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ウルトラマン80 35話「99年目の竜神祭」

ファミリー劇場ウルトラマンエイティ』放映記念「全話評」連動連載!)


『ウルトラマン80』全話評 〜全記事見出し一覧

第35話『99年目の竜神祭』

三つ首怪獣ファイヤードラコ登場

(脚本・若槻文三 監督・合月勇 特撮監督・高野宏一 放映日・80年12月3日)
(視聴率:関東7.3% 中部10.2% 関西10.6%)


(文・久保達也)
(2010年4月執筆)


 かつてやまなみ村にはたくさんの妖怪が住み、中でも三つ首竜は牛や馬を食い荒らし、遂には村人までをも襲い始めたことで最も人々から恐れられていた。


 そんな三つ首竜に村主(むらおさ)は大樽の酒を飲ませて酔わせ、刀ひとつで敢然と立ち向かい、三つの首を切り落とすことに成功した。
 バラバラになった三つの首は山奥へと逃げ去ったが、首のつけ根から落ちた水晶のような「竜玉」は村で大切に奉られることになった。


神主「遠い遠い昔のことじゃ〜……」


 『仮面ライダーストロンガー』(75年)終了後の後番組としてスタートし、視聴率30パーセントを達成して土曜19時の「お化け番組」として君臨した『まんが日本昔ばなし』(76〜94年・グループタック 毎日放送)のナレーション&声優で活躍した常田富士男(ときた・ふじお)が、三つ首竜を倒した村主の子孫の神主・山川役で出演。
 独特の名調子でやまなみ村の伝説を語り、画面では彼が手にした絵巻物でその伝説が表現されるという異色の導入部となっている。



 鬼矢谷(きやだに)の300年に一度甦る怪獣の伝説から巻き起こる騒動を描いた第29話『怪獣帝王の怒り』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101113/p1)も書いた若槻文三(わかつき・ぶんぞう)が脚本を担当していることもあり、第29話との相似性も感じる。


 が、第29話が怪獣伝説を金儲けの手段にしようと企む村長と旅行会社の社員をゲスト主役にしたコミカルな話だったのに対し、今回は導入部が象徴するように、奉られた竜玉が100年を過ぎると曇るため、99年に一度開かれる竜神祭の最終日に宝物殿(ほうもつでん)を御開帳して竜玉を磨くという風習。


 その機会を復活のチャンスとして狙うかつて倒された三つ首竜の化身である怪獣人間=火吹き男と怪力男。


 そして同じく怪獣人間であるものの、山川に引き取られて暮らしているうちに、人間社会を愛してしまったがゆえに葛藤する少年・光男(みつお)がゲスト主役であるという、同じ山村を舞台に展開する伝承話でありながらも、印象はかなり異なるものとなっている。



 神主・山川の甥であるイケダ隊員と矢的が竜神祭の見物がてら山川家に滞在。
 その旧家(きゅうか)のおちついたたたずまいや、一緒に誘ったはずのUGM気象班の小坂ユリ子隊員がなぜか神社で巫女(みこ)をしていたり(アルバイト? お手伝い?)、終始聞こえる祭りばやしの笛の音、鳥のさえずり、早朝に光男が掃除する境内の焚火(たきび)から上がる白い煙。


 そして主人公・矢的猛(やまと・たけし)隊員と光男が空手着姿で登場!
 黒帯の矢的と白帯の光男が組み合い、矢的は「ハァ〜ッ!!」と掛け声一声で飛び蹴りで(演じる長谷川初範は格闘技が得意だそうだが、ここは多分吹き替えだろう・笑)、光男はチョップで木の枝を次々に折る!


ウルトラマンレオ「エイティは光線技だけではなく、空手技も得意なんだね。いつか力くらべをしてみたいな」


 なんて小学館『てれびくん』80年5月号(だったと思う)でレオが願ったからこんな場面が描かれたわけではなかろうが(笑)、これら日本古来の「和」の文化の象徴が全編に渡って描写されていることこそが、第29話との違いを一層鮮明にしているのである。



 土曜9時放送のNHK『小さな旅』を毎週視聴しているような、筆者の世代の中年男からすれば、なんとも居心地のよい映像空間に思えるのだが、メインターゲットである男子児童の眼には当時どう映ったであろうか?


 放映開始当初の『80』第1話『ウルトラマン先生』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100502/p1)〜第12話『美しい転校生』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100718/p1)の学校編が


 「『3年B組金八先生』(79年〜・TBS)をウルトラでやる必要はない!」


 とマニアから叩かれたように、


 「『まんが日本昔ばなし』をウルトラでやる必要はない!」


 と思われたかもしれない。


 当時『てれびくん』に連載されていた居村眞二先生による『80』のコミカライズ作品は、開始当初こそテレビ版のストーリーをベースにしたものであったが、80年11月号に掲載の『怪獣魔城の怪獣魔王』以降、ウルトラ兄弟や過去の人気怪獣が登場する宇宙を舞台にした連続もののオリジナルストーリーとなった。
 81年2月号からは遂に『ウルトラマン80 宇宙大戦争』(ISBN:4813020089)とタイトル自体が変更、バルタン星人大軍団対ウルトラ兄弟の激闘を描く一大スペースオペラと変貌を遂げたのである!


 これは当時の子供たちの反応を察知した『てれびくん』の編集部、当時の小学館の各種ウルトラ書籍も大量に企画・執筆していた編集者の安井ひさし先生が居村先生に発注したものかと思うが、『80』で子供たちが観たがったのはやはりこんな路線であったかと思うのだ。


 「総論」を書く機会があったらあらためて述べてみたいと思うが(「同人レベルの文章だ」なんて批判されないようにしたいものだ・笑)、『ザ★ウルトラマン』(79年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100430/p1)も『80』も、単品としての出来は決して悪くはなかったものの、当時の男子小学生たちの需要を満たし切るものではなかったからこそ、低迷とはいわないが79年に再開したスーパー戦隊シリーズや第2期『仮面ライダー』シリーズなどと比較すれば大ヒットはしなかったということである。


 もっと云うなら、『ウルトラマンA(エース)』(72年)最終回(第52話)『明日(あす)のエースは君だ!』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070430/p1)も、『ウルトラマンタロウ』(73年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20071202/p1)最終回(第53話)『さらばタロウよ! ウルトラの母よ!』も、『ウルトラマンレオ』(74年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090405/p1)最終回(第51話)『恐怖の円盤生物シリーズ! さようならレオ! 太陽への出発(たびだち)』も、「テーマ性」や「人間ドラマ」としての出来は『ウルトラセブン』(67年)最終回(第48&49話)『史上最大の侵略』よりも格段に上だと個人的には考えるし、そのすばらしさを今後とも言葉を尽くして説明していきたいとも思う。


 しかしながら、幽霊怪人ゴース星人による地底ミサイルの世界各都市破壊シーンや避難する群集の場面が全て映画『世界大戦争』(61年・東宝)からの流用だったり、ウルトラセブンと双頭怪獣パンドンの二度に渡る戦いが、どちらもビル街のミニチュアが組まれない平原だったりと、低予算ミエミエでありながらも、前後編に渡って世界未曾有の危機やヒーローの大ピンチをきっちりと描ききったという点においては、確かに『セブン』の方に軍配が上がるのだ。


 『帰ってきたウルトラマン』(71年)第37話『ウルトラマン夕陽に死す』&第38話『ウルトラの星光る時』の暗殺宇宙人ナックル星人&用心棒怪獣ブラックキングが登場する前後編。
 『A』第13話『死刑! ウルトラ5兄弟』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060803/p1)&第14話『銀河に散った5つの星』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060805/p1)の殺し屋超獣バラバ&異次元超人エースキラーや、第26話『全滅! ウルトラ5兄弟』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061030/p1)&第27話『奇跡! ウルトラの父』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061105/p1)の地獄星人ヒッポリト星人が登場した前後編。
 『タロウ』第24話『これがウルトラの国だ!』&第25話『燃えろ! ウルトラ6兄弟』の宇宙大怪獣ムルロアや、第33話『ウルトラの国大爆発5秒前!』&第34話『ウルトラ6兄弟最後の日!』の極悪宇宙人テンペラー星人が登場する前後編。
 『レオ』第38話『レオ兄弟対ウルトラ兄弟』&第39話『レオ兄弟ウルトラ兄弟勝利の時』の暗黒星人ババルウ星人が登場する前後編。


 そうしたシリーズ中盤の前後編にはあった圧倒的なスケール感・ドキドキ感・ワクワク感が第2期ウルトラの最終回には欠落していたことが有終の美を飾ることができずに(?)、第2期ウルトラの評価を低くしている一因になっているかとも思われるからだ。


 いつ放送された番組かは失念しが、各世代に聞いた「思い出の最終回」をランキングにした番組(多分TBS)で、その当時の40代の第1位がやはり『セブン』の最終回だったのだ。
 ウルトラファンや特撮マニアにはともかく、第2期ウルトラの最終回が、一般層にそれほどまでのインパクトを与えることができたのであろうか?
 そこでもし、第2期ウルトラの最終回がそのテーマや人間ドラマはそのままに、バトル面でも中盤の前後編のようにウルトラ兄弟が総登場する世界規模の危機を描く前後編であったならば、当時の子供たちへのインパクトや、第2期ウルトラの後年の評価はどうなっていたであろうか? ともついつい夢想をしてしまうのだ。


 筆者個人の評価はともかくとして、『ウルトラマンティガ』(96年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20091211/p1)、『ウルトラマンダイナ』(97年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20091212/p1)、『ウルトラマンガイア』(98年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19981206/p1)も最終回を全て三部作とし、全世界的・地球的規模の危機に主役側が総力戦で挑むという圧倒的なスケール感・ゴージャス感が、今日まで根強い人気を保ち続ける要因となっているのではなかろうか。


 その点においては第2期ウルトラの最終回は、第1期ウルトラ――『ウルトラQ』(66年)第28話『あけてくれ!』は実質的な最終回ではないので除外するとして、初代ウルトラマンを倒した最強怪獣としていまだにその名を馳(は)せる宇宙恐竜ゼットンが登場する『ウルトラマン』(66年)最終回(第39話)『さらばウルトラマン』のインパクトはやはり絶大であろう――や平成ウルトラの最終回に比べ、印象が弱くなってしまうのは否めない事実であるのだ
 ――『帰ってきたウルトラマン』(71年)最終回(第51話)『ウルトラ5つの誓い』は、第2期ウルトラ世代であるにもかかわらず、個人的には全ウルトラシリーズの最終回で「ワースト」に掲げるものだったりする……理由は機会があればまた書きます――。
 
 
 閑話休題



 『80』に話を戻すが、78年に勃発した第3次怪獣ブーム渦中の『てれびくん』カラーグラビアや、
 『コロコロコミック特別増刊号ウルトラマン』(小学館・78年7月24日発行6月24日実売)巻頭カラーの「内山まもるウルトライラストの世界」、
 『コロコロコミック特別増刊2号ウルトラマン』(小学館・78年9月24日発行8月24日実売)巻頭カラー「初公開! ウルトラひみつリスト」(資料・安井ひさし 金田益美)、
 そしてそれらに掲載された内山まもる大先生をはじめとする執筆陣によるコミカライズ作品の数々で、ウルトラマンは常に「ウルトラ兄弟」として、「単体」のヒーローではなく賑やかな豪華さのある「集団」のヒーローとして扱われていたのであり、男子小学生たちの間でそれは深く浸透してしまっていたのである!


 78年といえば、東映スーパー戦隊シリーズ第2弾『ジャッカー電撃隊』(77年)と第3弾『バトルフィーバーJ』(79年)の間の1年間の空白・中断期間にあたる年でもあるのだが、男子小学生たちにとって、「ウルトラ兄弟」は戦隊ヒーローにあたる存在だったのではないのか!? とも見てとれる
 (しかも兄弟ひとりひとりが以前に番組の主役を張ったことがある大スターという一点でアドバンテージがある!)。
 その後の戦隊シリーズの隆盛を見ると、円谷は東映に最もオイシイ部分を持っていかれてしまったかのようにも思えるのである……



 広大な宇宙空間で怪獣軍団と激闘を繰り広げるウルトラ兄弟の大活躍を、映像作品にも期待していた男子小学生たちの視点で観て、古来の妖怪伝説をネタにした山村が舞台である今回のような話は、あまりにスケールが小さすぎるように映ったのではないのか?


 ゲスト主役である光男が何か得体のしれない存在として描写されるものの、事件らしい事件は怪獣人間である正体を見られた火吹き男が村人を焼き殺すまで起きることはない。
 しかもその事件自体、酔った村人が底なし沼に落ちたものとしてかたづけられそうだったのに、なぜかイトウチーフとフジモリ隊員がいきなり応援に来るというのも不自然といえば不自然である。


 しかも二人はUGM専用車スカウターS7(エスセブン)で出動しており、今回メカの登場はこれのみ。
 特撮場面でUGMの攻撃すら描かれないというのもなんだかなあ……


 こんなふうに書いてしまうと、すんげえつまんねえ話だと誤解されてしまいそうなので、見どころを色々と書いておきましょう。

 

 まず怪獣人間3人の描きわけが結構見事かなと。


 火吹き男は赤い装束(しょうぞく)姿で顔面は口が裂けているかに見えるド派手なメイク。
 当時「都市伝説」として流行して『バトルフィーバーJ』にも登場した「口裂け女」(『ウルトラマンメビウス』(06年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070506/p1)第40話『ひとりの楽園』でも紹介されましたね)を彷彿(ほうふつ)とさせます。
 奴が竜神祭の大道芸として火吹きを披露する場面、観衆をバックに奴の口から吐き出される火を合成したカットは実にいい感じです!


 そして怪力男は青い装束姿。
 スキンヘッドのコワ面(もて)で、『ウルトラマンレオ』第20話『見よ! ウルトラ怪奇シリーズ ふしぎな子熊座の少年』で牡牛座怪獣ドギューの人間体を演じるなど、高い身長の悪役俳優で知られる大前均――ただし同じ円谷の『SFドラマ 猿の軍団』(74年)では穏健派のゴリラであるビップ大臣を演じていました――にはまさにハマリ役!
 竜神祭では頭で巨石をカチ割る荒技を披露したほか、矢的をも頭突きでノックアウト! 怪力男というよりは石頭男と呼んだ方がふさわしいような気もしますが(笑)。


 そして光男は白装束姿がとてもよく似合う、凛々(りり)しい顔の美少年です。
 『80』のゲスト子役って結構イケメンが多いような気がしますが、70年代の特撮ヒーロー作品に登場する子役俳優たちと比べると、やっぱりアカ抜けしている感がありますね。


光男「いやだ! いやだ! 人間の世界がいい! ここがいい!」


 火吹き男と怪力男に竜玉を奪うように命令され、葛藤する姿は、今回光男を演じた杉本浩一のような美少年だからこそ、絵になるような気がします!


 しかし抵抗も空しく、光男は御開帳――この場面の厳(おごそ)かな雰囲気も、中年男にとっては実に味わい深いものがあります!――の際、遂に竜玉を奪い取ってしまいます!


 山奥に逃れてきた怪獣人間たちが竜玉に手を合わせることで、三つ首怪獣ファイヤードラコが出現!


 東宝怪獣映画の宇宙超怪獣キングギドラが金色、『スペクトルマン』(71年)第32話『よみがえる三つ首竜!!』&第33話『SOS!! 海底油田』に登場するその名も三つ首竜が茶褐色だったのに比べ、ファイヤードラコは中央の首が赤、左の首が青、右の小さな首が白と、各怪獣人間の色わけどおりにきれいにカラーリングされているのも好感が持てます!
 そして中央の首は火炎攻撃、左の首はやはり頭突き攻撃と、怪獣人間時の武器をそのまま踏襲しているのもナイスです!

 しかも、ロケの矢的に対し、合成された青い首が頭突きをかませるなんて面白いカットもありますよ!
 実景の山を前に逃げる村人たちの背景に、迫り来るファイヤードラコを合成した場面もいつもながら臨場感がありますが、倒れこんだ矢的の目線でとらえたかのような、林を両脇に迫るファイヤードラコのカットは、オープン撮影ではないのに低い位置からあおりで撮られ、スタジオの天井がバレないように計算し尽くされております!


 火炎攻撃と頭突き攻撃の猛威に七転八倒したあげく、矢的は遂に変身アイテム・ブライトスティックを拾い上げ、ウルトラマンエイティに変身!


 今回はバトルシーンも終始カメラの位置が低いままで引きぎみに撮られておりますが、おかげで手前の田んぼのミニチュアにちゃんと青い稲が細かく植えられている様子もわかり、ビックリ仰天!
 瓦ぶきの民家や鳥居、電柱なんかもリアルで実にいい感じです!


 火炎攻撃と頭突き攻撃の前に劣勢だったエイティでありますが、白い首が反乱を起こして赤い首に噛みついた!
 それを機に、エイティは高々とジャンプして中央の赤い首に跳び蹴りを食らわせ、再度ジャンプするや、今度は赤い首と青い首を目がけ、両足でダブルキック!
 と実に豪快なアクションを披露してくれます!


 両目から発するウルトラアイスポット、サクシウム光線の連続撃ちで赤い首と青い首にとどめをさしたエイティは、倒れたファイヤードラコの巨体から光男を助け出します。


 竜玉を置いてその場を去る光男。


 自分を育ててくれたやまなみ村を離れ、ひとりの「人間」として生きていく光男の背を暖かく見守る矢的のラストシーンは、美しい夕焼けが余韻を残します。



 そんなわけで、筆者みたいな中年男にはジャストミートな作品だったことも事実。これの良さがわかるまでに随分と時間がかかったものです。
 確かに「児童ドラマ」としての出来は悪くないとは思いますが、「軽薄短小」が時代の趨勢(すうせい)となりつつあった80年代初頭において、こうした生真面目な作品が受け入れられたかどうか……


 70年代に絶大な人気を誇った、あの国際放映製作・TBS系放送の良質な児童ドラマ『ケンちゃん』シリーズ(69年・『チャコちゃん』シリーズも入れれば62年〜)が、『チャコとケンちゃん』で打ち切りになったのは82年のことでした。
 そうした時代の変化や児童の嗜好などを微妙に読み間違えたことが、『80』が低迷した最大の要因であるような気がします……



<こだわりコーナー>


*本文中では大阪・毎日放送製作の『まんが日本昔ばなし』の放映開始年を76年と記載したが、実は前年の75年1月〜3月に火曜19時の枠で短期間の放映があった。
 俗に腸捻転(ちょうねんてん)と称されるネット改編の直前の時期であるため、この際は関東地区ではNET(現・テレビ朝日)で放映されていた。


 土曜19時枠での新スタート以降、最高視聴率は関東地区で33.6%(81年1月10日)、関西地区で39.6%(80年10月4日)。
 奇しくも『80』が放映されていた時期に記録されているのだが、本誌2010年冬号に掲載された、森川 由浩氏調査の『80』全話視聴率表によれば、『80』の関東地区の最高視聴率は18.7%、関西地区の最高視聴率は19.0%(共に第2話『先生の秘密』・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100507/p1)であり、いかに「お化け番組」であったか、一目瞭然であろう。


 しかしながら、『たけし・逸見(いつみ)の平成教育委員会』(91〜97年・フジテレビ)と『美少女戦士セーラームーン』(92〜97年・東映アニメーション テレビ朝日)が真裏で放送され始めたころから人気は急速に下降し、94年4月には土曜早朝のローカル枠に降格、9月には番組自体が終了してしまった(放映はその後もしばらく継続したが、全て再放送である)。
 この流れ、『ウルトラマンマックス』(05年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060311/p1)から『ウルトラマンメビウス』に至る経緯とほぼ同じなんだよなあ……(汗)


 なお05年10月から、これまた奇しくもかつて『80』が放映されていた水曜19時の枠で、傑作選をデジタル・リマスター化した再放送が行われていたが、平均視聴率は8%ほどだったそうで、半年で終了の憂き目を見ている。


*怪力男を演じた大前均はアクターズ・プロ所属の俳優であり、映画・ドラマの出演はそれこそ数えきれないほどなのであるが、本文中で紹介した『ウルトラマンレオ』『猿の軍団』以外にも、60〜80年代にかけ、特撮ヒーロー作品に多数ゲスト出演している!
 以下に代表的なところを列挙しておく(ほとんど悪役・笑)。


★『悪魔くん』(66年)第19話『地獄脱出作戦』→えん魔大王
★『仮面の忍者 赤影』(67年)第52話『六大怪獣包囲陣』→でっかでっか東馬
★『バンパイヤ』(68年)第9話『マッドパーの秘密』→巨人
★『ミラーマン』(71年)第41話『謎の異次元怪獣テロリンガ』→大男
★『人造人間キカイダー』(72年)第36話『狂ったジローが光明寺博士をおそう』、第37話『ジローの弟、強敵ハカイダー』、第38話『ハカイダーがジローを殺す!』、第43話『ジローの最期(さいご)かダーク全滅か?!』→大名刑事
★『ファイヤーマン』(73年)第21話『殺しの使者デコンとボコン』→デコン
★『ウルトラマンタロウ』第14話『タロウの首がすっ飛んだ!』→現場監督
★『仮面ライダーストロンガー』第7話『ライダー大逆転!!』→大木高平(奇械人ワニーダに襲われる子煩悩な父親。珍しい!)
★『秘密戦隊ゴレンジャー』(75年)第78話『黒い妨害電波!! 原始の雄叫(おたけ)び』→黒川隊員
★『ジャッカー電撃隊』第20話『暗黒の使者!! 透明怪物が闇を走る』→クライムボス
★『バトルフィーバーJ』第16話『格闘技! 闇の女王』→格闘技怪人
★『電子戦隊デンジマン』(80年)後期レギュラー・バンリキ魔王


 ほかにもご存じの方は是非ご一報を。



<2010年4月時点の最新情報>


*『ウルトラマン80』放映30周年を記念し、遂にCSファミリー劇場で10年5月2日から毎週日曜20時にオンエア開始!
 さらに6月25日には『ウルトラマン80』30周年メモリアルDVD−BOX I 〜熱血! 矢的先生編〜(といっても第1話から第28話を収録・ASIN:B003E3X5OI)がバンダイビジュアルから発売されます!


 さあ、みんなで観よう!


*てなワケで、続いて『帰ってきた』ネタです(笑)。アサヒ飲料の缶コーヒー『BLACK WONDA』(ブラック・ワンダ)のCMで、あの♪ワンダバダワンダバダワンダバダ〜という男声コーラスが印象的な、MAT(マット・『帰ってきた』で活躍した防衛組織)のテーマ曲が流れてます!
 これはマニアのみならず、40代の男性陣の心の琴線(きんせん)に触れる名曲であり、注目度はバツグン! なかなかいいセンスをしております!


 次回作ではぜひ郷秀樹役の団時朗(だん・じろう)、南隊員役の池田駿介、そして岸田隊員役の西田健(にしだ・けん)がトリオで出演することを切に願います!


 (後日付記:池田駿介氏は2010年6月11日に逝去されました。氏のご冥福を謹んでお祈り申し上げます)


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2010年GW号』(2010年4月29日発行)〜『仮面特攻隊2011年号』(2010年12月30日発行)所収『ウルトラマン80』後半再評価・各話評より分載抜粋)


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