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さよならの朝に約束の花をかざろう ~名脚本家・岡田麿里が監督を務めるも、技巧的物語主体ではなく日常芝居主体の演出アニメであった!

『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』 ~別離・喪失・齟齬・焦燥・後悔・煩悶の青春群像劇の傑作!
『心が叫びたがってるんだ。』 ~発話・発声恐怖症のボッチ少女のリハビリ・青春群像・家族劇の良作!
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』 ~長井龍雪&岡田麿里でも「あの花」「ここさけ」とは似ても似つかぬ少年ギャング集団の成り上がり作品!
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 2019年10月11日(金)からアニメ映画『空の青さを知る人よ』が公開記念! とカコつけて……。
 『空の青さを知る人よ』の脚本・岡田麿里が監督(!)を務めたアニメ映画『さよならの朝に約束の花をかざろう』(18年)評をアップ!


さよならの朝に約束の花をかざろう』 ~名脚本家・岡田麿里が監督を務めるも、技巧的物語主体ではなく日常芝居主体の演出アニメであった!


(文・T.SATO)
(2018年4月27日脱稿)


 2010年代の名作深夜アニメ『花咲くいろは』、『あの夏に見た花の名前を僕達は忘れない。』(共に11年春季・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20191103/p1)、アニメ映画『心が叫びたがってるんだ。』(15年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20191104/p1)などの原作ナシのアニメオリジナルのヒット作を手掛けてきた実力派脚本家・岡田麿里が、アニメ監督も担当するという本映画。


 それだけでもマニア的にはビックリだが、「『あの花』『心さけ』の岡田麿里が!」という形での大宣伝はされていないネ。
 どころか、現代日本の高校生男女ではなく、ハイファンタジー風で高踏的な異世界を舞台としたところで、デート客にもベタなオタ層にもそっぽを向かれそうだナと思っていたら、見事にそーなってしまったようで……。


 監督といっても名目だけで、映像演出の具体的な指示は助手がやっているのでは? なぞと筆者のようなゲスは勘ぐってもいる(笑)。


 とはいえ、この作品は技巧的で入り組んで起伏もあるような、脚本主導の作品ではなかった。
 淡々とした日常の一挙手一投足、朝起きて食事して職場に出掛けて帰宅して眠りに就く一連をていねいに見せることで風情や情緒を出していく演出アニメであったのだ!


 アニメ製作は『花咲くいろは』でも組んだ、高作画作品で知られる北陸に拠点を構えるP.A.WORKSだから、細かいお芝居も描ける優秀なアニメーターをゲットできたことも大きいだろうから、本作の成果はそれらの総合として見るべきなのだろうが、実は岡田が意図して演出・日常芝居主体のアニメにしたのだとしたら……土下座します(汗)。


 作品内容は、絹のごときハタ織り専門で高山に住まうお上品な長命部族が、軍事国家に侵攻されて人々も拉致や逃散の憂き目に遭い、亡国の民となってしまった薄倖そうな金髪少女が、流浪中に赤ちゃんをひろって息子として育てるというモノ。
 スレたマニア的には、西部劇や時代劇『座頭市』シリーズや特撮時代劇ヒーロー『ライオン丸』(72年)などでも見かけたパターンだ(笑)。


 岡田麿里センセイも四十を過ぎたから、母性を持て余して娘よりも母の気持ちに立ってしまうようになったのであろうか? なぞという下世話な観点から判った気になるのは間違いで、個人的な事情を超えて獲得した物語的・心情的な普遍性の方をこそ、批評は解題すべきだろう。


 長命部族だとバレないように職を転々とし、健気に子育てする金髪少女。彼女のことを母だと思い、そのうちに口に出さずとも育ての親だと気付き、老けない若い母をウザがるようになって親離れしていき、やがて自らカミさんを見つけて所帯を持って独立していく息子クン。


 権威や圧倒的軍事力の源泉でもあったドラゴン獣の絶滅間近に伴い、代替としてのハク付け&長命の血を求めて軍事国家の王妃にされてしまった同郷の快活であった友人の救出劇も点描されるが、すでに身籠もった身ゆえに拒絶され、その後は実娘に会わせてもらえず心を病んでいく王妃を終盤に配し、何の因果か喰うためにその軍事国家の軍人となった息子の国家や仲間への義理人情や忠義・職業規範といった、善悪はあざなえる縄のごとしな各々の時点では非倫理的とも云いがたい情動と、にも関わらず、彼の奮闘も空しく、他国からの侵攻で首都陥落する軍事国家の無常も描いていく。


 こう書くと、ストーリーもあるじゃんという印象を抱かれるだろうけど、序盤から沢城みゆき嬢演じる女長老が散々語って、同族の旅商人も復唱してきた、長命部族が短命部族に関わることでの死別の悲しさがキモの作品。よって結末の展開もミエミエなのだが、それでも引いてジラして盛り上げて観客を泣かせるテクニック。


 作品の優劣とは展開の妙だけでも決まらない一例だとも思う。逆に云うと、それ以外はあまりにも淡々としているので、退屈一歩手前だとの批評もあってイイと思うし、筆者も際どい一線にある映画だとは思う。


(了)
(初出・オールジャンル同人誌『SHOUT!』VOL.71(18年5月4日発行))



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