くも悪くも世界でもっともナショナリズムが弱い国が我が日本であり、戦前の日本を数倍上回るナショナリズムが勃興してしまっているのが今の中韓であるというのが筆者の私的な見解である。……エッ、ネトウヨの勃興? 田母神サンや在特会の桜井が都知事選に出馬しても泡沫候補で、舛添さんや小池さんに惨敗していて、あげくの果てに逮捕されてるし。中韓に対する品性下劣なロジックも礼節もないヘイトスピーチを筆者個人はまったく容認しないけど、動画で見ると100人前後しか動員できていないソレ(笑)と、中国50都市以上で各々数千・数万人規模での略奪・破壊・放火行為を行なった反日デモと比して、ドッチもドッチと喧嘩両成敗で公平を気取っている輩もなぁ。ヘイトでも同情でもなく、もっとフラット・計量的に物事の大小を見ようヨ〜――ただし、安易に移民を入れた暁には、日本でもネット上ではなくリアル世界で極右が勃興するとは思う(汗)――。


各国内の下克上! 権力闘争&宮廷陰謀劇の下で戦うライダー!


 今度は「北都」を制圧した「西都」が、「東都」に対して宣戦布告! 「西都」の軍隊が進軍してくる。
 技術&経済&競争を信奉するらしき、しかして貧富の格差も拡大したのか人倫の退廃により治安も悪くて監視カメラだらけの「西都」を代表する、濃ゆい紫色の4号ライダー・仮面ライダーローグが新たに登場!
 加えて、先の年末お正月映画『仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイド withレジェンドライダー』でのゲスト悪役・大槻ゲンヂ(笑)が変身していた歯車がモチーフであるダークヒーローに装着者を変身させることができるカイザー・システムを秘かに盗んで継承していたというワクワクさせる設定で、塗装を変えたレフトカイザー&ライトカイザー、そして両者の合体形態であるバイカイザーまでもが名前を変えて登場する!


 加えて、4号ライダーの正体は……、「東都」首相の子息で、諜報機関ファウストの所長として人体実験によりスマッシュ怪人を産み出して、自身も仮面ライダーキバもどきのコウモリ型の黒いダークヒーロー・ナイトローグに変身して度々戦場に出張ってきて、首相が病に倒れたあとは首相代理に登りつめるも、権力闘争に敗れて亡命の憂き目にあっていたダンディーなヒゲ面の貴公子壮年・氷室幻徳! ファウスト時代の秘書であり、幻徳を裏切って「西都」に先に付いていた長身クールなメガネ青年との再会や角逐なども勃発する。
 並行して、今回の戦争のまさに当事者でもあるハズの「西都」首相の暗殺までもが描かれて、赤いダークヒーロー・ブラッドスタークの超常能力によりその顔面を「西都」首相に変えてみせた難波重工の老会長によって、「西都」が乗っ取られてしまう政権交代劇までもが描かれる!


 戦争状況と並行して、大河ドラマや海外歴史ドラマのような宮廷内紛劇・宮廷陰謀劇などの東西両陣営の権力闘争までもが描かれて……。人間とはホントにしょーもない、業(ごう)も深い存在だよなぁと思いつつも、筆者も結局は人間が下世話にできているので、ワイドショー・週刊誌の覗き見趣味的なゴシップ・醜聞劇としてはコレほど面白いものはナイ(爆)。


 故郷の「北都」が「西都」に制圧されて帰る場所がなくなってしまった3号ライダー・グリスことカズミンも、状況的にナシ崩しでビルドこと戦兎クンとクローズこと龍我クンの「仲間」のような存在になって共闘を果たすようにもなっていく。


 それに引き換え、たとえ首相個人が知らなかったとしても、第1クールで「東都」政府は秘密組織ファウスト機関も抱えていたから決して無罪とはいえず後ろ暗いところもあるけれど、「北都」や「西都」と比すれば相対的にはお坊ちゃまではあった平和主義を掲げる「東都」政府の脆弱ぶり。
 大急ぎで氷室首相老人が付け焼き刃で、本作のキーアイテムでもある火星の超古代遺跡の遺物・パンドラボックスを武力として利用することをチラつかせて外交・和平交渉をしようとするも、かのトランプ大統領などとは異なり(笑)、そのおおよそ武力行使などをしそうもナイ善人の人柄では「抑止力など発生しない!」と交渉相手に嘲笑されて、和解や停戦どころか相手からの多少の譲歩すらもが引き出せない始末で終わってしまうのだ(汗)。


 まぁたしかにコレも良くも悪くも「抑止力」とはそーいうモノではある。もちろん「抑止力」という概念自体を認めない! というウルトラ絶対平和主義者たちの議論も知ってはいるけどスイマセン。筆者はあくまでも「必要悪」としてではあるけれど、全人類が天使ではナイ以上は、乱用ではなく厳正なる手続き・ルール・法律に基づいた上ではあるけれど、法律・警察・刑務所などの存在は必要なのであり、その延長線上には罰則なり拘束なり死刑なり軍事力なり抑止力が存在することを、消極的には仕方がナイものとして認める者ではあります――この一連に特撮変身モノなどの戦闘ヒーローをも含めます(笑)――。


 もちろん我らが「東都」の弱腰ぶりは、作劇的には「抑揚・メリハリあふれるストーリー展開のため」であって、そこには我らが敗戦国・日本の良くも悪くも情けない体たらくを積極的に風刺・批判をしてみせよう! といったような主張はおそらく良くも悪くもナイのだろう。
 もしも「積極的に(日本も)敵は討つべし!」といった主張が本作に込められているのだとしたら……、「東都」の仮面ライダーであるビルドやクローズが、「北都」や「西都」にまでヘタに出陣してしまったならば、「専守防衛」の域を越えて侵略になってしまうので、政治的に考えたら動けない! と元ヤンキーで筋肉バカの2号ライダークローズ・龍我クンなどはともかく、IQ600(?)の天才物理学者でもある1号ライダービルド・戦兎クンが政治的・軍事的な影響・効果までをも見据えて自制・抑制してみせるストーリー展開やその旨のセリフの存在などもアリエナイことになるからだ。


 エッ、政府・自民党もこの慎重さを見習うべきだって? いやいやいや。我が専守防衛の国・日本は、いかに防衛予算が増えようとも、敵国で爆弾投下できる爆撃機も敵地に届くミサイルも持つことすらできない軍隊なので、イザとなっても敵国本土への反撃さえできずに座して死を待つだけだから、そのへんの懸念は杞憂ですヨ(笑)。
 ついでに云うと、真珠湾アメリカに謝罪したり慰安婦合意したり「河野談話」と大差ない「安倍談話」を発表したり、国粋主義とは程遠い売国的なTPP加盟、放送の独占ならぬ自由化、移民緩和政策を推し進めて、そもそも第1次内閣成立直後には恒例の「アメリカ詣(もう)で」ではなく真っ先に「中国詣で」をしてみせた保守政権とも云いがたい史上最高のヘタレ内閣・安倍ちゃんや、それを保守の星だと持ち上げる保守陣営、それを極右だと罵る左翼陣営という、このデタラメな日本の左右の思想状況には三重のイミで筆者は絶望しております(笑)。


 いやまぁたしかに、かつての日本が――厳密には「国家」や「参謀本部」にはその気がなかったのに、それを無視して勝手に暴走した現地の「関東軍(中国東北方面軍)」が――、ヘタを打って中国に対して侵略性のある行動を起こしたことは事実であり、そこに対する反省や謝罪や恥じらいの気持ちは持たなくてはイケナイのだ――しかし、だからといって、土下座して未来永劫・子々孫々、ことあるごとに乞食や奴隷や犯罪者のようにあつかわれて小さく卑屈になって生きる云われまではナイとも思うが――。
 大航海時代以来の数百年にわたる植民地争奪戦――最終的には19世紀〜20世紀前半のいわゆる帝国主義の時代にまで至る――、欧米列強によるアジア・アフリカに対する人的・経済的搾取・収奪の果ての世界史のほぼ必然的な人的運動として、大変残念ながらも白人vs有色人種国家――日本でなければドコかのアジアの国家――の世界大戦規模での衝突はいずれは発生したのだろうと、一介のオタにすぎない卑小な筆者ではあるけれども、世界史レベルで鳥瞰すればそのようにも私見する。


 たいていの事物の原因はひとつには限定されない。膨大に因子があって、アミダくじやクモの巣のような無数にある糸の結節点として現在があったり、戦争が起きたりもするのだ。ゆえに、太平洋戦争の原因を世界史の流れに求めずに、ひたすら日本の国内政治だけに求めたり、いわんや「統帥権の干犯」や「天皇機関説」などに求めて事足れりとしている内向きな議論は、戦争とは自国だけでなく相手国側の意志や計算や決意もあってするものだという片側の面を見ていない、個人的には「知識はあっても知恵はない」、重箱の隅だけに固執していく愚者の思索だとも思う。
 とはいえ、だからといって、日本が「正義」であったとか「神の国」(笑)であったと云いたいのではないことはくれぐれも念のため。同様に、イラク戦争湾岸戦争ベトナム戦争朝鮮戦争における「アメリカの侵略性」――それ以前にも、西部・中米・ハワイ・グワム・フィリピンを盗ってきた――を糾弾してきたような陣営による、太平洋戦争時点におけるアメリカだけは絶対正義であった……なぞというダブル・スタンダードを唱えてテンとして恥じないような論法には疑義を唱えていきたい。
 しょせんは紙切れ1枚だとしても、すでに20世紀初頭の1907年の第2回万国平和会議で採択されて1910年に発効した国際法規「ハーグ陸戦条約」にあの時代でも各国は批准していたのだから、その法的論理で戦地における軍人のみならず民間人をも殺傷する「空襲」や「原爆投下」を「仕方がなかった」「戦争とはそーいうモノである」では済まさずに、当時においてもすでに「戦争犯罪」「戦時国際法違反」であったのだ! と批判をしてみせる論理を世界的にも構築・醸成していくことで、未来に世界各地で起きうる惨劇をも先回りして極力減らすべきなのだ!


 ……書いていて恥ずかしくなってきた(汗)。学校や職場のスミっこでひとりショボ〜ンと生きてきた、自分ひとりのことさえも面倒を見きれない一介のコミュニケーション弱者であるキモオタごときが、エラそうに天下国家を大言壮語してもイケマセンね。


和平交渉下でも政治的判断で戦ったライダー! 最後の敵は火星人!?


 本作におけるミクロな手ざわり・肌ざわりの次元に立ち返ろう。サブヒロインの紗羽(さわ)ちゃんは第1クールで敵側が正義側へ遣わしたスパイであったことが判明し、改心するドラマも描かれてきた。しかし、実は幼少時からの洗脳が解けておらず、まだ難波重工チルドレンのスパイであったのか!? と思わせるストーリー展開が浮上する! しかし、かなりズルいといえばズルい、子供向け番組らしからぬ作劇なのだけど(汗)、二重スパイな頭脳戦による権謀術数で主人公側に勝機を与えて、仮面ライダービルドが仮面ライダーローグに、ひいては「東都」が「西都」に勝利していく一連までもが描かれる!――しかし、この「東都」の勝利は情報操作で対外的には「西都」の勝利とされてしまい、その後も「東都」は「西都」による侵略で蹂躙されっぱなしではあるけれど(爆)――


 この過程で、平和主義者であったハズの「東都」首相は絶対平和主義的にではなく現実主義的に、「東都からの侵略だ!」との言質(げんち)を敵側に与えてしまう可能性があっても、政治的には灰色でイキな命令を与えることによって、2号ライダークローズ&3号ライダーグリスに1号ライダービルドのサポートのための自由行動を許してみせる!
 よくTVドラマなどや言論人なども、「無能な上層部」と「有能な現場」というステロタイプな「階級闘争図式」を主張することがあるものだ。しかし、もしも「現場が絶対正義」であったならば、戦術・ミクロな局面では現地のことがよく判ってはいても戦略・マクロな大局眼などはない「関東軍」などの軍隊が現地で暴走してしまうことのブレーキも効かなくなるワケで、「現場の方が常に正義である」という見方には個人的には疑問を覚える。
 よって、近代的な軍事行動においては、基本的には現場での融通無碍にすぎる行動は「関東軍」のような独断専行を誘発する危険があるために御法度ではある。しかし、とはいえそれもまた官僚主義的に硬直した運用になって、戦争における惨禍を拡大してしまう局面があるのであれば本末転倒になってしまう以上は、そして「東都」首相やビルドこと戦兎クンらにモラル・倫理・節度・抑制心もある以上は、今回は条件付きで超法規的に許容されてしかるべきなケースであったと個人的には考えたい。
 太平洋戦争の終結後であるのにも関わらずソ連が千島列島を南下してきて軍事侵攻してきた際に、占守島(しゅむしゅとう)で武装解除中の旧陸軍が上層部にお伺いせずに臨機応変に判断の上で戦闘を開始して、その南下を喰い止めてみせたようなモノである――コレがなければ、北海道や東北地方はソ連の領土となり、日本も南北の分断国家となっていた――。
 コレらとチト異なりはするけれども、「絶対平和主義」をかかげる気高い金髪メインヒロイン少女が元首を務める国家を、ガンダム乗りたちが秘かに「汚れ仕事」として国境周辺での他国からの軍事侵攻を「武力」で抑えている矛盾をも描いてみせていた(汗)、往年の『新機動戦記ガンダムW(ウイング)』(95年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19990805/p1)中盤なども思い出してみたり――この力なき「絶対平和主義国家」は、劇中ではガンダム乗りたちの尽力にも関わらず滅ぼされてしまうのだけど(爆)。極真空手大山倍達(おおやま・ますたつ)や哲学者のパスカルも、「力なき正義は無力なり」と云っている(だたし同時に「正義なき力は暴力である」とも云っているけれど)――。


 紀元前の漢の宣帝も「王道」と「覇道」の両立を「王道」の実現だけにハマっている息子に唱えていたが、実父たる「東都」首相も亡き今、正義に目覚めた壮年御曹司こと4号ライダーローグは「正義」と「力」の関係をどう捉えて、「東都」をドコへと導くか!?


 いわゆる正義側の後見人、昭和ライダーの「おやっさん」のポジションであったメインヒロインのお父ちゃんでもある喫茶店のナンパなマスターの正体が、赤いダークヒーロー・スタークであると判明した第1クール終盤には驚いた。しかし、でもやっぱり彼はイイ人なのでは? ビルド&クローズを強化するための特訓として偽悪的に悪人を演じていたのでは? と予想をしていたのだけど……。
 その行為自体がまた、「火星の超古代文明をも滅ぼした、来たるべき『大破局』『大災害』の再来をもたらすためだった!」と明かされて、予測がハズれたことによって筆者個人の予想遊びも終了(笑)。しかし、マスターとスタークが同一人物であるのに変身前と変身後とで声が異なる理由を単なる「正体隠し」だけにとどめない、作り手側としては後付けの可能性も高いだろうけど、マスターの娘さんでもあるメインヒロインにも超古代の火星人の霊(!)が憑依していて、異なる声音でしゃべりだす描写までもが登場することによって別次元での設定的な「統一性」は出していくという、またまた予想の斜め上を行ってみせている!!


 そして、オタ向け深夜アニメに出てくるヒロインのような、キャピキャピしすぎない範疇での少々アンニュイ(倦怠)な可愛さというあたりのサジ加減が実に絶妙で(笑)、長袖やロングスカートなどで素肌も隠すことによってオトナしめで保守的なイメージもあって、我々弱者男子でも懐柔可能なようにも一瞬だけ錯覚(汗)させてもくれる黒髪ショートのメインヒロイン・美空ちゃん。
 失礼ながら最初はルックス目当てだけの演技力がないキャスティングであろうかと見ていたけれども……。その正体は赤いダークヒーロー・スタークでもある実父こと行方不明となっていたマスターと再会できた折には、表層はいつもの日常会話でありつつも内心では異常を察知している「涙目」と「震え声」での演技などで、彼女には第2クール以降は幾度となく泣かされてきたことか……。筆者も動画配信サイトで愛くるしいブリっ子アイドルを演じている「ミーちゃん」にならば、いくらでも課金をしちゃうゾ!(笑)


 そんなミーちゃんの両瞳が緑色に光り出して、高貴な少女の声にて周囲の人々に語り掛けるようになっていく。
 その声の正体は……。深夜アニメ『一週間フレンズ。』(14年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20201011/p1)・巨大ロボットアニメ『アルドノア・ゼロ』(14年)などでも、お上品で柔らかくて可愛らしいボイスのメインヒロインを演じてきたアイドル声優雨宮天(あまみや・そら)ちゃん! もとい、火星の王妃・ベルナージュさま!――そーいえば、彼女は『アルドノア・ゼロ』でも火星の王女さまだった―― まぁ彼女の地(じ)は、ライトノベル原作の深夜アニメ『この素晴らしい世界に祝福を!』(16年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210912/p1)のメインヒロインである「駄目(女)神」ことおバカなアクアさまに近いようだけど(笑)。


 マスターとミーちゃんは単に火星人(?)の霊の憑依だったけど、2号ライダークローズこと龍我クンの正体に至っては、肉体・DNA的にも太古の火星人との混血だっただと!? ドーなっていってしまうのでしょうか? この『ビルド』という作品は……。


 火星というと、1950年代のアシモフやクラークなどのハイブロウな古典SFよりもむかしの、西部劇を火星&光線銃に置き換えただけの通俗パルプSFであったり、あるいは21世紀初頭に火星に移住した地球人たちが超古代の火星人たちの霊に苛まれる古典SF『火星年代記』(1950年)や、それらに影響を受けたとおぼしき火星の荒野を舞台に超古代の火星の機械獣(!?)たちと戦う巨大ロボット漫画『マジンガーZ』(72年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200119/p1)のリメイクにして『週刊ヤングジャンプ』に連載されていた『マジンサーガ』(90〜92年)などもロートルオタクとしては想起をしてしまったり。


 しかし、三国抗争の次なる敵はタコ型火星人であったとは!?(違う) コレはSFの元祖、H.G.ウェルズ『宇宙戦争』(1898年)へのオマージュなのであろうか!?(多分違う) ワクワク! ぜひともラジオドラマ化して、全米に火星人が襲来してくるのだと誤解させて、パニックを惹起してほしいモノである!(笑)


追伸


 本作においては、「北都」は社会主義国家、「西都」は資本主義国家、「東都」は平和主義国家をもちろん措定しているのであろうが、筆者個人はこれらの3国のいずれの政治体制にも共感はしない。筆者が理想とするのは、礼節のある徳義国家・道義国家・道徳国家・人文国家である(ホントかよ!?・笑)。といっても、汚職はナイかもだけど、王さまではなく聖職者が支配するようなイランみたいな宗教国家でもナイですよ(爆)。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2018年GW号』(18年5月4日発行)所収『仮面ライダービルド』戦争編・合評1より抜粋)


『假面特攻隊2018年GW号』「仮面ライダービルド」戦争編関係記事の縮小コピー収録一覧
伊勢新聞 2017年12月4日(月) 「わくわくインタビュー」俳優の犬飼貴丈さん 思い出いっぱいつくって
北国新聞 2017年12月17日(日) 「わくわくインタビュー」俳優の犬飼貴丈さん 思い出いっぱいつくって(直上記事の短縮版)
・日刊スポーツ 2017年12月30日(土) 仮面ライダー6年ぶりコンビ 渡部秀三浦涼介
中日新聞 2018年1月16日(火) 「将来は学者」1位 仮面ライダー影響!?
東京新聞 2018年1月11日(木) 「学者になりたい」 ライダーが影響?(直上記事と同一内容)
・デイリースポーツ 2017年12月25日(月) 藤岡弘、日本は武士道で世界を救う
福島民報 2017年8月25日(金) 今作主人公は天才物理学者 仮面ライダービルド


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仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』 〜ヒーロー大集合映画の教科書がついに降臨か!?

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[関連記事] ~ライダーシリーズ総括

 (ライダー各作品の「終了評」の末尾に、関東・中部・関西の平均視聴率を加筆!)

仮面ライダークウガ』前半・総括 ~怪獣から怪人の時代来るか再び

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仮面ライダークウガ』最終回・総括 ~終了賛否合評

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仮面ライダー龍騎』最終回 ~終了賛否合評1

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『東京23区 区立歴史博物館・資料館 完全ガイド(新装版)』刊行! 〜23区すべての「分館」「分室」「古民家」「復元家屋」まで完全網羅!

同人誌即売会・参加告知 〜全記事見出し一覧
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#博物館 #歴史館 #資料館 #記念館 #郷土資料館 #歴史博物館 #歴史資料館 #古民家

最新・同人誌即売会での委託販売状況は、以下のリンク先を要参照のこと!

同人誌即売会・参加告知 〜全記事見出し一覧


2020年3月1日(日)、とりろじ19

東京文具共和会館(浅草橋)3階・ALL-01出店!

(各階の入口にアルコール除菌。ブラインドは落とすも窓は開けて換気(当日は温暖な気候)。しかし、問屋街で食に苦労する場のためか、いつもは会場内2階に併設されていたケータリング(食事配膳業者)による簡易食堂が、さすがに今回は中止になっていました)
#とりろじ #とりろじA #とりろじ19 #即売会

2020年3月8日(日)、サンシャインクリエイション2020 Spring(開催自体が中止になりました・汗)

池袋サンシャインシティ・ワールドインポートマート4階A23ホール・M-28a出店!

(開催4日前の3/4(水)朝にコロナウイルス騒動で開催自体の中止が決定! 消毒液・マスク・救護支援の準備もしていたそうナ。過去の表現規制問題とはまったく異なり、場を守ることで場を失いかねない逆説的な事態、および感染者の来場が判明した場合に今後の開催が難しくなり、将来の継続にリスクとなるとの判断だとのこと。あくまでひとつの判断に過ぎず、公共性を盾に一律の判断を迫ることは正しくなく、各団体ごとの意向を尊重するとも……)
#サンクリ #サンシャインクリエイション #即売会

2020年4月5日(日)、サンライズクリエイション in BS 2020 Spring内「私モテ」オンリー「モテないし即売会する5」(開催自体が中止になりました)

東京ビッグサイト・西1ホール・(非生産的無用機械)に間借り出店!

(3/26(木)夕方にコロナ騒動で中止が決定! コレは同日夕方の会場側からの要請起因で、ビッグサイト側からは代替え日の提案までなされているそうナ)

2020年5月2日(土)、コミックマーケット98・1日目(特撮ジャンル)(開催自体が中止になりました)

東京ビッグサイト・西2ホール・う−16aに出店!

2020年5月4日(日)、コミックマーケット98・3日目(評論ジャンル)(開催自体が中止になりました)

東京ビッグサイト・南4ホール・ハ−06a(VAT)にも間借り出店!

(3/27(金)夜にコロナ騒動で中止が決定! 当選サークルへの返金は会場側との会場費の返金交渉含めて調整中だとのこと。個人的には返金ナシのカンパでもイイんだけれどもネ。コミケカタログは印刷・製本工程に入っているので販売(汗)、支援のためにぜひ購入してくださいとのこと!)

2020年5月6日(火・祝)、第三十回文学フリマ東京

東京流通センター第1展示場・(オフィス犬原人)に間借り出店!(開催自体が中止になりました)

(3/26(木)夜にコロナ騒動で中止表明メール着! 自主判断の模様。諸経費発生済(入場証の発送保留段階)なので半額だけ返金とのこと。サンクリの立場とはやや異なり(? 異なってもイイんですけれどもネ)、行政による「中止」命令(≒公共性を盾に一律の判断)ではなく「自粛」による中止決定で、返金なり保障を受けられない事態を問題視。専門家会議が提起した「個人」(体調不良者)の不参加を促すキャンセル料免除の概念を拡張して、「イベンター」のキャンセルにも行政による適正な補償をなる論を公式HPで展開されていてごもっとも(専門家会議の提言はそこまでをも含意していたのに行政が……という趣旨の読みはともかく。個人的には専門家会議の提言自体も仕方がナイけど社会や経済に対する方策面ではやや音痴)。しかし、それに先立つ「会場」側や、ありとあらゆる全業種・全イベントへの今回のコロナ騒動に伴なう単純補償は、行政の歳入を超える額だと憶測するので、適正な補償やその額とは何ぞや? 財源は増税か!? という永遠の問題でもあるような。発祥国に賠償を求めるワケにもいかないし(汗)。もともと入場料やパンフ代が無料(!)のイベントだったので、しばらく少額でも徴収されてもイイのでは?)

2020年5月6日(火・祝)、資料性博覧会13

中野サンプラザ・13階コスモルーム・ブース№未定に出店!

サンクリ中止が決まった翌々日3/6(金)にナンと! 変わらず開催の意向を表明! 3/27(金)時点でもキャンセル・直参⇒委託変更受付を含めて、改めて開催を表明! ただまぁギリギリで開催中止を決定されても、もちろん恨みませんけどネ。今はクラウド・ファンディングも可能な世の中なのだから、各団体がそれを募るのならば、当方個人は喜んで寄付をするゾ!)
#資料性13 #即売会

2020年5月17日(日)、コミティア132extra

東京ビッグサイト・青梅展示棟・ABホール・ブース№未定(当落未定)

2020年6月21日(日)、サンシャインクリエイション2020 Summer

池袋サンシャインシティ・ワールドインポートマート4階A23ホール・ブース№未定(申込予定)

以後の委託販売は、以下のリンク先にて順次告知予定!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20200115/p1


◎資料系同人誌『街歩き 東京23区 区立歴史博物館・資料館 完全ガイド(新装版)』刊行! (FOLON:しばたひでき)

(2018年GW発売の新刊がGW中に数百部・完売御礼! こんなにも潜在ニーズがあったとは! 6月の即売会に向けて増刷決定!)

(大好評につき、第2刷も完売! 2018年冬コミでは、増補改訂版の第3刷(新装版)を刊行決定!)

●東京23区のすべての「区立歴史博物館」、同「郷土資料館」を完全に網羅したガイド本が登場!
●すべての施設に取材を敢行! 最新情報、施設の過去のリニューアル履歴情報も掲載!
●各館の見どころ、常設展示内容を詳細に解説!
●周辺の施設の見どころ、「分館」「分室」など、区が運営する歴史博物施設をすべて掲載!
●なんと昭和の時代の「復元家屋」の特集もあり!
●さらに加えて、区が管理して見学できるすべての「古民家」「文化財建築」もすべて網羅!
●歴史マニア、郷土史マニア、民俗史マニア、江戸時代マニアの同好の士たちに捧ぐ!
 (B5判・P60・オフセット・700円)
★当該『区立歴史博物館 完全ガイド』は、メアド「tenshinrou(a)mail.goo.ne.jp」でも通販可!
 ※:(a)はスパムメールよけで、実際にはアットマーク「@」の文字となります。
畏友の鬼才、ベテラン同人屋・しばたひできが放つ新刊同人誌!


『街歩き 東京23区 区立歴史博物館・資料館 完全ガイド』発刊!


アニメ・特撮・時代劇・歴史など幅広いジャンルをカバーし、近年でも『プリキュア』シリーズ、『けものフレンズ』『君の名は。』などのパロディ同人誌を精力的に発表。


古くは『美少女戦士セーラームーン』『涼宮ハルヒの憂鬱』『コードギアス 反逆のルルーシュ』のパロディ同人誌などでも大活躍してきた、徹底詳解・解説の資料系同人誌では『ヤッターマン』『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』の資料・評論系同人誌などもものしてきた畏友の同人屋・しばたひできが満を持して放つ徹底詳解・解説の資料系同人誌!



今までの「しばたひでき」とはまるで違った切り口の同人誌!


凝り性の氏が趣味で私的に訪問しつづけてきた、東京23区のすべて(!)の「区立歴史博物館」、同「郷土資料館」の情報を集大成した同人誌!


メインはその名の通り、東京23区すべての区にある「歴史博物館」「郷土資料館」の紹介!


最近になってリニューアルした施設もあるので、それらを踏まえた最新情報を掲載!


もちろんすべての施設に取材申請を行なって、写真撮影も許可をもらって敢行!



(画面をクリックして、「オリジナルサイズを表示」をクリックすると、拡大表示可!)


氏のHPにも詳細データを掲載! 通販での購買方法もこちらで!


https://folon.jimdofree.com/
(以下の旧サイトのURLは、廃止されました・汗)
http://www.geocities.jp/folonoli/



歴史ファン・博物館マニア・古民家マニア・街歩き派必見の内容!


内容はこんな感じで、23区すべての「区立歴史博物館」「資料館」を解説!
それだけではなく、「分館」「分室」のほか、区が管理して一般公開している、すべての「古民家」「文化財建築」も掲載!


東京には天守閣のあるお城は残っていないけど、こんなにも見どころがある「文化財建築」があった!



多分、本書の価値はこっちにもあるのではないかと思うけど、
本体の「区立博物館」「資料館」だけではなく、その「分館」「分室」のほか、区が管理して一般公開しているすべての「古民家」「文化財建築」も掲載!
本誌以外でこれらのすべての情報を、一挙に一冊にまとめて掲載している商業誌はナイ!(今のところは・笑)


(その理由はいろいろあると思うけど、区民施設は基本区民向けの行政サービスなので、区外に向けて宣伝することはどうも制限されている模様。もちろん誰でも観覧することはできるけれども、区税で賄われている以上は、その施設は区民に向けてのものなので。でも、こういう歴史的に意義のある建築物はもっと公知されてしかるべき!)



(画面をクリックして、「オリジナルサイズを表示」をクリックすると、拡大表示可!)


城めぐりファンは多いけれども、東京には天守閣が残っている城砦はないのはご承知の通り。
でも都内にも実は、こんなにも見るべき価値がある建築物が管理されて一般公開されている!
そういうものを巡るファンがもっと増えてもいいのじゃないか!? このガイド本が、その手助けになれば幸い!



オマケ:本同人誌と連動した短編宣伝マンガを、「pixiv」でも公開!



つづきは、以下のリンク先にて!


https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=68415470



ヒトは……というか、ある種のウラぶれたマニア気質・研究家気質・来歴探求カタギな人種たち(笑)は、なぜ歴史をたどり、故事を知りたがるのか!?


それは、そこに自身や地域に地方人や現代人の思想・思考形態、ある種の気質癖・行動癖の「文化的な根っ子」を求めることで、一種の広い意味でのナットク・了解を求めたいがためか!?


そして、それらを通じて、セカイや日本や地域を、仮そめではあっても全的に知的に把握してナットクして、手の平の上に乗せて転がせてみせることで、一種の疑似的な支配(笑)を達成して安心してみたいという負け犬(笑)的な欲望か!?


古式ゆかしい建築物を探訪することで、そこを生活の場にするワケではないけれど、懐かしさを覚えつつ、その彼我の差を通じて、世界や歴史の中での今の自分や時代が、東西南北どの程度の偏りポジション、辰巳の方角か、丑寅の方角か、中心・近郊・郊外・化外、どの立ち位置に屹立しているのかを、無意識に間接的に知りたいがためなのか!?


そんなアイデンティティーの問題にも迫る、資料系同人誌『街歩き 東京23区 区立歴史博物館・資料館 完全ガイド』刊行!


2018年4月30日(月・祝)、COMIC1(いち)☆13

東京ビッグサイト・東4ホール・ぬ−16a「假面特攻隊」にて委託販売!

 (137352)

2018年5月4日(金・祝)、資料性博覧会11

中野サンプラザ・13階コスモルーム・ブース№43「ルノホート」にて委託販売!

2018年5月5日(土・祝)、コミティア124

東京ビッグサイト・東5ホール・W−24b「假面特攻隊」にて委託販売!

 (1243469)

2018年5月6日(日)、第二十六回 文学フリマ

東京流通センター第二展示場・2階(Fホール)・カ−08「假面特攻隊」にて委託販売!

 (003107156)

2018年6月17日(日)、サンシャインクリエイション2018 Summer

池袋サンシャインシティ・ワールドインポートマート4階A23ホール・K−20bに出店!

(S76-05216)

2018年8月11日(土)、コミックマーケット94(夏コミ)2日目(特撮ジャンル)

東京ビッグサイト・東5ホール・ネ−37a「假面特攻隊」にて委託販売!

(94750-1317)

2018年8月12日(日)、コミックマーケット94(夏コミ)3日目(評論ジャンル)

東京ビッグサイト・東5ホール・フ−10b「VAT」にて委託販売!

(94600-1028)

2018年8月19日(日)、コミティア125

東京ビッグサイト・東3ホール・U−06b「假面特攻隊」にて委託販売!

 (1252808)

2018年12月29日(土)、コミックマーケット95(冬コミ)1日目(アニメ(その他)ジャンル)

東京ビッグサイト・東2ホール・Q−27a(ルノホート)でも販売!

2018年12月29日(土)、コミックマーケット95(冬コミ)1日目(特撮ジャンル)

東京ビッグサイト・西2ホール・ち−05a(假面特攻隊)でも販売!

2018年12月31日(月)、コミックマーケット95(冬コミ)3日目(評論ジャンル)

東京ビッグサイト・東2ホール・T−14a(VAT)でも販売!

2018年12月31日(月)、コミックマーケット95(冬コミ)3日目(男性向けジャンル)

東京ビッグサイト・東3ホール・オ−59a(夢屋花乃屋)でも販売!

2019年2月10日(日)、『GRIDMAN』オンリー即売会「侵略されてるぞっ!」

横浜産貿ホール・マリネリア・ブースNo「侵略15」「假面特攻隊」にて委託販売!

2019年2月17日(日)、コミティア127

東京ビッグサイト・西1ホール・い−13b「假面特攻隊」にて委託販売!

2019年3月10日(日)、サンクリ2019 Spring

池袋サンシャインシティ・ワールドインポートマート4階・A23ホール・L−11b「假面特攻隊」にて委託販売!

2019年3月31日(日)、とりろじ17

東京文具共和会館(浅草橋)3階・オールジャンル-01「假面特攻隊」にて委託販売!

2019年4月29日(月・祝)、COMIC1(いち)☆15

東京ビッグサイト・西1〜2ホール・ブース№未定「假面特攻隊」にて委託販売予定!

2019年5月4日(土・祝)、資料性博覧会DX

中野サンプラザ・13階コスモルーム・ブース№未定「ルノホート」「假面特攻隊」にて委託販売予定!

2019年5月6日(月・祝)、第二十八回 文学フリマ東京

東京流通センター第一展示場・ブース№未定「假面特攻隊」にて委託販売予定!

2019年5月12日(日)、コミティア128

東京ビッグサイト・青海展示棟AorB・ブース№未定「假面特攻隊」にて委託販売予定!

2019年6月16日(日)、サンシャインクリエイション2019 Summer

池袋サンシャインシティ・ワールドインポートマート4階A1or23ホール・ブース№未定「假面特攻隊」にて委託販売予定!

2019年9月21日(土)、資料性博覧会・札幌

まんだらけ札幌店・イベントスペースに委託参加!(歴史博物館・假面特攻隊2020年準備号・SHOUT!・デスボルト誌の4種を委託)

2019年10月6日(日)、コミック1(いち)☆16

東京ビッグサイト・南3~4ホール・ブース№未定に出店!

2019年10月20日(日)、とりろじ18

東京文具共和会館(浅草橋)3階・オールジャンル-ブース№未定に出店!

2019年11月3日(日)、おもしろ同人誌バザール8

ベルサール神保町・ブース№未定にも出店!

2019年11月3日(日)、サンシャインクリエイション2019 Autumn

池袋サンシャインシティ・ワールドインポートマート4階A23ホール・ブース№未定に出店!

 (2019年11月3日(日)は友人と分担してイベント参加予定)

2019年11月24日(日)、第二十九回文学フリマ東京

東京流通センター第1展示場・ブース№未定に出店!

2019年11月24日(日)、コミティア130

東京ビッグサイト・西1~4ホール・ブース№未定にも出店予定!(コミティアなので二次創作本はナシです)

 (2019年11月24日(日)も友人と分担してイベント参加予定)

劇場版ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!! 〜新アイテムと新怪獣にも過去作との因縁付与での説得力!

(2018年5月13日(日)UP)
『ウルトラマンジード』最終回「GEEDの証」 〜クライシスインパクト・幼年期放射・カレラン分子・分解酵素・時空修復方法はこう描けば!?
『ウルトラマンオーブ』最終回「さすらいの太陽」 〜田口清隆監督の特撮で魅せる最終回・ジャグラス改心の是非・『オーブ』総括!
『ウルトラファイトオーブ』完結評 〜『オーブ』と『ジード』の間隙ほかを繋ぐ年代記的物語!
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『劇場版ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!!』総括 〜新アイテムと新怪獣にも過去作との因縁付与での説得力!

(文・T.SATO)
(2018年3月31日脱稿)


 TV特撮『ウルトラマンジード』(17年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20170819/p1)の後日談映画『劇場版ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!!』(18年)。その内容は、ジードことリク少年・メインヒロインの刀剣少女・秘密諜報員のずっこけサブヒロイン・ご都合にも沖縄に出張していたウルトラマンゼロとも合体する冴えないサラリーマン・諜報組織の上官・ペガッサ星人の少年・人工知能レム……といった、いつものニギやかなレギュラー面子に、前作『ウルトラマンオーブ』(16年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20170415/p1)のオーブこと風来坊青年とその宿敵青年がカラんできて、『劇場版』限定の強敵に立ち向かう! といったもの。


 期待にたがわず、いや期待以上に、ウルトラマンジードがTVシリーズでも披露してきた全5形態を早々に披露。


 先輩ウルトラマンのオーブもTVシリーズで披露した5形態に加えて、後日談映画『劇場版ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』に登場した最強形態・オーブトリニティ、さらにその後日談短編『ウルトラファイトオーブ 親子の力、おかりします!』(共に17年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20170603/p1)に登場した、東映メタルヒーローチックな硬質のヨロイ状スーツの「オーブ・ライトニングアタッカー」、加えて「オーブ・エメリウムスラッガー」にもタイプチェンジ! 都合8形態もの全バリエーションを漏れなく見せてもくれる。


 悪のウルトラマンことウルトラマンベリアルのカードやカプセルの力を借りて変身した「ジード・プリミティブ」と「オーブ・サンダーブレスター」をワザと並び立たせることで「似てる」「ナゼ?」と自己言及させてみたり(笑)、同じく頭に巨大な反り上がった両ツノが生えている「ジード・マグニフィセント」と「オーブ・バーンマイト」を並び立たせて共闘させてみせる茶目っ気たっぷりのバトル演出!


 今や先輩ウルトラマンになったウルトラマンゼロも基本形態以外に、並行宇宙を超えて出現した際には次元を超える能力を持った銀色のヨロイをまとった「ウルティメイトゼロ」、戦闘中には赤い「ストロングコロナゼロ」や青い「ルナミラクルゼロ」、あわや爆発の藻屑と消えたかと思いきや時間を局所的に操作できる能力で瞬時に回避していたという設定で金色の「シャイニングゼロ」、最終バトルではTV版『ジード』でもお披露目済の最強形態「ゼロビヨンド」などの全タイプにチェンジする。
 子供たちはきっと戦況に応じて自在にタイプチェンジできる全能感・万能感を擬似的にでも味わいたくなって、各種のソフトビニール人形をゲットしたくなることでもあろう(笑)。


 玩具会社バンダイとしても、この『劇場版』合わせで新商品を売ることで、売上も増やしたいワケだから、近年の『劇場版ウルトラマン』シリーズ同様、ご多分に漏れずに主人公ヒーロー・ジードの最新最強形態「ジードウルティメイトファイナル」までもが登場!


 本作の映画パンフレットによれば、元祖の初代ウルトラマンウルトラセブンのデザインの再構築なりオマージュはヤリ尽くされたけど、ウルトラマンエース(72年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070430/p1)のデザインは未開拓だ(大意)との実にごもっともな坂本浩一カントクのご意見で――実は90年代中盤にも平成ウルトラ3部作のデザイナー・丸山浩が特撮雑誌『宇宙船』でも同趣旨の発言をしていたけど果たせずじまいであった――、かつては呪縛にも近しい力を発揮していた往年の初代マン&セブン原理主義にも囚われず、エースの胸部中央のカラータイマーを取り囲む円型の意匠などを、胸・両肩・両ヒジ・手の甲・両腰・クルブシなどに取り入れている。
 とはいえ、発光する黄色いシャープなラインに包まれたその立ち居姿はエースをあまり連想させず、どちらかというとナイトシーンの電飾用・仮面ライダー555(ファイズ)(03年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20031108/p1)のスーツを連想してしまうけど(笑)。


新変身アイテムと敵怪獣にも過去作との因縁付与で説得力!


 これに合わせて、ジード・最新形態に変身するために必要という設定で、杖状の新変身アイテムも発売!


 とはいえ、ポッと出の変身アイテムにすぎなくても、後付けの新設定で(笑)、コレはジードの父にして悪のウルトラマンであるベリアルさまが数万年前に自身の故郷・ウルトラの星を襲撃した際に用いた、数百体の怪獣を収納して操ることもできる棍棒「ギガバトルナイザー」の対となるアイテムであった「ギガファイナライザー」であったとして、さらにその両方のアイテムを製造したのは、『劇場版』ゲストヒロインの母星であったともする!


 単なるいかにもオモチャくさいアイテムであっても(笑)、コレにジード(の父・ベリアル)との因縁、ゲストヒロインとの因縁、そのふたつの因縁を付与することで、幼児はともかく児童や大きなお友達から見れば、毎度の画面からは浮いているケバケバした異物かもしれない玩具的存在にも、劇中世界内で存在するに足る一応の説得力を増大させている。
 ……ココまでは小バカにしたような物言いをしてきたけど、それは筆者のテレ隠しであって(笑)、ツヤ消しのシブめで重厚な変身アイテムよりも、筆者個人はカパッと開く可動ギミックもあって、ツヤツヤとした光沢で色調も赤い、こーいうオモチャっぽいアイテムの方がスキではあるので念のため(笑)。



 因縁といえば、本作の敵怪獣たちにも直近ウルトラシリーズとの因縁を付与している。


 前作『ウルラマンオーブ』でも、おそらくバンダイ先行で脚本以前にデザインが進められて、TVシリーズ中盤の前後編での放映に合わせるかたちでソフビ人形などが発売された白亜の体表の強敵・ロボット怪獣ギャラクトロン。古典SF作家・クラークの「充分に発達した科学技術は、魔法と区別がつかない」の体現であるのか、その攻撃時には魔方陣のような紋様が浮かぶのも印象的であった怪獣だ。
 せっかく造った着ぐるみがモッタイないからか、ソフビ人形在庫処分セールのためなのか(笑)、前年度の『劇場版ウルトラマンオーブ』冒頭にも常夏のハワイの海岸にてオーブ&ゼロコンビと対戦! TVシリーズ『ウルトラマンジード』#7〜8でも、SF作家センセイが怪獣カプセルから都合2体を召喚して、再生怪獣だからか弱いということは微塵もなくって(笑)強敵として立ちはだかってきて、ウルトラマンゼロがさらなる強化形態・ゼロビヨンドに変身を遂げるキッカケともなった怪獣であった。
 『ジード』#22では、昭和のロボット怪獣キングジョーとギャラクトロンが左右半身ずつ融合したキングギャラクトロンに、SF作家センセイが怪獣カプセル2種を使って変身することでジードを圧倒すらもしていた。


 今回の『劇場版ウルトラマンジード』では量産型としてギャラクトロンが大挙登場! あげくの果てに新型機体のギャラクトロンMK2(マークツー)までもが出現! さらにはギャラクトロン・シリーズのハイエンドモデルとして、そのプロポーションや体表の幾何学(きかがく)的ディテールを踏襲しつつも、白亜ではなく淡いパープル&イブし金&イブし銀の色彩でまとめて、全身に多数の砲身を備えたロボット怪獣ギルバリスが満を持して出現!


 生物や惑星自体をデータ化して消滅させる! といった特殊能力は、前年度の『仮面ライダーエグゼイド』(16年)におけるゲーム病に罹患した果てにデータとなって消滅してしまう人々の描写と、ネタ的にも映像的にもカブってはいる。
 まぁ、そのへんの類似はご愛嬌でもイイのだし、キロ・メガ・ギガ・テラ・ペタ・エクサといった千倍単位でインフレしていく情報処理能力で、現実世界の事物や生物に人間個人の生体の全情報さえ小さなマイクロチップにデータ化できそうな技術力を現代人が獲得しつつもある現在、ある意味では普遍的なネタ・題材と化したのだともいえるけれども、本作のようなサイバー・ネタであれば自身をデータ化してデバイス内にも移植できるサイバー(電脳)ウルトラマンでもあった前々作『ウルトラマンX(エックス)』(15年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200405/p1)にもゲスト出演してほしくなってしまうよなぁ……という想いが脳裏をカスめていたら。


 ウルトラマンギンガ・ウルトラマンビクトリー・ウルトラマンエックスの3人の力を借りて強化変身していたウルトラマンオーブ最強形態「オーブトリニティ」が、なんとエックスの力を援用してエックスが身にまとっていた怪獣型の重厚なヨロイや手甲にカギ爪の「サイバーゴモラアーマー」をまとった姿へと再変身! ラスボス怪獣が構築してオーブを閉じ込めていたデータ空間からの脱出に成功してみせるサプライズ!


 いやぁ、予算や尺の都合でウルトラマンエックスが出演できなくとも、怪獣博士の子供であればフト抱いしまうであろう疑問さえをも見事に昇華! 「勝利の法則」に結びつけてカタルシスある逆転劇を構築してみせる隙のないアタマの良い作劇ではあり、マニア・怪獣博士くすぐりでもあるうれしい作劇でもあった!


 正直、往年の怪獣グランドキングや究極超獣U(ユー)キラーザウルス同様に、ラスボス・ロボット怪獣ギルバリスはアクションには不向きな偉容ではあった。怪獣側のスーツアクターの巧拙より、攻めるウルトラヒーローたちを演じるスーツアクターたちの受け身の取り方や吹っ飛ばされ芝居の巧拙で、バトルシーンの緊迫感や面白みが変わってくる類いなのだが、十全とはいえなくともそれなりに楽しく最終バトルも観ることができたのであった。


「特撮」のみならず「本編」部分でも、着ぐるみキャラとのバトルを増量!


 とはいえ、そのへんの「アクション面」での弱さを補うためなのか(?)、沖縄の無国籍なウラ街の繁華街には、違法滞在の宇宙人たちが大挙居住しているという設定にする。


 情報屋の宇宙人からネタを収拾するために潜入した酒場ではスンナリ成功するハズもなく、お約束でイザコザやチンピラにカラまれて拳闘バトルが勃発!(笑) ナックル星人・シャプレー星人・バド星人・ケムール人などの昭和ウルトラの宇宙人たちは、2010年代のウルトラシリーズにも脇役キャラや戦闘員キャラとして登場してきたけど、やはり登場してくれるだけでもうれしいものだ!


 往年の怪獣博士少年にはあるまじきことだけど、21世紀以降の平成ウルトラ宇宙人については見覚えこそあっても、名前を暗記できてはいないし、そもそもコチラも一応の子供ではなくオトナではあるので(?)、「作劇術の分析」の方には執念を燃やすけど、「怪獣・宇宙人の名前の暗記」なぞに気力や脳ミソのリソース・資源を割り振る気などはなくなってもいる(笑)。
 ググってみると、ガルメス人・グラカッチ星人というのが前年度の『劇場版オーブ』が初出で、レキューム人というのが深夜特撮『ウルトラQ 〜Dark Fantasy〜』(04年)が初出。ヒュプナスというのが同じく深夜特撮『ウルトラセブンX(エックス)』(07年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080413/p1)が初出で、ドーブル星人が『ジード』#11が初出で、さらに以下略(笑)の7種のマイナー宇宙人までもが登場。


 コレらの昭和の第2期ウルトラシリーズにおけるイイ意味での石堂淑朗(いしどう・としろう)脚本的な新旧チンピラ宇宙人(笑)たちと、ジードことリク少年・刀剣少女・諜報員のサブヒロイン・諜報組織の上官・サラリーマン・少年ペガッサ星人・オーブことガイ・オーブの宿敵ジャグラーが、各々の個性にピッタリで実に「らしさ」にあふれたた、スピーディーかつコミカルなバトルを繰り広げてくれるのだ! あげくの果てに、メカロボの敵の配下として、白黒モノトーンの戦闘員集団までもが登場! ドラマがカッタルくなりそうになると出現して、タイクツに陥(おちい)ることを回避してみせる(笑)。


ギャラクトロン・ギガバトルナイザー・ギガファイナライザー!


 ヒトそれぞれの好みはあるだろうけど、製作予算の絶対的な少なさに起因するとはいえ、『ウルトラマンメビウス』(06年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070506/p1)、もしくは『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル』(07年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080427/p1)以降は、同一種族の別個体として歴代怪獣や歴代宇宙人たちの着ぐるみ使い回しが多用されるようになった。むろん、そのこと自体には不満はなくって、むしろ怪獣キャラクターたちを「スター」として世代を超えて大切に扱ってくれているようにも思えているので、筆者個人としては肯定的である。


 今回のロボット怪獣ギャラクトロンに至っては、並行宇宙をも超えるかたちで量産型ロボット怪獣がバラまかれていた! といったスケール雄大感もあって、そのバックボーン・出自を小学生レベル(笑)のSF的好奇心で妄想することは実に楽しいことでもある。


 怪獣ギャラクトロン初出時には、『オーブ』世界の宇宙ではなく、別の並行宇宙から襲来してきた怪獣であるとも劇中においても推測されており、古典SFの時代からある「ロボット・人工知能の反乱」パターンで、戦争終結用に製造したロボット怪獣が自我を得てしまって、戦争の根源であり自身の産みの親でもあった宇宙人種族に反抗して手に負えなくなったことから、別次元の宇宙に捨てたのでは? などと劇中人物たちが推測していたのだ……。


 今回の劇場版では、メインテーマではなくてもサブテーマとしてはこのナゾを追ってみせており、後付けでもロボット怪獣ギャラクトロン・シリーズが亡国の惑星・クシアの出であったとしたのであった……。つまりは、


●ロボット怪獣「ギャラクトロン」シリーズ
●ベリアルさまが使った棍棒「ギガバトルナイザー」
ジードが使った聖なる杖「ギガファイナライザー」


 このすべてが惑星クシア出自であったとされたのだ!――ウラ設定によると、クシアは昭和ウルトラの宇宙にあった惑星だとのこと――


 まぁ、ギガファイナライザー以外はホメられたアイテムでもないけれども(汗)、こーいう二重、あるいはいっそ三重に因縁を持たせて、設定や作品自体に少しでもの興味・関心・求心力を持たせていく手法それ自体には賛成したいのだ。


 この広い大宇宙で、すべての要素がお隣り・ご近所がごとき接点を持っているかのようなご都合主義があってたまるか!? といったツッコミはリアリズム的には正しいけれども(笑)、我々が愛する「通俗娯楽活劇」とは「ドキュメンタリー」や「ルポルタージュ」などではなくって、「象徴」「寓意」の方が優先するシンボリックな「道徳説話」の方に近しいモノでもあるからだ――ただし、「道徳説話」とイコールのものでも決してない――。


沖縄怪獣グクルシーサー! 神獣たる伝説怪獣の系譜!


 ゲスト怪獣としては、太古の沖縄に不時着した王女さまを守護してくれた沖縄原産の正義の怪獣という設定で、沖縄の方々に飾られている東洋のライオン聖獣・獅子ことシーサーをモチーフとした、その巨大なタテガミはオレンジ&赤、四つ脚は紺色でもある鮮烈で熱帯チックな色彩の四つ足歩行の怪獣グクルシーサーが登場した!


 ロートル怪獣ファンであれば、誰もがアメリカ占領下から日本に返還されたばかりの沖縄を舞台にした怪獣映画『ゴジラ対メカゴジラ』(74年)に登場した沖縄の聖獣・キングシーサーを連想したことと思う。宇宙から飛来した超科学技術がもたらしたロボット怪獣メカゴジラ vs 純然たる野生の生物ではなくそれを超えた大自然の精霊・地霊・土地神が実体化したような由来と神通力を持つ神獣・霊獣・聖獣であるキングシーサー


 地球人より進んだ超科学に由来するロボット怪獣という存在にもワクワクさせられるのだけど、その地域一帯を守護する超自然的な霊的守護獣が実体化したオカルト怪獣! というSF的(?)で非日常的な設定にも由来する神獣的な怪獣という存在にもワクワクさせられてしまうモノではなかろうか!?


 80年代後半以降に隆盛する剣と魔法のファンタジー異世界の舞台設定にも通じている、その先駆けのような「伝奇」的な設定を有した怪獣キングシーサーを、70年代末期の第3次怪獣ブーム時に各種書籍や駄菓子屋で売っていた、往時は大ヒットしていた子供向けの安価な怪獣カードなどで知った幼き日の筆者は、ワクワクしてコーフンに打ち震えたものだった(笑)。


――ゆえに、『ゴジラ FINAL WARS(ファイナル・ウォーズ)』(04年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060304/p1)にて、キングシーサーが復活した際に、他の有象無象の地球怪獣たちと同様、X(エックス)星人に操られて悪い怪獣に堕してしまったのは少々残念ではあった(汗)。キングシーサーモスラと同様に、他の怪獣とは別格の霊獣・神獣という存在にして、正義の怪獣として悪い怪獣たちと戦ってくれヨ! まぁ些事ではあって、その一点の瑕疵(かし)をもって、『FINAL WARS』を全否定しようというワケでもないけど(笑)――


●昭和ウルトラ怪獣における、伝説怪獣ウー・伝説怪人ナマハゲ・邪神カイマ(邪神超獣カイマンダ)・閻魔怪獣エンマーゴ・臼怪獣モチロン・三つ首怪獣ファイヤードラコ・相撲怪獣ジヒビキラン・マラソン怪獣イダテンラン
●広い意味では、怪獣酋長ジェロニモン・地球先住民ノンマルトの使者の真市(しんいち)少年の霊・水牛怪獣オクスター・牛神男・天女アプラサ・獅子舞超獣シシゴラン・白い花の精
●庶民の信仰エネルギーで付喪神(つくもがみ)と化したか天上界の神仏がチャネルしたのかその両方なのか、劇中で神通力を発揮してみせた「お地蔵様」や「巨大観音像」(笑)なども、コレらのカテゴリーに当てはまるだろう!


――ちょっと話がズレてしまうけど、歴史上の怪獣について記した「太平風土記(たいへい・ふどき)」が、『X』『オーブ』に続いて『劇場版ジード』でも登場することで、この古文書が3つの並行世界をまたがって存在していることが判明するあたりの小ネタの点描もイイよね!――


 70年代末期〜90年前後のオタク第1世代によるSF至上主義の特撮論壇では、SFならぬ民話的なエピソードや怪獣は否定的に扱われてきた。


 しかし、実は怪獣のみならず宇宙人から怨霊・地霊・妖怪まで実在しているモノとして扱われる、大宇宙 → ワールドワイドな世界各地 → ローカルな田舎 までもが串刺しに貫かれて万物有魂のアニミズム的に全肯定されているウルトラシリーズの世界観の設定に、「現実世界もかくあってほしい!」的な願望やワクワク感を内心では抱いていた御仁も実は多かったのであろう――往時のマニアたちはまだまだボキャ貧で、その感慨をウマくは言語化できなかったのであろうけど――。


 そして、平成ウルトラシリーズが始まってみれば、この超自然的怪獣や歴史時代の人霊の系譜は引き継がれ、宿那鬼(すくなおに)・妖怪オビコ・地帝大怪獣ミズノエリュウ・童心妖怪ヤマワラワ・戀鬼(れんき)・錦田小十郎景竜・玉響姫(たまゆらひめ)などの怪獣や英霊がワラワラと登場してきた! そして、それに対してマニアたちが批判を繰り広げるということもなかった。むしろウルトラシリーズのエピソードの幅の広さとして、どころか傑作エピソードとして肯定されていたりもするのだ(笑)。


――個人的には、それならば昭和ウルトラの伝奇的エピソード群に対しても、それまでの低評価を改めて自らの過ちも贖罪して、ウッキー・ムッキーレベルの感情論ではなく、批評的に冷静にロジカルに再評価の光を当てるべきであったろうとは思うのだけれども。なかなかにそこまで論理の射程を伸ばすことができるような御仁は極少だったようである(汗)――


 脱線が過ぎてしまったが、聖獣グクルシーサーのことである。やっぱり、往年のキングシーサーの描かれ方の過誤を引き継いでおり(?)、パワーバランス的には少々弱かったことは実は残念なのだ。


 最終的には「決戦」シーンはウルトラマンたちに譲るのは必定ではある。とはいえ、だから途中は端折ったりオザナリでもイイということではない。ストーリー展開が論理的には同じであっても、そこに至るまでの過程・プロセスの描き方具合いで、意味合いや重みや感慨は相応に変わってくるモノなのだ。


 やっぱり、グクルシーサーはもっと善戦してくれなきゃダメだろう。もう少しで勝てそうだ! というところまで描かなきゃダメなのだ。あるいはいっそ、ギャラクトロン1機を一度は屠(ほふ)ってみせる強さ・爽快感は見せておく! そして、その次に現れたギャラクトロン複数機を相手に負けてしまったのは仕方がナイ! ……と思わせるような、 ギャラクトロン1機 < グクルシーサー < ウルトラマン といった三層構造くらいの段取り・勝ち抜き戦・各キャラのイイところや見せ場・活躍・強さをも見せる立体的な作劇・キャラ立て・アクション演出ではなかったことが実に惜しまれるのだ。坂本浩一カントク作品にしては珍しいことだったが、このへんだけは少々の手抜かりには思えたものであった。


沖縄ロケの是非! 沖縄本編撮影と沖縄特撮セット!


 沖縄ロケは申し訳程度の点描で、あとは本土で撮影か? と予想していたものの……。ほとんどのシーンで沖縄ロケを敢行していたようではあった――東京圏のUHF局でも放映された沖縄のご当地TV特撮ヒーロー『琉神マブヤー』シリーズ(08年)や『ハルサーエイカー』シリーズ(11年)との共演がなかったのは個人的には残念だ。地上の人間サイズの敵宇宙人たちの始末は彼らに任せてほしかった(笑)――。


 酷暑すぎて少々気怠げな感もある真夏の強い陽差し、広々とした明るい青色と白色の海辺、モクモクとタテ長に立ち昇る力強くもドコか不穏な巨大な雲海、鬱勃とした感じはしない明るい森林、高層建築はあまり見当たらない台風よけなのか低層家屋ばかりの街並みの高台からの一望。それらをカメラは切り取ることで、南洋の楽園性のようなモノを醸し出すことにも成功!


 沖縄といえば、初期ウルトラシリーズを立ち上げた脚本家の故・金城哲夫(きんじょう・てつお)センセイや、同じくベテラン脚本家・上原正三(うえはら・しょうぞう)センセイの出身地でもあり、彼らにあやかったりオマージュやリスペクトとしてのイミもあったのであろうか? しかし正直、本作を鑑賞する前には、沖縄ロケをするおカネが今回はあるのならば、それらを特撮の美術予算にまわして、さまざまな場所を舞台に特撮怪獣バトルを見せてくれよ! なぞと筆者はシニカルにも見ていたのだけど(汗)。


 しかし、出来上がったウルトラマンたちと巨大怪獣たちが戦っている特撮映像は、気のせいか色調も沖縄の幻惑的な青空に合うように、後処理(ポスト・プロダクション)で色調調整などもしているのであろうか? いつもと同じ特撮セットに、いつもとほとんど同じミニチュアの流用なのだろうけど、不思議と「沖縄感」は出せているのだ。要所要所に、ヨコ長の低い石垣に傾斜の低い薄オレンジ色の大きな瓦屋根の家屋が数棟、その周辺に亜熱帯っぽいヤシの木が数本生えているだけでも「あら不思議」、とたんに沖縄に見えてくるのだ。


――スレたマニア的には、『ウルトラマンエース』(72年)#15(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060828/p1)にて瀬戸内海(岡山)ロケを敢行して、意図的にだろうが、1970年代なのにマンガ『花田少年史』のごとき60年代の貧乏少年(笑)のような素朴なニコニコ笑顔の白いランニングシャツに半ズボン姿の少年もゲストで登場した大蟹超獣キングクラブ編にて、ロケ地の海浜・漁村・民家・荒い木材で骨組みして高い壁にはワラを吊しただけの作業場・干してある漁労網・低い石垣などなどを実に精密に再現して、それらを崩したり壊していった風情ある東宝の巨大なステージを活かした特撮美術セットのことなども思い出す!――


異星出自の沖縄在住ゲストヒロインの設定&達成度!


 沖縄各地の名所がなぜか舞台となった理由も、この『劇場版』ゲストヒロイン――正体は太古に地球に飛来してきた長命の異星人!――をいっそのこと、沖縄の観光ガイド嬢に設定してしまうことで、主人公たちとの出逢いの天文学的偶然も含めて、子供向けジャンル作品の宿命であるご都合主義&不自然さを少々緩和はしてみせる(笑)。


 筆者のようなロートルにとっては、女優・上戸彩(うえと・あや)の出世作でもある『3年B組金八先生』第6シリーズ(01年)での主要生徒役が印象に残っている、NHK朝ドラ『ファイト』(05年)でも主演も果たした本仮屋ユイカ(もとかりや・ゆいか)が、このゲストヒロインを演じていた。
 『金八先生』からでも幾星霜。目元涼しいクールビューティーだけれども愛想もあった風貌ともあいまって、宇宙人としての本来の姿を現わすと、沖縄チックで華やかな琉球服っぽい衣装となった。てっきり亡国の王女さまなのだと思いきや、本作のパンフレットなどを読むと単に科学者の娘でしかないということらしいけど、これによって親しみやすさと高貴さを同時に体現!


 最終決戦ではジードの体内=精神世界内にて、リク少年の横に彼女が出現してきて力も添えるけど、数万年も生きてきた存在であったのに、おそらく本作でホントウに死んでしまったのであろうという、悪いイミでの古典的なゲストの扱いについては少々残念だった。
 TVシリーズ終盤でも諜報組織の上官・シャドー星人ゼナさんが怪獣兵器ゼガンに合身して操縦していたように、このゲストヒロインが聖獣グクルシーサーとも合身・操縦してバトルに「参戦」したり、最終決戦では「ギガファイナライザー」を、自身が搭乗したグクルシーサー経由でジードに手渡しして「勝機」を与えるくらいの有用感ある活躍をさせてもよかったのではあるまいか!? そして、沖縄の地でこれからも彼女は生きていく! といったオチでもよかったのではあるまいか!?


 回想シーンでは彼女の父親役として、我々特撮マニア的には『ウルトラマンマックス』(05年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060311/p1)の怪獣攻撃隊・DASH(ダッシュ)隊長でもおなじみ宍戸開(ししど・かい)まで登場。映画の神さまのイタズラか、異国情緒にあふれる服装といい、マニアであればつい最近の『宇宙戦隊キュウレンジャー』(17年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20180310/p1)で氏が演じたオリオン座の勇者・オライオンとの酷似を想起せずにはおれなかったことであろう(笑)。


SF作家センセイ&ベリアルさまのリベンジが観たかった!


 鑑賞する前には、宿敵である作家センセイこと伏井出ケイ&悪のウルトラマンことウルトラマンベリアルさまが、この『劇場版』には登場しないことには不満があった。たしかにTV版『ジード』最終回(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20180213/p1)にて、宿敵のSF作家センセイ&ベリアルさまはすでに一応はお亡くなりではあったけど。
 しかし、SF作家センセイもTV版『ジード』を盛り上げた功労者なのだから、ご祝儀・慰労も兼ねて映画の晴れ舞台も踏ませてあげて、沖縄ロケにも同行させてやってくれよ!――アッ、TV版『ジード』の最終展開は、『劇場版』と同時並行撮影の沖縄ロケ編だったから、同行はしていましたかネ(笑)――


 テレビシリーズの最終回では死んだのに、ご都合主義にも復活を果たしたSF作家センセイ!


 そして、もう幾度目かとなる、またまた再復活を果たしたウルトラマンベリアルさま!


 さらには、ベリアル配下の強豪宇宙人軍団ことメフィラス星人・ヒッポリト星人・テンペラー星人・グローザムの同族・デスレムの同族らによるダークネスファイブも再参集!


 対するは、我らがウルトラマンジードにウルトラマンゼロ


 加えて、ウルトラマンゼロの頼もしき仲間、ミラーナイト・グレンファイヤー・ジャンボット・ジャンナインらによる新宇宙警備隊ことウルティメイトフォースゼロも助っ人見参!


 ジード&ウルティメイトフォーズゼロの5人 vs ベリアル&ダークネスファイブの5人!


 といった、大宇宙をまたにかけたガチンコ集団バトルを、今度こそ観たかったのにィ〜! キィィィィ〜〜〜!!(袖を噛む・笑)



 まぁ、あの鬼気迫る演技の末期(まつご)のあとに、SF作家センセイがアッサリ甦ったりすると、ドラマ的・テーマ的にはたしかに台無しといえば台無しではある。しかし、そこはそれ。このテのユルユルな子供向けヒーロー番組の常套(じょうとう)で、ご都合主義にも実は彼はまだ生きていた! それがあんまりであるのならば、怪獣墓場から復活してきた! 亡霊魔道士レイバトスが復活させた! などの『完結編』のあとにシリーズをイケしゃあしゃあと再開してしまう「少年ジャンプ」連載マンガのTVアニメ化作品『銀魂』のようなロウブロウ・通俗的な展開でもよかったんじゃないのかなぁ(笑)。


 それで、昨年末のTV最終回前に公表された第1弾の『劇場版』宣伝ポスターでは、SF作家センセイの中の人の名前は削っておく。しかし、年明けの第2弾の宣伝ポスターではSF作家センセイの中の人を公示してみせることで(笑)、マニアたちにはTV最終回の鑑賞でSF作家センセイが死のうがドーせ復活するんだろうし……といったシラケた思いをいだかせずに切迫感を持って鑑賞させることで、その後に「エッ、『劇場版』でも再登場するの!?」といった「二度ビックリ」の思いをファンたちに味あわせて、本作への関心をより惹起もさせるような、小ズルいパブリシティ戦略を考えるような御仁はいなかったモノなのか!?


 昨年末の大傑作映画『仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』(17年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20171229/p1)などのように、『ジード』のレギュラー&前作『オーブ』のオーブ&ジャグラーに加えて、2010年代以降のウルトラマンギンガ・ウルトラマンビクトリー・ウルトラマンエックスたちも変身前を含めて勢揃いして、SF作家センセイ&ベリアルに立ち向かうような内容でもよかったんだけれどもなぁ(笑)。「怪獣モノ」としては少々邪道かもしれないけど、「ヒーローもの」としてはSF作家センセイのようないかにもな小憎らしい人格悪・性格悪がいた方が「善悪のメリハリ」もついてよかったようにも思うのだ。


近作への小さな不満。歴代OBゲスト出演であと一押し!


 振り返れば、映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(09年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101224/p1)においても、映画『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟(06年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070128/p1)&映画『大決戦! 超ウルトラ8兄弟』(08年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101223/p1)では初代ウルトラマンウルトラセブン帰ってきたウルトラマンことウルトラマンジャックウルトラマンエースのウルトラ4兄弟の変身前ことハヤタ・ダン・郷・北斗が連続出演してくれたくらいなのだから、マン・セブンのみならず帰マン・エースの変身前の役者さんにもたとえ1カットだけでも出演してもらって、変身ポーズを披露してラストバトルに参戦してもらいたかったと個人的には思ったものだったし、おそらくマニアの大勢も同様に思っていたことであろう。
 そーすれば、ドラマ的・テーマ的にはともかく(笑)、ただ出てくれるだけでも、我々ロートルオタクたちは狂喜乱舞したのだし、マニア誌もそれを口実にインタビューを繰り広げて、変身前のウルトラ4兄弟が全国の映画館の舞台挨拶を行脚することで、少々であっても興行収入を水増しすることができたであろうから。


 つづく映画『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』(10年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20111204/p1)においても、『ウルトラマン80(エイティ)』(80年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971121/p1)30周年記念として、ウルトラマン80(エイティ)とその相方であるともいえる女ウルトラマンユリアンの声を、変身前の役者さんたちが久しぶりに声をアテてくれていたものだ。


 しかし、そこまでやってくれるのであれば、主人公たちのピンチを助ける頼もしい役回りとして、変身前の役者さんが登場する1シーンをあとからグリーンバック撮影(笑)でムリやりにでも挿入!――たとえば、ウルトラ一族の長老・ウルトラマンキングの超能力で並行宇宙を越境できたというクレバーな「云い訳・設定」なども付けて!(笑)――
 対ベリアルとの最終決戦では、我らがゼロをサポートするミラーナイト・グレンファイヤー・ジャンボットをさらに援護射撃するかたちで、異星の惑星エスメラルダの大地で変身ポーズまで披露してウルトラマンエイティ&ユリアンが出現! エスメラルダの上空の宇宙の戦場へと飛び立つ! ついでに、役者さんたち長谷川初範(はせがわ・はつのり)と荻原佐代子(はぎわら・さよこ)両氏も全国の映画館へと飛び立って、舞台挨拶に参加してもらって集客にコレ努めてほしかったものなのだ(笑)。


――先の映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説』においても、ウルトラマンコスモスこと俳優・杉浦太陽が直談判したことで急遽、ワンカットの出演シーンが追加されて、スポーツ新聞やワイドショーの各紙紹介などでも、少々でも世間に知られることになったりもしたのだ! そういった小事のひたすらな積み重ねが少しでもの集客につながっていくのである! それと同じようなことが、ナゼに融通無碍(ゆうづう・むげ)にできなかったのだ!?(笑)――


 映画『ウルトラマンサーガ』(12年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20140113/p1)はそのへんでの客寄せ面での反省もあってのことなのであろう。初代マン・セブン・帰マン・エースどころか、ウルトラマンレオウルトラマンダイナ・ウルトラマンコスモスの変身前の役者さんまで登場して、変身後のウルトラマンたちの映像に変身前のヒトの映像までオーバーラップさせるサービス精神の志しはよかった!
――尺の都合と製作遅延ゆえであろうが、4兄弟の変身後のバトルはカット(のちに再編集バージョンで復活)。長尺のコスモス&カオスヘッダーvsハイパーゼットンの件りに至っては全カット(爆)になってしまったのは残念ではあるけれど――


 しかし、映画冒頭におけるゼロvsベリアル軍の残党との宇宙空間でのバトルに、直近の新ヒーローであるミラーナイト・グレンファイヤー・ジャンボット・ジャンナインらが固い絆で結ばれているハズのゼロとは共闘していなかったのはナゼなのか!? 子供たちに忘れ去られないためにも露出はさせるべきであったハズなのだ!――登場させてあげれば、子供たちも狂喜すること請け合いだっただろうに! 変身前の人間態がないヒーローたちだからこそ、声優さんのギャラだけならば相対的には安く済ませることができたであろうに、ドーしてそこで手抜かりを!(汗)――
 ついでに係り結びのかたちで、同作のラストでは、舞台となった並行宇宙の地球での事件を解決して飛び去ってきたゼロを、地球の上空の宇宙でミラーナイト・グレンファイヤー・ジャンボット・ジャンナインたちが明るく出迎えるような場面もあってしかるべきだったとも思うのだ!


 加えて、00年代後半〜10年代前半のウルトラシリーズの中継ぎでもあった『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル』(07年)シリーズの主人公である、地球人とレイブラッド星人とのハイブリッドでもあったレイ青年にも、もう少しだけ花を持たせてほしかったものだ。
 たとえば、並行宇宙を越境してしまった宇宙船・ペンドラゴン号で、後続の『ウルトラマンギンガ』(13年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200819/p1)以降のシリーズの世界にも漂着するかたちで彼らがゲスト出演! あるいは、ビデオ販売作品『ウルトラ銀河伝説外伝』などにおいて、ラン青年・タイガ青年に続いて、功労賞としてウルトラマンゼロとも一時的にレイ青年を合体させてあげることで(!)、晴れてウルトラマンにも変身したことがあった役者さんのひとりにもしてあげるなど!


 本映画の前日談でもあるTVシリーズ『ウルトラマンジード』中盤回(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200523/p1)においても、それこそ前作ヒーロー・ウルトラマンオーブをゲスト出演させてあげる!


 短編『ウルトラファイトオーブ』での宿敵・亡霊魔道士レイバトスとの再戦イベントなども設けて、同じく怪獣使い=レイオニクス戦士という出自つながりで『大怪獣バトル』のレイ青年をゲスト出演させてあげる!


 そして、『ウルトラマンゼロ THE MOVIE』とビデオ販売作品『ウルトラマンゼロ外伝 キラーザビートスター』(11年)の今をときめく土屋太鳳(つちや・たお)演じるエメラナ姫などもゲスト出演してもらう!


 そのようなエピソードなども作るべきではなかったか!?――土屋太鳳は今や超多忙の売れっ子でギャラも高いからムリくさいのはわかるけど(汗)、話題作り&集客でそこをナンとか1日だけで撮影可能な1シーン・1カットだけでも!(笑)――


 ごくごく個人的には、00年代後半以降、特に2010年代のウルトラマン映画やビデオ作品に対しては、90〜00年代前半のウルトラ作品と比較しても、興行面ではともかく内容面においては個人的には実は高い評価を下していたりはする。しかし、やはり前述したように、シリーズの連続性や大河ドラマ性を感じさせてくれる要素の今一歩のところでの欠如で、小さな不満があったことも事実なのであり、この機会にカコつけるかたちで語らせていただいた。


――まぁ、そーいうことを云い出してしまうと、平成ライダー映画や東映『スーパーヒーロー大戦』映画シリーズにおいても、『仮面ライダー電王』(07年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080217/p1)の正義の赤鬼・モモタロスや、『仮面ライダーディケイド』(09年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090308/p1)の高飛車主人公・門矢士(かどや・つかさ)に、「おのれ、ディケイド!」のセリフがお約束(笑)であるナゾの壮年・鳴滝さんなどは、子供ウケもしそうなトリックスターたちなのだから、歴代シリーズを連結させて怪獣博士的でマニアックな興味関心を観客や子供たちにも惹起させつづける意味においても、狂言廻し・説明役(笑)として恒常的に途切れることなく登場させてほしかったとも思っているのだ――


 本作ではバトルには参戦はしなかったけれども、ウルトラの星にいるウルトラの父ウルトラの母ウルトラ兄弟の長男ゾフィー隊長・初代ウルトラマンウルトラセブンが点描的にではあっても登場させたことも、作品を華やかにするというイミでは実によかった。自身の子供時代の記憶を振り返ってみても、たったこれだけの点描ではあっても、ヒーローの神々しさや作品世界のウラ側の拡がりといったスケール感・壮大感も得られてワクワクとするであろうからだ。
 ギャラの都合であったのだろうが、初代マンとセブンにはセリフがなかったけれども(笑)。ウルトラマンタロウとウルトラ一族の一般兵士たちも、回想扱いの新撮戦闘シーンで「ストリウム光線!」のバンク掛け声の音声とともに登場したことも同様にうれしかった!


――『ウルトラファイトオーブ』でも帰ってきたウルトラマンことジャックの声を変身前の役者さんである団時朗(だん・じろう)が務めて、映画『破裏剣ポリマー』(共に17年で坂本浩一カントク作品!)おいてはウルトラマンエイティの変身前の役者さんこと長谷川初範が出演していたことから、コレは帰マン=団時朗とエイティ=長谷川初範に『劇場版ジード』にも顔出しで出演してもらうことへの事前のネゴなのか!? と深読みしていたのに……。それは果たされずに終わってしまった(笑)――


 本作では、ウルトラの父の命令に従うかたちで、ミラーナイト・グレンファイヤー・ジャンボット・ジャンナインまでもが久しぶりに登場して出撃した! バリアで地球に着陸こそできなかったけれども、間接的には援護射撃のかたちで戦闘にも参加することで有用感も出せている! ラストでは、沖縄の夕景の海浜にも降り立って、ユカイな漫才トークを聞かせてくれたのはうれしかった! こーいった一連こそを、先の映画『サーガ』などでも見たかっただけに!


――同様にTVシリーズ『ジード』最終回でも、『ジード』本編の映像ではない、『ウルトラゼロファイト』第2部(12年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20140115/p1)に登場した悪の強豪宇宙人軍団・ダークネスファイブや、『ウルトラファイトオーブ』(17年)に登場した宿敵・亡霊魔導士レイバトスのバンク映像が、回想シーンとして流れたサービス趣向は実にうれしかった。しかし唯一、『ファイトオーブ』ラストで亡霊魔道士レイバトスを倒したのがジードではなくベリアルさまに改変されていたことだけについては残念(汗)。シャイニングゼロの時間操作能力による局所的なタイムスリップなどで過去に戻って、ジードがレイバトスを倒してみせるようなエピソードをTV本編でも作ってほしかったヨ〜!――


「クライシス・インパクト」や「ウルトラ大戦争」の本格映像化を今こそ!


 けれども、本映画を見終わってみると、事前の小さな不満や要望は雲散霧消してしまったほど楽しめたのも、個人的には事実なのであった。そして、近年でもロボットアニメ『マクロスΔ(デルタ)』(16年)のメインライターや、本作公開の前月2月に公開された『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』(18年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190504/p1)も手掛けたりと、20年近いキャリアの持ち主でもある根元歳三の脚本は、TV版『ジード』においてはシャドー星人ゼナさんとシャドー星の怪獣兵器ゼガンをメインに据えた前後編を手掛けただけではあるけれども、多彩な具材を裁いて交通整理がよくできていたとも思うのだ。


 しかし、『ジード』世界の6年前における ウルトラマンゼロをはじめとするウルトラ一族 vs ウルトラマンベリアル軍団 の宇宙各地を転戦しつつ激闘していったサマと(「オメガ・アーマゲドン」!)、ついには東京上空で超時空消滅爆弾を起動して、並行宇宙のひとつが滅亡してしまった「クライシス・インパクト」を、長尺の映像でキチンと観てみたい!!
 3万年前の「ウルトラ大戦争」(ウルティメイト・ウォーズ)こと 暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人が率いるメフィラス星人・アークボガール・デスレム・グローザム・ジオルゴン・エンディール星人・テンペラー星人などの幹部級宇宙人&数百体の怪獣軍団が我らがウルトラの星を襲撃したサマも、長尺の映像でキチンと観てみたい!!


 基本的には幼児向けの特撮変身ヒーロー番組において、現在進行形ではナイ過去の出来事を主体とした作品を映像化するのはたしかにムズカしいことではあるだろう。そーであれば、コレらの大事件から派生した新規事項の現在進行形の物語における「回想シーン」として、それらを映像化してみせることで、知られざる「歴史の細部」や「秘史」なども描くことで、「仮想歴史」のミッシング・リンクのピースがピタリとハマっていくような擬似的な知的快感(笑)なども味あわせてくれるような新作の登場を、コレからも期待していきたい!


――コレらは初作の「前史」であるルウム戦役などを描いた『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(15年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190707/p1)や、宇宙世紀0096年といったシリーズの隙間の時代を描きつつも宇宙世紀元年の大事件をも発端としている『機動戦士ガンダムUCユニコーン)』(10年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20160904/p1)みたいなモノであって、こーいった「世界観消費」といったモノを嗜好してしまうようなニーズが、マニアにかぎらず世間一般にも、幼児はともかく小学生たちにも相応にはあるのだ!――


余談:人類の愚劣さをゼロにはできなくとも、最小化するための方策とは!?


 「シビルジャッジメンター」(文明審判者!)といった恐ろしい「別名」を持った、前作『オーブ』につづいて本作にも登場したロボット怪獣ギャラクトロンは、『オーブ』での初登場時においては、地球の知的生命体どころか弱肉強食の「食物連鎖」に基づく「生態系」それ自体が非常に原始的で残酷であって、宇宙の生命水準から見れば「幼年期」的であって(大意)、それが地球人たちの争いの根源である! と、古クサい古典SF的な抑揚のない無感情な電子ボイス(笑)でもって喝破してみせてもいた。
 手前ミソで恐縮だけど、この指摘は個人的には「我が意を得たり」だ。マクロは国家や民族・宗教間の争いから、ミクロはイジメやパワハラ、趣味人・オタク同士のマウンティング合戦に至るまで、実は争い自体の根源はマルクス主義が云うような「貧富の格差」や「資本主義(今だと新自由主義経済)」や「私的快楽至上主義」に起因するモノではナイとも思うからだ。


 「貧富の格差」「新自由主義」「私的快楽至上主義」「虚栄心」すらもが「原因」ではなく「結果」である。人間の「嗜虐心」「競争心」「権力欲」なども含めて、その根本原因は、生物・動物の捕食・被捕食関係を成り立たせるために、人間にも弱めであっても本能的に内在している「食欲」「狩猟本能」「縄張り意識」に起因しているのだとも私見する――飼いイヌや飼いネコが飛びかかって、昆虫や落ちたスズメを弄んでいる姿を見ていても思うことだ(笑)。もちろん、個々人でその濃淡にはカナリ差があるけれども――。


 それだけに根深くて解決困難ではあるのだけど。とはいえ、ニヒリズムに陥っているのではなく、それらの本能に起因する悪癖は「根本療法」によってゼロにすることはできないにしても、都度都度の永遠の「対症療法」としては最小化していくべきモノではあるだろう。
 あるいは、肉体&精神を過剰にキズつけないような「ルール」「モラル」などを作って「ゲーム化」「スポーツ化」して、ネット空間での「ゲーム」や「言論戦」にとどめさせたり、全国の公園にバスケットボールのゴール籠などを用意することで(笑)、「唯一絶対のカースト」ではなくって「無数の並列する小カースト」を作ってしまい、擬似的に「闘争心」を発散させたり「立身出世欲」や「モテ欲」を満たしてあげることで、ある場所では敗者になっても戦国時代のように首チョンパ切腹させられることなく、別の場所にて居場所を確保できるように社会のインフラを設計しておく。


 とはいえ、「命の大切さ」を教え込まなくても、たいていの人間は強い恨みでもなければ殺人などはできないハズのモノなのだ。しかし、生まれつき「嗜虐心」が強くて他人に対する「共感性」に乏しい個人が、「殺人」といわず「暴力」や「暴言」をヤラかしてしまうワケなのだ。
 そして、そういった場合は、後天的な教育・環境にも一因があったとしても、個人の持って生まれた「性格」「共感能力」「品性」などが根本原因であった以上は(!?)、「話せばわかる」「イジメっコとイジメられっコ、ストーカー、パワハラ上司とでも、みんな仲良く握手をさせて和解!」などといったキレイごとではなくて、それらは長期目標としてならばイイけれども短期的には割り切ることで、緊急避難として「加害者度」が高い御仁の方を「撲滅」といわずに(笑)、「退場」「転校」「隔離」して、両者が顔を合わせずに異なる場所で生活できるように仕向けて、「棲み分け的な共生」となるように制度設計をしておく……。


 一方で、「公共空間」や「国際協議の場」を作りつつも、私的・ローカルな場所では「棲み分け的な共生」が必要であることは、異なる趣味間・文化間・国家間の関係においても同じことなのであって……。などと云い出すと、「アパルトヘイトだ!」と批判されそうなので、以下略(笑)。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2018年春号』(18年4月1日発行)所収所収『劇場版ウルトラマンジード』合評5より抜粋)


『假面特攻隊2018年春号』「劇場版ウルトラマンジード」関係記事の縮小コピー収録一覧
徳島新聞 2018年3月16日(金)夕刊 「劇場版ウルトラマンジード」浜田龍臣 身近なヒーロー像に自信 史上最年少 主役に抜てき
・日刊スポーツ 2018年3月11日(日) 主演映画 浜田龍臣 サプライズに号泣 ヒーローになれた サプライズレターに涙する浜田龍臣
・スポーツ報知 2017年11月23日(木) 本仮屋ユイカ ウルトラヒロイン 「劇場版ジード」 主題歌はMayJ.
福島民報 2018年3月10日(土) シリーズの歴史実感 「ウルトラマンジード―」浜田龍臣
西日本新聞 2018年3月15日(木) エンタメ ウルトラマン「大きな経験」


『假面特攻隊2018年春号』上原正三「キジムナーkids」文学賞受賞・関係記事の縮小コピー収録一覧
山陽新聞 2018年1月23日(火) 岡山市坪田譲治文学賞 上原さん(沖縄出身)受賞 「キジムナーkids」来月25日贈呈式
山陽新聞 2018年1月24日(水) 岡山市坪田譲治文学賞 上原さん(沖縄出身)受賞 「キジムナーkids」(直上記事の短縮版)
山陽新聞 2018年2月26日(月) 坪田譲治文学賞贈呈式 上原さん(東京)に賞状
琉球新報 2018年1月24日(水) 上原さんに坪田文学賞 那覇出身「キジムナーkids」
琉球新報 2018年2月15日(木) 金口木舌(『返ってきたウルトラマン』「怪獣使いと少年」と「キジムナーkids」)
琉球新報 2018年2月27日(火) 坪田文学賞の上原正三さん 年を取ったから書けた


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宇宙戦隊キュウレンジャー総括 〜最後は全宇宙の不運な人々の盾になると誓ってみせた幸運戦隊!

(2018年5月13日(日)UP)
平成スーパー戦隊30年史・序章 ~平成元(1989)年『高速戦隊ターボレンジャー』
洋画『パワーレンジャー』(17年) 〜戦隊5人に「スクールカースト」を色濃く反映! 「自閉症スペクトラム」青年も戦隊メンバー!
『パワーレンジャーFOREVER RED』 〜坂本浩一監督作品・戦隊を逆照射!
『恐竜戦隊ジュウレンジャー』総論 〜子供番組への回帰
『百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊』 〜赤星政尚・竹本昇、出世作! 「戦隊」批評の特殊性!
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宇宙戦隊キュウレンジャー総括 〜最後は全宇宙の不運な人々の盾になると誓ってみせた幸運戦隊!

(文・T.SATO)
(18年3月10日脱稿)


 5人の戦隊ヒーローが登場するゴレンジャーならぬ、9人もの戦隊ヒーローが登場するキュウレンジャー
 キュウには9・救世主・球も掛け、敬礼時には親指と人差指で輪を作って「OK」ならぬ「OQ」も呼号させる念の入れようだ――そも「OK」自体が本来「All Correct」で、学はナイけど愛された7代目米大統領による誤用造語が起源だとの説もあるから、さらなる造語も許そう(笑)。
 もちろんこのご時世に、中盤からの追加ヒーローが登場しないワケがなく、最終的には12人(!)もの戦隊ヒーローがレギュラー出演する前代未聞の大所帯のスーパー戦隊作品に仕上がった。


 とはいえ、従来の新人役者・若者5人体制では、12人ものキャラクターを描き分けすることは困難でもあり、低予算番組だからギャラの問題(汗)もあったのだろうか?
 素面の役者は当初は5人とし――最終的には7人。最初の5人は全員が非・地球人で、中盤からの追加2名だけが地球人――、残り4人は着ぐるみキャラとする。
 青いオオカミ男型獣人・金ぴかスマートな機械生命体・実に人間クサい性格だけど黒牛型の直立二足歩行ロボット・ピンクでキュートな美少女アニメ的アンドロイド。
 加えて、戦場には出張らない「ボクちん」(笑)と自称する着ぐるみのオトボケ司令官かと思いきや、10人目の戦隊ヒーローに昇格する、ミスター戦隊巨大ロボこと日下秀昭が演じる紫の龍人型宇宙人も含めて、彼ら着ぐるみキャラに萌え系・軽妙・重厚、ロボットなのに頼れる年長キャラ(笑)などの声をアテることで、ビジュアル的にもボイス的にも描き分けには成功したと思う。


80〜90年代には絵的に不可能だった宇宙戦隊!


 全宇宙、というか88の星座系が、宇宙幕府(笑)を名乗る星間暗黒物質ダークマターならぬジャークマターに支配されているという、ロートル特撮オタクには数百の星々を侵略してきた悪の帝国が地球に来襲してきた『電撃戦隊チェンジマン』(85年)や『地球戦隊ファイブマン』(90年)を想起させる世界観。
 あるいは、地球を発端とせず、遠宇宙の惑星エジンを舞台にはじまり、序盤数話を経て地球に到着した東映メタルヒーロー『巨獣特捜ジャスピオン』(85年)なども想起する。


 作り手たちは必ずしも、筆者たちのような年季の入ったキモオタではないだろうから(汗)、彼らがコレらの先行作を鑑賞していたり、それらのリベンジなり現代版というかたちで、本作を構想したとは思われない。
 しかし、筆者のような腐れオタクとしては、それらのおおよそ30年もの大むかし(!)になってしまった作品群ともついつい無意識に比較もしてしまうのだ。


 で、やはり往時の作品群は、バックボーンや因縁が宇宙規模でも、映像的には地球もとい、埼玉県寄居のアリゾナ州の岩場を主戦場(笑)としていた。
 コレは筆一本の絵だけで、大宇宙やあまたの宇宙戦艦群を描けてしまうアニメ作品などとは異なり、往時の東映の予算的にバンクフィルム流用主体の特撮技術では、基本は巨大ロボ戦用の白昼の背景ホリゾントなのに、それを宇宙の夜空の星々に塗り直して元に戻したり、ミニチュア宇宙船&星空背景の両者にピントも合わせてピンボケにもならずにフィルムに収めることが、技術的にも予算的にもスケジュール的にも困難であったからであろう。


 今だと撮影後にパソコンの中でハイビション撮影映像を映画のフィルムっぽく明度・輝度を落としたり、画質の劣化ナシに後処理(ポス・プロ)で自在に変更するのが当たり前だけど、往時は撮影時に照明をクラくして、いわゆる洋画『映画に愛をこめて アメリカの夜』(73年)パターンで、レンズの前に青いフィルターを付けることで白昼ピーカン撮影を夜間シーンに見立てて『ウルトラマンエース』(72年)の南夕子隊員が故郷の月に帰ったり(#28・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061111/p1)、電撃戦隊の巨大ロボ・チェンジロボがいつもの特撮白昼セットを月面に見立てて戦っていた回があったけど、映像的にはいささか説得力に欠けており画質的にも見苦しい面があったことは否めない。


 しかし、そのへんについては、特撮技術・CG技術の長足の進歩のおかげで、今でもきっと別種の苦労はあろうけど、グリーンバックでのミニチュア撮影を元にしたデジタル合成や、宇宙船自体をミニチュアではなくCGで描くことで宇宙空間、ひいては宇宙の星々を渡り歩く特撮映像も比較的安価で容易となったこともあるのだろう。キュウレンジャーたちの母艦であるオリオン号は、映像的説得力をもって宇宙を狭しと駆けめぐる!


 本作でも製作予算が比較的、潤沢であろう序盤においては、ロケ地の選定にふだんのスーパー戦隊シリーズ作品では見慣れない場所を選定し、工業地帯のプラント施設跡地のような場所でも本編美術スタッフが異民族的な中東バザール風の飾り付けに凝ったり、大量のエキストラを動員しつつも私服ではなく異国っぽい情緒の衣装を着せることで、地球以外のヨソの惑星を舞台にしている設定に、映像的な説得力を持たせることにも成功していた。
 もちろんスレたマニア的には、こんな大がかりな映像が予算的にも継続できるワケがなく、早々に地球の日本の東京を舞台にすることは容易に想像がついたけど(笑)。


 とはいえ、オトナの事情でそれから延々最終回まで地球を舞台にするのかと思えば、本作はそうでもナイ。ワリと頻繁に、海辺の惑星へ行ったり、森の惑星へ出張したり、宇宙竜宮城なる大宴会場もある巨大湯治旅館(笑)へ出掛けたりもする。
 そーいう点でオッサンオタク的には、本来あるべき観たかった『ジャスピオン』や『チェンジマン』に『ファイブマン』がココにある! と思っているのも事実だ。
 まぁすべての惑星が、呼吸可能な大気もある地球型惑星じゃねーか!? というツッコミも可能だが、それを云うなら洋画『スター・ウォーズ』(77年〜)シリーズだって同じだし(爆)。


悪の軍団ジャークマターの描き方はアレでよかったか?


 よって、その宇宙規模での舞台の移動を可能とする物語&特撮ビジュアル自体はたしかにイイのだが……。
 大英帝国に日本が占領されて、瓦礫と化した街々で人々がバラックに住まったり、爆弾テロで抵抗している姿を描くTVアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』(06年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20081005/p1)ばりの描写は、美術予算的にも望めるワケがない。しかし、全宇宙が宇宙幕府の占領・支配下にあって、支配者や駐留軍がノサばっているにしては、地球の人々がワリと平常運転で、日常生活や会社勤めに買い物や日々の娯楽も楽しめているようでもあるチグハグな描写はやはり引っかかる。
 コレは中世の大モンゴル帝国の支配圏のように、最初は脅すけど、税金さえ払って抵抗の気配さえなければワリと自由放任で、しかも治安がよかったりもするような支配のあり方の引用ですかネ?(それはナイ・笑)
 たしかに古代・中世の歴史上の大陸の大帝国にはそーいう支配も散見されるけど――奴隷、植民地の民の平和かもしれんが(汗)――、巨悪に立ち向かうヒロイズムの高揚を描くべき特撮変身ヒーロー番組として、そのような「悪」や「支配」の描写はいかがなものなのか?


 まぁスタッフもバカではないのだから、設定は占領下の地球でも、それをガチに描くと映像表現としては重たすぎたりクラすぎたりして、メインターゲットである幼児層が怖がってヒイてしまうことを怖れてか、確信犯でユルユル気味の世界観にして、映像的にも深刻感のウスい世界観にしたのだろうとも推測する。
 そーいう意味では、スタッフ側の幼児たちへの忖度(そんたく)もわかるけど、だとしてもいささか忖度しすぎだろ!(笑)


 別にヘビーにリアルに描けとは云わないけど、もう少しだけ、ベタでも圧政に苦しんでいるような地球人、戦闘員に日々の生活を見張られて身をすくめて小さくなっているような地球人、料亭で小料理を突つきつつ黄色い小判(笑)を袖の下に受け取っているような代官もといダイカーン怪人みたいな、予算もかからない絵で観てわかる図があってもよかったのではあるまいか?
 宇宙幕府というからには、往年の名作学年誌漫画『ザ・ウルトラマン』(75年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20160914/p1)のごとく、ジャッカル大魔王の下に四天王・軍団長・軍団員がいるように、下っ引き・同心・与力・北町or南町or勘定奉行寺社奉行長崎奉行・目付・大目付・剣術指南・公儀介錯人・御庭番・黒鍬衆・側用人若年寄・老中・大老や、譜代以外の外様大名(笑)などの敵怪人を出すことで、敵組織の層としての厚み、擬似的な重しを出していく東映伝統のスタイルも本作でこそ活かせたのではなかったか?
 戦隊12人を描くために悪の描写を削る配分もわかるのだが、適度に憎々しげな悪党を出すからこそ、それを成敗する爽快感も引き立つので、敵の脅威感の欠如には少々の物足りなさを感じなくもなかった。しかし……。


12人目の300年前の戦士! 時間SF要素の導入!


 シリーズ中盤、夏休みに入るシーズン回における最後の12人目の戦隊ヒーロー、鳳ツルギ(おおとり・つるぎ)ことホウオウソルジャー登場編から、個人的には様相が一変する!
 シシレッドことラッキーに負けじ劣らじ、さして根拠があるとは思えないような全能感・万能感に満ち満ちつつも(笑)、物事を的確に判断して茨の道を切り拓き、自身を「伝説」だと自称し、戦隊メンバーに対しても「オレさまの盾になれ!」と高飛車にのたまい、玩具チックな盾を構えて剣で戦うキョーレツなキャラクター! 変身すると、通常の戦隊ヒーローのレオタード地ではないけれど、光沢のあるビニール地っぽい赤と黒のスーツ姿となることで、Wレッド体制に!
 さらに強烈なのが、彼は300年前から冷凍睡眠していた存在であり、初代宇宙連邦大統領であったとゆー! 20代後半くらいの若造が大統領だなんて「ンなバカな!」「ハッタリだろ!」と思いきや。劇中内事実なのであった(笑)。
 とはいえ、このナンセンスな楽しさこそが、平成のスーパー戦隊クオリティ!(ホメてます・笑) 300年前の回想シーンも江戸時代ではなく現代日本の風俗だし、とゆーことは『キュウレンジャー』の世界は少なくとも300年以上も未来の世界であったのだ!


 その後は時計座の惑星トキで、時間遡行能力を持つ「時計キュータマ」をゲットしたキュウレンジャーたちが、300年前に一度は宇宙幕府の首魁、ショーグンことドン・アルマゲを倒したと豪語するツルギの発言の真相を確かめるため、戦隊メンバーの半数が300年前にタイムリープ! 岩壁上の岩陰から往時の深夜の最終決戦を目撃することになる!
 並行して現代では、感情のない(厳密にはウスい)宇宙人種族である蛇使い座の銀色戦隊戦士、銀髪ナーガ青年が感情を欲することで皮肉にも闇落ちして、ヘビツカイシルバーならぬヘビツカイメタルへと再変身!
 300年前の世界でも、ツルギの旧友にして俳優・宍戸開(ししど・かい)演じるオリオン座の勇士・オライオンにも遭遇して親交を結び、ラッキーことシシレッドは彼の力も得て、マントをひるがえし瞬間移動を駆使して悠然と戦う白い戦士・シシレッドオリオンへと強化変身!
 変身バンクを使用せずカットも割らずにアクションをカメラが追い続けると変身時の映像効果を合成して各人が順次変身、バトルもドローン(無人小型ヘリ)で空撮したりと、映像面でも戦闘のテンションを高めていた。


 その過程で、現代の地球で朽ち果てたオリオン号を発見したり、300年前の世界においても3大副将軍と遭遇するも、ツルギに記憶はあっても3大副将軍にはツルギの記憶がナイことで、歴史にすでに改変や揺らぎが生じていることが示唆されたり、300年前の世界で改めてラッキーたちの助力も交えてドン・アルマゲを再度真に滅ぼして歴史も変わったハズなのに、戻ってきた現代も宇宙幕府の支配下にあって、ドン・アルマゲも相変わらず生存していることが明かされたり(!)、オライオンが死んだことで救世主の伝説が語り継がれなくなる歴史的空白を埋めるために、「ボクちん」(笑)こと龍人司令官だけが過去の世界に残って代わりに伝説を流布して300年後に再合流したり……。


 名作児童漫画『ドラえもん』レベルの小学生でもわかる程度のSFマインド(笑)でタイムパラドックスも描かれる。
 腐れオタとしては、やはりシリーズ終盤で恐竜時代にさかのぼって敵幹部を撃滅して現代に戻ったら、歴史が変わって機械化帝国に地球全体が機械化され鋼板に覆われていた! という展開があった子供向け合体ロボアニメ『熱血最強ゴウザウラー』(93年)や、同じくシリーズ後半に恐竜時代で消息不明になったサポート合体ロボが6500万年の数話(笑)の時を経て、長年の地殻変動による地層の屈曲の影響も受けずに(笑)太古の岩壁の中から復活を遂げた『勇者王ガオガイガー』(97年)や、同じく6500万年前の戦いで地中に埋まったギドラのシッポが成長して金色三つ首竜・キングギドラが現代に復活する怪獣映画『モスラ3 キングギドラ来襲』(98年)なども想起してしまうが、アレらももう20年〜四半世紀も前(!)の大むかしの作品なので、支障はナイであろう。


 ロートル戦隊ファンにとっては、3大副将軍の声を演じるのが、今やベテラン声優に出世した、『電子戦隊デンジマン』(80年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20120205/p1)デンジグリーンこと内田直哉と、『忍者戦隊カクレンジャー』(94年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20120109/p1)ニンジャブルーこと土田大。アイドルアニメ『ラブライブ! サンシャイン!!』(16・17年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200628/p1)でも低音ハスキーボイスの黒髪生徒会長アイドル役で3次元にもまたがって活躍中の『特命戦隊ゴーバスターズ』(12年)イエローバスターこと小宮有紗であったことがボーナス的なうれしさでもある。
 同じく元祖『ラブライブ!』(13・14年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20150615/p1)でロリ黒髪ツインテ嬢キャラも自称していた「宇宙№1アイドル」(笑)ことホシ★ミナトを、『魔法戦隊マジレンジャー』(05年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060313/p1)マジイエローや『特命戦隊ゴーバスターズ』ビートバスターこと松本寛也が、顔面金粉塗りの宇宙人キャラなのに演じてくれたことには……みなで感謝しよう(笑)。彼も1回ぽっきりのゲストかと思いきや、都合8回も出演して、その人物像も実は苦労人でもあったというかたちで膨らませて、最終的にはオイシかったと思う。


メンバーの因縁劇のリフレインで紡ぐ物語の達成度!


 惑星トキでの滞在時にも「時計キュータマ」の力の局所的発動か精神への干渉か、戦隊メンバー各人にとっての過去の大切な人が実体化して再会を果たす超常現象で、各人が抱えるドラマを再確認してキャラを深める――神尾直子が演じるコグマスカイブルーこと子役・小太郎少年が、宇宙を救うためにも今は亡き母との再度の別れを選択するあたりは泣けた――。
 闇落ちした銀髪ナーガ青年を救うために、彼の相棒・テンビンゴールドこと金ぴか金属生命体・バランスくんを演じるスーツアクター・大林勝が、戦闘で負傷した片足の太モモをカバう芝居をしつつも、実に情緒あふれる仕草や肩たたき芝居を披露して、金銀コンビの心情ドラマをブローアップしていたあたりも泣かせるものがあった。
 敵の策略とはいえ、この一連により感情を半ば獲得した銀髪ナーガ青年が、善悪はあざなえる縄のごとしで、その後はヘビツカイシルバーのみならずヘビツカイメタルにも2段変身できるあたりもカッコいい。


 このあたりから、本作は怒濤の展開となっていく――とはいえ、基本は作風を過剰に重たくせずに、イイ意味でユルめのズッコケ劇に留める印象ではあるけれど――。
 おそらく予算の問題&レギュラーが多数であることから、ほとんどゲストは出演しなかったが、その代わりにレギュラーたちの過去設定を深掘りするかたちでドラマを構築する。
 ワシピンクとオリオン号とのなれそめ。オレさまホウオウソルジャーが失った不死の力にまつわる事項。岡元次郎さん演じる黒牛ロボット戦士の産みの親こと子供ばんど出身のうじきつよし演じる狂気のアントン博士や、300年前に黒牛が残ったことによる再改造やそれに伴なう暴走の可能性。300年前にツルギとともに最終決戦を戦ったカラス座の戦士との因縁。
 そして、シシレッドが自身も知らなかった亡国の王族の出であり、父王の闇落ち(!?)や、宇宙か父かで懊悩させる展開でも盛り上げる! 父王・アスランは『3年B組金八先生』第5シリーズ(99年)以降の熱血教師のセルフパロディとおぼしき、悪気はナイけどカラ元気・カラ回りした若手教師役の印象が世間では強いと思われる、少々フケてきた中堅の山崎銀之丞が演じることで、盤石とはいえなくても相応の重みは出せていた。


 金と銀、黒とオレンジ、オレンジと空色戦士との特別な紐帯関係ネタなども再確認して関係性を強めていく。悪く云えば内輪ネタでグルグル廻しているだけだともいえるが、往年のVSOP(ベリー・スペシャル・ワン・パターン)と揶揄されていた時代の「戦隊」の素朴な良さもあるとは認めるけれども、基本設定・舞台設定・人物設定それ自体を煮詰めて練り込んで引き延ばして、連続ストーリーのメインストリームを作っていく作劇は、手前ミソで恐縮だが個人的には1990年代に夢見ていた子供向け特撮番組における理想の作劇術の実現でもあった。
 ……実現してみると、本作がワリとユルめな作風であることもあってか、そんなに喜びや興奮もナイけれど(笑)。けれども、決して悪くはない。


 母艦オリオン号が自我を得て特攻したあとは、オリオン座の今は亡きオライオンが秘かに建造していたという設定で、巨大棍棒を武器に「オ〜リオ〜〜ン」の雄叫びも印象深い、オリオンバトラーなるクリスマス商戦用巨大ロボに変型する紺色の宇宙戦艦・バトルオリオンシップが代替で登場。
 その艦橋は12人もの大所帯を収容でき、周囲の2階部分のカベに通路&階段も配置したオリオン号艦橋の巨大セットと同一だ。劇中でもあえて同一に改修したと言い訳されるが、予算的にも致し方ナイであろう(笑)。


敵首領とツルギの因縁劇! 敵首領とラッキーの対比劇!


 終盤はドン・アルマゲが鎮座ましますという、遠宇宙の南十字座の惑星サザンクロスを目指しつつ、それもフェイントで我らが地球の地こそが最終決戦の場となる。
 その過程で惑星サザンクロスが空洞惑星で、内壁に超近代的都市が乱立するSFビジュアルも見せつつ、ドン・アルマゲの最終目的が全宇宙の支配ではなく、全宇宙の消滅である! という、同時期放映の『ウルトラマンジード』(17年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20180213/p1)で悪のウルトラマンことウルトラマンベリアルさまが起動して多元宇宙のひとつを一度は破壊した超時空消滅爆弾のようなスケールの話にもなっていく!


 ホシ★ミナトごときの小物(失礼)に取り憑いていたことが発覚したことで、ドン・アルマゲは分身も憑依も自由自在であるらしいことも明かしつつ、最終的に現在のドン・アルマゲの正体は300年前のカラス座の非力な頭脳戦士であったと来たもんだ!
 正体を現した往年のカラス戦士が旧友・ツルギに向かって
「君は明るい人が好きなんだ。……なんかムカつくな!」
と叫ぶ姿に、子供のころからクラスの隅っこで生きてきた日陰者の筆者は大いに共感してしまうし、その世界破壊願望もわからなくはないのだが(笑)、だからといってそれを子供番組で倫理的に肯定したり、いわんや実現してしまうワケにもいかない(汗)。
 イタいところを突いてきつつも、それは寸止めに留めて、正義が最後に勝利するのが子供番組のセオリーであるべきだ。とはいえ、カラス戦士にケジメとしてトドメを刺すツルギにも、最後はカラス戦士のシミったれてスネた気持ちを理解させた作劇はポイント高いし泣けてくる。


 最終展開はさらなる二転三転があって、ドン・アルマゲのさらなる憑依や正体に――シシレッド=ラッキーの対極としての全宇宙の人々のアンラッキー(不運)の集合体であったとはウマい!――、シシレッド=ラッキーとホウオウソルジャー=ツルギの最終的な相克も描かれて、#1のシシレッド誕生シークエンスをリフレインするあたりもまた泣けてくる!


 古い話で恐縮だけど、『仮面ライダー000/オーズ』(10年)でおそらくメインライター・小林靖子が夏休み映画の『劇場版〜』の執筆での多忙の際の代打として早春放映回で登板したのが特撮作品デビューであった本作のメインライター・毛利亘宏氏だ。ゲストライターにありがちなアンチテーゼ編的な話で、カミさん&子供持ちの司法試験に落第しつづける人物が、行き過ぎて歪んだ正義感からバッタの怪人になって街の悪党どもにリンチを加えていく前後編であったと記憶している。
 当時のマニア受けはよかったような記憶があるけど、筆者はこんなカビ生えコケむしたような、「行き過ぎた正義の相対化」みたいなアンチテーゼ編なんて耳にタコだよなぁ、そろそろ相対化しようとしても相対化しきれずに最後に残るパンドラの希望みたいな「正義」とかに誰か言及してくれヨ! なぞとムズムズと不満に思ったものだけど。
 アレから10年弱が経ってみれば、「戦隊」のみならず東映変身ヒーローもののユルユル飛躍作劇(笑)を会得して、ワリとユルめな『宇宙戦隊キュウレンジャー』をメインライターとしてほとんどの話数を手掛けつつ、高らかに正義を謳いあげるかたちで仕上げてしまったこと自体には、往時のイメージとの落差ゆえかもしれないけれども実は好感をいだいてはいる。


 2010年代に入ってからも、三条陸・下山健人・香村純子と、新たに「戦隊」をメインライターとして支える脚本家陣が途切れなく登板してきた。本作の毛利同様、各作でほとんどの話数をものしてきた力量ある御仁たちでもあった。スーパー戦隊の将来もまだまだ盤石そうである。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2018年早春号』(18年3月11日発行)所収『宇宙戦隊キュウレンジャー』完結合評1より抜粋)


『假面特攻隊2018年早春号』「宇宙戦隊キュウレンジャー」関係記事の縮小コピー収録一覧
週刊文春 2017年12月14日号 宇宙戦隊キュウレンジャー 赤と緑 同伴出勤 熱愛撮
スポーツニッポン 2017年7月23日(日) 宇宙戦隊キュウレンジャー THE MOVIE広告
・スポーツ報知 2018年1月22日(月) 満足初写真集 山崎大輝(ヘビツカイシルバー)


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百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊』(01年) 〜赤星政尚・竹本昇、出世作! 「戦隊」批評の特殊性!

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忍風戦隊ハリケンジャー(02年) 〜前半賛否合評1・ゴウライジャー!

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特捜戦隊デカレンジャー(04年)#37「ハードボイルド・ライセンス」

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轟轟戦隊ボウケンジャー(06年) 〜後半合評・6人目ボウケンシルバー&大剣人ズバーン!

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獣拳戦隊ゲキレンジャー(07年)最終回 〜後半肯定評

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海賊戦隊ゴーカイジャー(11年)1話「宇宙海賊現る」

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快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー(18年)前半合評 ~パトレン1号・圭一郎ブレイク!

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ウルトラマンジード玩具&イベント・子連れで堪能記!

(2020年6月13日(土)UP)
『ウルトラマンジード』序盤評 ~クライシス・インパクト! 平行宇宙のひとつが壊滅&修復! その原理とは!?
『ウルトラマンジード』最終回「GEEDの証」 ~クライシスインパクト・幼年期放射・カレラン分子・分解酵素・時空修復方法はこう描けば!?
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 『ウルトラマン クロニクル ZERO&GEED(ゼロ・アンド・ジード)』(20年)にて、ウルトラマンジードが客演する『劇場版ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル』(19年)の再編集版が放映中記念! とカコつけて……。
 『ウルトラマンジード』玩具&イベント・子連れで堪能記をアップ!

ウルトラマンジード』玩具&イベント・子連れで堪能記!

(文・しかせん)

ウルトラマンジーとしててもドーにもならない)ジー子連れ狼考(ぢっと我慢するのじゃぞ!)」

変身アイテム「DXジードライザー」(2017年7月8日(土)発売)

食玩「SHODOウルトラマンVS2」ゴルゴダセット」(2017年6月13日(火)発売)

(2017年10月14日脱稿)


 2017年7月8日(土曜日)。初夏という季節を通り越したような朝から暑い日に、『ウルトラマンジード』(17年)第1話「秘密基地へようこそ」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20170819/p1)を見たあと、急かされるように車を近所の大型玩具店トイザらスまで走らせました。


 この日から変身アイテム「DX(デラックス)ジードライザー」が発売されるのですが、見事に「You Go! I Go! お店へGo!!」の策略に嵌ってしまったのでした。しかもトイザらスでは限定の「ウルトラマンジード DXジードライザー フュージョンライズセット」なる全部揃ったアイテムを発売するということで、我が家の小学3年の「ちびジード」も


「早くトイザらスへ行こう!」


と大興奮。


 金のウルトラマンカプセル「シャイニングウルトラマンゼロカプセル」も当然確保すべき。我が家の「ウルトラの母」も買い物ついでに事前に全て予約を済ませていてくれていたので確実に入手できる筈なのですが、「ちびジード」はいても立ってもいられない。
 未だにマニア活動を辞められない私も早く遊んでみたいという欲望はありつつも、大人の体(てい)をも崩してはならずとなだめすかしつつ、トイザらスの開店と同時に会計を済ませ、直ぐに帰路へ。




 世間様では夏の行楽に車を走らせている時間に、トイザらスまでの往復道中(なぜか)、ずっと『ウルトラマンレオ』(74年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20090405/p1)の歌を歌い続けて帰宅。近いうちにレオに変身していた真夏竜さんのお店へ「真夏さんの親子丼」食べに行かねば、そのためには学校休ませちゃおうとか車の中で画策したり。
 駄目親というよりも趣味のためならジードの悪父・ウルトラマンベリアル並みの悪行三昧。もちろん「ウルトラの母」は許してくれませんが。


 帰宅後は1週間前に放映された『ウルトラマンジード直前スペシャル』、今朝の第1話「秘密基地へようこそ」を昼食も忘れて見直し、「DXジードライザー」をためつすがめつ親子で交互に愛でながらも、装填ナックルを「スキャン」させる際のスライドが子供には難しいことや「DXウルトラカプセルホルダー&ベルト」のベルトの組み立てに難儀したりと、遊び方を試行錯誤しているうちに時間が過ぎてしまいました。


ウルトラマンジード DXウルトラカプセルホルダー&ベルト

ウルトラマンジード DXウルトラカプセルホルダー&ベルト

  • 発売日: 2017/07/08
  • メディア: おもちゃ&ホビー



 当日、神奈川県相模原市のショッピングモール・アリオ橋本で開催されていた『ウルトラマンジードショー』は諦めざるをえなくなってしまったものの、「ジードライザー」を発売当日に購入して気を良くした愚かな親子は、


「また来てくれるだろう、今度は朝倉リクと一緒に!」


と去年11月23日(水・祝)の『ウルトラマンオーブ』(16年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20170415/p1)ことクレナイガイご本人登場とマグマ星人との掛け合いのアリオ橋本での「ウルトラマンオーブ スペシャルステージ」の記憶も生々しく、「またの機会」と楽観的に考えていたのに10月上旬現在、「未だに当地に降臨」される様子はないので後悔することになるのだけれど……。


 まだこのときは夏休み恒例「ウルトラマンフェスティバル2017」もあるし、まぁいいかくらいにしか考えておらず、詰めの甘さもありつつも、『ウルトラマンジード』第1話が放映された週末はずっと「ジードライザー」の虜になっていじりまわっておりました。


 しかし去年のウルトラマンオーブの変身アイテム「DXオーブリング」に比べ、音声が控え目になった点に注目。ただし子供には迫力は足りず、音声を調節できる機能があれば満点だったかなと。


ウルトラマンオーブ DXオーブリング

ウルトラマンオーブ DXオーブリング

  • 発売日: 2016/07/09
  • メディア: おもちゃ&ホビー



 余談ですが、かって2011年にコトブキヤから発売された「カラー麺タイマー」も迫力がありました。ウルトラマンの胸中央のカラータイマーを着ぐるみ実物大サイズで忠実に再現しつつも、カップ麺にお湯を注いで「3分間ぢっと我慢するのじゃぞ!」の告知にも使えるという玩具でした(笑)。




 ウルトラヒーローの玩具には、やはり「ウルトラマン」と「怪獣」のリアルな音声は必要不可欠な要素なのです。かってマクドナルドの子供向け「ハッピーセット」のおまけで付いていたバルタン星人の「声」付き玩具は価格の割には秀逸で、「フォッフォッフォッ」は聞いてて痺れまくりでした。


 話は逸れますが、玩具としての販売方法から一線を画する「食」との絡みでは、一時期モスバーガーでも「ウルトラマン」のおまけを付加してました。
 円谷プロやその関係筋は、外食産業のノベルティとしての宣伝活動も続けていくのかな? とも思っておりましたが、そういった方面でのタイアップは最近、食玩に絞った様子で食料品のスーパーで見かける商品が多くなりました。


 親の立場としては子供を「おもちゃ屋」には連れていきたくはないけれど、食品の買い出しに訪れるスーパーマーケットや、ファミレス・ファーストフードは仕方なしに子連れ同伴だから、そこに魅力あるアイテムを置かれたら、ついつい買ってしまい。しかも買っちゃう親がここにいて。


 今年2017年6月に発売された食玩「SHODO(掌動)ウルトラマンVS2(ヴァーサス・ツー)」で、『ウルトラマンエース』(72年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070430/p1)13話「死刑! ウルトラ5兄弟」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060803/p1)でのマイナス宇宙にあるゴルゴダ星の十字架に掛けられたウルトラ兄弟を再現したゴルゴダ・セットに至っては、もうどこのスーパーに行っても全部揃ってなくて、我が家の「ちびジード」も諦めきれずに、いよいよ東京駅地下の「ウルトラマンショップ」まで行ってセット売りしていた時には、涙を流して嬉々として箱を抱えて帰宅したもんです。


 でもこれって、電車賃かけたらすごいことになってる……と帰宅後は当然、マザー破壊光線で粉砕されてしまいましたが……。




 さて、あと数時間で『ウルトラマンジード』第15話「戦いの子」が始まってしまう時間となりましたが、強敵怪獣・時空破壊神ゼガンとの戦いの総評は、皆様にお任せすることにします(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200523/p1)。


 本日10月14日は、我らがジードこと朝倉リク君が住んでいる秘密基地のロケ地、リアル「星雲荘」の公開日なので、寝不足を押して見にゆくつもりです。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2017年中秋号』(17年10月15日発行)~『仮面特攻隊2018年号』(17年12月30日発行)所収『ウルトラマンジード』子連れ観覧記より抜粋)


ウルトラマンジード 子連れ狼考(晩秋編)」

アリオ橋本冬期イルミネーション点灯式 ウルトラマンジード スペシャルステージ」(2017年11月23日(木・祝)開催決定!

強化変身アイテム「DXキングソード」(2017年10月28日(土)発売)

「ウルトラ6兄弟カプセル」(2017年10月28日(土)発売)

ウルトラマンジード』中盤に対する我が家の「ちびジード」の反応!

ウルトラマンゼロVR 大都会の戦慄 エレキング対ゼロ』

(2017年11月17日脱稿)


 毎回欠かさず見続けてきた『ウルトラマンジード』も、終盤に入って主題歌の歌詞も2番に変わって


《♪ここからは NEXTステージ》


ということで、終盤に向けて新たな章に入ってゆきました。


 我が家もそれを一緒に楽しむために色々と画策してきました。そして、ようやくそのような展開になってきました。


 11月23日(木・祝)に、ウルトラマンジードと朝倉リクがショッピングモール「アリオ橋本冬期イルミネーション点灯式 ウルトラマンジード スペシャルステージ」に登場です。なんと3.6mもの巨大立像(!)まで展示されるというのだから、これはもう行くしかありません。


 7月8日(『ウルトラマンジード』1話「秘密基地へようこそ」放映日)の「DXジードライザー」発売日に、アリオ橋本で開催された「ウルトラマンジードショー」は、当日に買ったばかりの「ジードライザー」に熱中してしまい観覧を断念していたし、アリオ橋本ジードに変身する朝倉リク君にナマで会えるのもこれが今年最後のチャンスです。


 昨年2016年11月23日(水・祝)の「アリオ橋本冬期イルミネーション点灯式 ウルトラマンオーブ スペシャルステージ」でのウルトラマンオーブ立像のご開帳では、趣味者・チビッ子に混ざって中年近い女性までもが「DXオーブリング」を手に応援に駆けつけていました。
 最近、ウルトライベントに行くと同年代近し(40代)とおぼしき美しいお姉さま方にも遭遇するので、違った意味で胸がときめくのですが(笑)、やはりウルトラマン登場は何ものにも代え難い魅力があります。これは言い切ります。


 話は逸れましたが、そんなわけで今年は買ったばかりのクリスマス商戦向けジード最強形態への変身アイテム「DXキングソード」で応援するか、最初の変身アイテム「DXジードライザー」にするか!? 悩ましい選択を強いられています。


 さて、その「DXキングソード」も、発売当日の10月28日(=17話「キングの奇跡! 変えるぜ! 運命!!」放映日)に「ウルトラ6兄弟カプセル」とともに手中に収めているので、もうどんなイベントに参加しても無敵です。


ウルトラマンジード DXキングソード

ウルトラマンジード DXキングソード

  • 発売日: 2017/10/28
  • メディア: おもちゃ&ホビー



 ちなみに、この話を見たあとにうちの「ちびジード」からは


「〔ウルトラ6兄弟カプセル〕のリトルスターは誰が持っていたの?」


と聞かれ、ギンガカプセルとオーブカプセルがニュージェネレーションα(アルファ)カプセルに、ビクトリーカプセルとエックスカプセルがニュージェネレーションβ(ベータ)カプセルに融合したみたいに、ウルトラ6兄弟各々のカプセルが融合して〔ウルトラ6兄弟カプセル〕が誕生したのだろうけど、尺の都合でカットされたのだろうと思いつつも、ウルトラ兄弟の長男・ゾフィーカプセルだけは未登場(後の回で初登場)のため、矛盾が発生しているので、子供相手に夢を壊すようなことを言うのも憚られ、今日にいたるまで


「あのカプセルのリトルスター保持者については『ウルトラマンジード』が完結するまで研究中!」


と言って逃げています(笑)。


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1_ウルトラカプセル



 17話「キングの奇跡! 変えるぜ! 運命!!」以降、『ウルトラマンジード』も終盤に向けての新展開となりました。
 11月4日放映の18話「夢を継ぐ者」のアダルティックな脚本の副作用からか、我が家では毎回5回は同じ話を見返す「ちびジード」が、この話は2回だけの視聴にとどまりました。


 そのうえ完全に物足りなかったらしく、『ウルトラマンメビウス』(06年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20070506/p1)34話「故郷(ふるさと)のない男」(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20061224/p1)を借りに、


「ツタヤに連れて行ってくれ!」


と言いだしたので、少しく可哀そうになったのですが、同話で黒潮島(くろしおじま)で旅の僧侶(=雲水(うんすい))になった、おおとりゲン(=ウルトラマンレオ)客演の話のレンタルは今度にすることにしました。
(実は、我が家の「ウルトラの母」が持っているレンタルビデオ・ツタヤの会員証が切れていたので……)


 代わりに日々の小田急線での通勤帰りの車中で見かけて気になっていた、「小田急百貨店新宿店開店55周年特別企画」〈小田急ショートショートシアター〉特設の全天球型映画館「VR THEATER」で上映されているVR映画『ウルトラマンゼロVR 大都会の戦慄 エレキング対ゼロ』(監督・田口清隆)でも見るかということになりました。


 翌日の日曜日に、いそいそと小田急百貨店の催物場階まで昇ってチケットカウンターまで行くと、


「150分待ちなんです」(!)


と同年代近し(40代)とおぼしき美しいお姉さま方が言うではありませんか!


 「ちびジード」はもう泣きそうなところを、お姉さまは


ウルトラマンと握手して帰るぅ~」


と握手券をカウンターの下のほうから差し出してくれたので、私も


「本当のウルトラマンが来るのだったら待ってよーか」


と待つことに。


 通常、13歳未満は視聴不可の「VR THEATER」も、百貨店特設ということもあってか「単眼のVRヘッドセット」が用意されており、小学生でも映像を楽しめる周到ぶり。
 ウルトラセブンとその息子・ウルトラマンゼロとの握手や記念撮影を楽しむうちに上映時間が到来。


「あっという間に終わってしまった」


という「ちびジード」の感想を聞いていたら一緒に見ておけばよかったと後悔頻り。


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2_ウルトラマンゼロVR



 昨日の『ジード』の欲求不満を解消するくらい面白かったようで、


「『ウルトラファイトVR(親子タッグ!激闘の荒野に花束を)』も見たいなぁ」


とも。


 『ウルトラマンジード』以外の最新のウルトラマン作品を見られたということも新鮮で、やはりセブンの息子・ゼロが活躍するのは『ウルトラセブン』(67年)にとっても特別な年であるがゆえなのでしょう。『ウルトラセブン』50周年と『ウルトラマンジード』との宣伝戦略がうまくリンクできていないことに、趣味者的観点ではズレを感じつつも、視聴の主役であるファンたちが満足できればそれでいいのでしょう。


 ともあれ、二枚目や美女が登場の『ウルトラマンジード』NEXTステージ。
 19話「奪われた星雲荘」では、ジードこと朝倉リク君が住んでいる秘密基地の人工知能・レムの人間態の女性を、レムの声をアテているアイドル声優三森すずこが演じて、その「みもりん」に色目を使っている駄菓子屋・銀河マーケットの中年オヤジの店長さんにも「もっと頑張ってほしい!」とエールを送りつつ(笑)、明日11月18日放映の20話「午前10時の怪鳥」放送に期待です。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2017年晩秋号』(17年12月3日発行)~『仮面特攻隊2018年号』(17年12月30日発行)所収『ウルトラマンジード』子連れ観覧記より抜粋)


ウルトラマンジード 子連れ狼考(師走編)」

アリオ橋本冬期イルミネーション点灯式 ウルトラマンジード スペシャルステージ」(2017年11月23日(木・祝)

ウルトラマンジード』中盤に対する我が家の「ちびジード」の反応! その2

「クリスマスカプセル」(2017年12月1日(金)配布開始)

ウルトラマンゼロ なりきりセット」(2017年12月2日(土)発売)

羽田空港国際線ターミナル江戸舞台 ウルトラヒーローショー」(2017年12月17日(日))

(2017年12月18日脱稿)


 師走に入る前の一大イベントとなった2017年11月23日(木・祝)の「アリオ橋本 冬期イルミネーション点灯式 ウルトラマンジード スペシャルステージ」で、朝倉リクと『ジード』劇中内の特撮TVヒーロー「爆裂戦記ドンシャイン」とのハイタッチで盛り上がりました。


 おかげで、すっかり20話「午前10時の怪鳥」(11月18日)の内容も記憶から吹き飛んでしまい、ただこの回のゲスト怪獣・ギエロン星獣の慟哭の口真似をする我が家の「ちびジード」と、何故か劇中が昭和中期チックな団地が舞台であったことから往年の日活ロマンポルノ「団地妻」シリーズを連想してしまった愚かなわが身を呪ううちに、見逃し配信さえスルーしてしまった次第。


 次の21話「ぺガ、家出する」(11月25日)はしっかり見てから、師走を迎えようと珍しくテレビの前に鎮座しておったものの、ゲスト怪獣である深海怪獣グビラとの攻防よりも、ペガッサ星人の子供・ペガのユル~い家出騒動を主軸として、ゲスト怪獣が登場する特撮シーンとドラマが完全に分裂して並行しているあたりが、親子ともどもどうにもしっくりせず、やはりゲスト怪獣との一進一退の攻防劇がキッチリしていないと盛り上がらず、ゲストの深海怪獣グビラも可愛らしい系だし……とかブツブツ言いながら見ていたら、「ちびジード」が


「コロ星人(『ウルトラマンレオ』第23話「ベッドから落ちたいたずら星人」)のときの話もあるからいいんじゃないの」


と一蹴。そうかそうか、子供にはこんなマイルドな話の回も必要なのねと反省。


 ここで話は11月23日に戻って、アリオ橋本での「ウルトラマンジード スペシャルステージ」は17時から屋外ステージで開催されるというのに、14時過ぎには寒風吹きすさぶステージ前の広場で場所取りのファンで埋め尽くされました。
 我々もようやく一画を確保したものの、油断していると両端の子連れママに侵攻される恐れがあるため、「3時間近くぢっとガマンして」領土を守って、ようやく17時のステージが開催されたときには一番眺めがよい場所だっただけに感無量!


 マグマ星人の前説(まえせつ)から始まり、ウルトラマンジードロイヤルメガマスター登場! そして朝倉リク君から『劇場版ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』(2018年3月10日ロードショウ・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20180401/p1)も発表され、大満足で帰宅の途についたものでした。



 しかし、今年最後の『ウルトラマンジード』の仕掛けるプレゼント攻撃作戦は凄まじいものがあります。「ウルトラマンショップ限定企画 ウルトラカプセルキャンペーン」なる子供心を鷲づかみに、そして親の財布をも鷲づかみにするイベントが師走早々の12月1日から開催されました。「ちびジード」も


「とーちゃん、〔クリスマスカプセル〕欲しいなぁ」


と毎晩枕元で囁かれれば、我が自身のマニア心のトーチに灯をつけ零時迷子(れいじ・まいご。(C)『灼眼のシャナ』)の能力で


「よっしゃ、とーちゃんとウルトラマンショップに一番乗りじゃ」


と言ったものの、キャンペーン翌日の12月2日は二日酔いで見事に玉砕。


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3_クリスマスカプセル



 あわてて翌日に大急ぎで「ウルトラマンワールドM78東京駅店」に出向いたらレジは長蛇の列。
 最後尾の立て看板を持ったお店のお兄さんに〔クリスマスカプセル〕の在庫を聞いたら、


「まだ大丈夫ですが、この週末あたりで……」


とのお話だったので、親はレジに並び、「ちびジード」は〔クリスマスカプセル〕のプレゼントの条件である3500円以上の品物を探して分担作戦。


 ジードが右手に握るハサミ爪のような武器「DXジードクロウ」あたりを携えて戻ってくるだろうと思っていたら、前日に発売したばかりの「ウルトラマンゼロ なりきりセット」(バンダイ・12月2日発売)を


「コレ! コレ!」


と言いながら満面の笑みを浮かべて持ってきて


「これでゼロになれる」


との弁。


ウルトラマンジード DXジードクロー

ウルトラマンジード DXジードクロー

  • 発売日: 2017/08/05
  • メディア: おもちゃ&ホビー
ウルトラマンジード ウルトラマンゼロなりきりセット
ウルトラマンジード ウルトラマンゼロなりきりセット

ウルトラマンジード ウルトラマンゼロなりきりセット

  • 発売日: 2017/12/02
  • メディア: おもちゃ&ホビー



 無事にクリスマス限定カプセルも手に入れ、帰宅後に二日酔いで見過ごしたままとなっていた22話「奪還」(12月2日)のハードな展開を眺めていたら、どうやらこの話も子供心に切なかったらしく、一緒になって見返さずに、


「宿題をやってるから勝手に見ていいよ」


と冷たい一言。



 子供心にも最終回が近づくにつれて、週末決戦のワクワクよりも一抹の寂しさが先行しているようで、


「劇場版もあるからまだまだ楽しみはこれからだ!」


と慰めても見返す力に身が入らないよう。しばらくは『ちびまる子ちゃん』や『サザエさん』を見返してばかりいたので、


「こんど(ウルトラマン)ゼアスと(ウルトラマン)ナイス見に行こーか」


と言ったら目を輝かせて


「行きたい! 会いたい!」


と言ったので、「羽田空港国際線ターミナル江戸舞台 ウルトラヒーローショー」(12月17日(日)開催)を見てきました。


 両者ともにコミカルキャラクターであるウルトラマンナイスウルトラマンゼアスの前説の掛け合いで笑いを誘い、本編はウルトラマンジードアクロスマッシャーとウルトラセブンが力を合わせて戦うバトルステージ。
 そして最後はボイジャーのライブと1時間半にも及ぶステージに、「おしっこ」に行きたい「ちびッ子」続出。それでも内容の濃いステージに「ちびジード」も満足した様子で、「ナイスとゼアスに会えてよかった」と。


 最後は恒例の握手会。そして撮影会もあり、空港のクリスマスイルミネーション降りそそぐなか、さらに輝くウルトラマンたちの眼やカラータイマーのルミナスに心奪われたまま空港を後にしました。


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4_羽田空港



 帰宅後、23話「ストルムの光」(12月9日)を見直していたら、沖縄県が全面協力していたり、そんな折りフィルム・コミッションの始祖である大林宣彦監督(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200531/p1)が映画『花筐 HANAGATAMI』(12月16日公開)の新作を発表し、アニメも含めてフィルム・コミッションが当たり前になりつつある現状やらを考察してみたくなったり……。


 最終回1本前の24話「キボウノカケラ」(12月16日)では「ウルトラの父」の声が『ウルトラマンメビウス』(2006年)から継続して務めてくださっている西岡徳馬さんだったり、来春の『劇場版ウルトラマンジード』の「ウルトラの母」の声も映画『ウルトラマン物語(ストーリー)』(1984年)から継続されている池田昌子さんだと知って喜んだり……。


 来年2018年は名作テレビアニメ『銀河鉄道999(スリーナイン)』(1978年)放送40周年にもなるんだぁ、池田さん演じた金髪ロングのヒロインのメーテルって……。なんだか「ウルトラマン」とは別のことを考えはじめたので、これはまた別の話で……機会がありましたならば。


(編:『銀河鉄道999』40年後の感慨については、本稿担当者が翌2018年に改めて執筆。そのうちにそちらについてもアップをさせていただきます)


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2018年号』(17年12月30日発行)所収『ウルトラマンジード』子連れ観覧記より抜粋)


ウルトラマンジード 子連れ狼考(早春編)」

「ウルトラヒーローズEXPO 2018 ニューイヤーフェスティバル」「バトルステージ 起こすぜ! 奇跡!!」(2017年12月29日(金)~2018年1月8日(月・祝)

強化変身アイテム「DXギガファイナライザー」(2018年2月3日(土)発売)

(2018年3月10日脱稿)


 本日2018年3月10日(土)は、『劇場版ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!』(2018年3月公開)の公開日であります。
 しかし、とりあえず朝からは「ちびジード」といっしょに『新幹線変形ロボ シンカリオン』(TBS)、『ジード』のあとから始まった『オーブ』の再編集番組『ウルトラマンオーブ THE CHRONICLE』(テレビ東京)なぞを観ております。


 昨年2017年の大晦日は、東京ドームシティ・プリズムホールで年末年始に開催された「ウルトラヒーローズEXPO 2018 ニューイヤーフェスティバル」の「バトルステージ 起こすぜ! 奇跡!!」を観覧し、ウルトラマンギンガ・ウルトラマンビクトリー・ウルトラマンエックス・ウルトラマンオーブウルトラマンジード・ウルトラマンゼロが共闘し、朝倉リク君(ウルトラマンジード)や伊賀栗レイトさん(ウルトラマンゼロ)の活躍に手に汗しました。


 今年2018年に入ってからというものは、大きなイベントには行けずじまいで、2月3日の発売と同時に『劇場版』の変身アイテム「DXギガファイナライザー」(バンダイ)を入手したものの、肝心の『劇場版』まではまだ間があったせいか、付属のウルトラカプセル「エボリューションカプセル」に描かれた「ウルトラマンジード(アーリースタイル?)」の意味も解らないまま、どうにも落ち着かず手に余らせていた状態でした。


ウルトラマンジード DXギガファイナライザー

ウルトラマンジード DXギガファイナライザー

  • 発売日: 2018/02/03
  • メディア: おもちゃ&ホビー
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5_劇場版ジード変身アイテム



 そのうえ年度末ということもあって本業にも追いまくられ、子連れでイベントに参戦する体力的余裕もなかったことからボンヤリと過ごしていたものの、どこからか「六本木 きすけ」(真夏竜さんの親子どんぶり屋さん)の閉店の報を聞きつけます。
 こりゃ「ジーっとしててもドーにもならない!」と平日のランチ営業のみだったから大人の楽しみと、今回は子連れではなく一人で親子丼を食べに行きました。


 しかし、2月26日(月)は真夏さんがお休みで出会えず。お店のママからも「ネット観てこなかったの?」と言われ、ママの親子丼に舌鼓を打ちつつ世間話をしてから辞しました。
 翌2月27日(火)に再び参戦して、ようやく真夏さん、いや、我らがおおとりゲンの親子丼をいただくことができました! ご本人様がいらっしゃるとやはりファンの方々が多く、昨日のまったりした店内が華やいでいて賑やかなランチでした。
 前日にママさんから真夏さんの卵料理へのこだわりを聞いていただけあって、背を向けて厨房で親子丼を作る真夏さんの真面目一筋で凛とした背筋からうかがう「親子丼にかける情熱」には並々ならぬ気迫を感じました。


 当日は映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016年)で敵のエリート兵士集団であるデス・トルーパーのスーツアクターをされたダニエルさんも「六本木 きすけ」に昼食で訪れていらして(当日は羽田から直行で来店されたとのこと)、来日後に初めて食べる和食である真夏さんの親子丼をぺロリと平らげておりました。


 そんな賑やかなお店を出て、地下鉄に乗ったあとも興奮冷めやらないまま。しかし、そんな状況から会社に行くと、我が身の中ではテンションアゲアゲで当日は仕事にならず。というより「仕事やってるばーいじゃないよ!」と気持ちも浮わついたまま、午後からはずっと映画好きの派遣社員さん相手に「ウルトラマン」や「スター・ウォーズ」の話をしていたら夕方になっていました……。


 「六本木 きすけ」最終日となる2月28日(水)にもぜひ親子丼を食べに行きたかったのですが、本業の都合で行くことができませんでした。残念。


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6_真夏さんの親子丼



(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2018年早春号』(18年3月30日発行)所収『ウルトラマンジード』子連れ堪能記より抜粋)


[関連記事] ~しかせん担当記事!

追悼、大林宣彦論 ~尾道。映像派から抒情派へ。風景も作品を規定する。ツーリズム。大林作品で旅に誘われた我が半生

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[関連記事] ~ウルトラマンジード登場作品!

ウルトラファイトオーブ』完結評 ~『オーブ』と『ジード』の間隙ほかを繋ぐ年代記的物語!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20170603/p1

ウルトラマンジード』序盤評 ~クライシス・インパクト! 平行宇宙のひとつが壊滅&修復! その原理とは!?

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20170819/p1

ウルトラマンジード』中盤総括 ~Wヒーロー・特オタ主人公・ラブコメ! 希代の傑作の予感!?

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200523/p1

ウルトラマンジード』最終回「GEEDの証」 ~クライシスインパクト・幼年期放射・カレラン分子・分解酵素・時空修復方法はこう描けば!?

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20180213/p1

『劇場版ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!!』 ~新アイテムと新怪獣にも過去作との因縁付与で説得力!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20180401/p1

『劇場版ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル』 ~小粒良品で好きだが、新世代ウルトラマン総登場映画も観たい!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190407/p1

ウルトラマンタイガ』(19年)序盤総括 ~冒頭から2010年代7大ウルトラマンが宇宙バトルする神話的カッコよさ! 各話のドラマは重めだが豪快な特撮演出が一掃!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190811/p1

『ウルトラギャラクシーファイト』(19年) ~パチンコ展開まで前史として肯定! 昭和~2010年代のウルトラマンたちを無数の設定因縁劇でつなぐ活劇佳品!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200110/p1

ウルトラマンタイガ』『ウルトラギャラクシーファイト』『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』『仮面ライダー令和』 ~奇しくも「父超え」物語となった各作の成否は!?

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200112/p1


[関連記事] ~イベント評!

ウルトラマン大博覧会 ROPPONGI 天空大作戦』 ~2007年師走~08年正月!

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『不滅のヒーロー・ウルトラマン展』『ウルトラマン伝説展』『ウルトラマンフェスティバル2006 Special Night』 ~2006年夏!

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『企画展 スーパー戦隊レジェンドヒストリー ~ゴレンジャーからリュウソウジャー、そして未来へ~』 ~神秘・恐怖から親近感・コミカルへ。日本特撮の画期にして文化・歴史となった「戦隊」!

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『第弐回 新仲見世 昭和レトロ祭り』 ~バトルフランス・バイオマン磁雷矢! 昭和特撮ヒーロー俳優サイン会・撮影会 2018年GW!

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『昭和レトロ冬まつり』 ~月光仮面黄金バット・帰マン・キカイダー・マッハバロン・バトルフランス・メタルダー磁雷矢! 昭和特撮俳優座談会・撮影会 2019年師走!

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『仮面の忍者 赤影 ジャイアントロボ 40周年トークライブin新長田』 ~軽レポート 2008GW!

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